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2008年07月07日

生活品の高騰と高級ブランド離れ-変わる価値感とスタイル

■顧客の価値観が変わる スーパーブランドが売れない

「バーキン」売れ残りも・・・ブランド神話、陰る/読売新聞

海外の高級ブランド品や輸入車など高額商品の売れ行きが鈍ってきた。食品やガソリンなど生活必需品の値上げラッシュに対して〈値下げ〉の動きもある。諸物価の値上げに、米国発のサブプライムローン問題を受けた株価下落による個人資産の目減りなどが重なり、生活防衛の意識が強まったためだ。企業収益や地価動向で鮮明になった「潮目の変化」が、デフレ局面でも好調だった高級品市場に波及してきた。

 (経済部 船木七月、野中智章)

バーゲンも

 フランスの女優で歌手のジェーン・バーキンのために作ったとされ、1個が100万~300万円というエルメスの高級バッグ「バーキン」。一般客は予約できず「VIP客でも2~3年待ちがざら」の人気商品だが、大阪市内のブランド店では6月の数日間、陳列されたまま売れ残った。

 6月にイタリアのサルヴァトーレ・フェラガモは、1992年に日本に進出して初めて、バッグや靴など42品目を7~10%引き下げた。フランスのシャネルも1日から約1か月の予定で、衣類から雑貨までを対象にした「異例」(大手百貨店)のバーゲンを実施中だ。

ここのところ、スーパーブランドの売れ行きが悪いことはよく聞きます。百貨店
でのセールでも売れない。また今年の夏のセールは全体的に芳しくないよう
です。だから、意外に欲しかったアイテムが買えた!という人もいたのでは
ないでしょうか?

天下のバーキンが売れ残るというのは、大変珍しいことです。バーキンを持って
いることへのステータス、優越感、満足感よりも何かの要因のほうが上を行くので
しょう。その要因とは何なのか? 以下。

1世界の経済状況の悪化(オイルによる生活品の高騰と賃金の低下、ユーロ高、
アメリカの経済不振による株価下落)

2日本人のブランドに対する価値感の変化

3トレンドセッターの不在

1】読売新聞にも書いてある、アメリカ経済の悪化から影響を受け日本の株価
下落と賃金のカット。それでいて生活品はオイル高騰で値上げ。超リッチ層以外は
皆苦しいです。そんなときにブランド物を買うかといえばNOですね。ユーロ高による
ブランド品の値上げもありましたし。ルイヴィトンやエルメスもそうだったかな。

2】日本人の中では、確実にモード離れが起きています。ルイヴィトンのバッグを
ありがたがる人はいないし、D&Gというロゴは、昔なら自慢できたかもしれま
せんが、今では恥ずかしくて着ない、なんていう人もいます。

ヨーロッパの高級ブランド≠ブランド品になったわけですね。そして、人とは違う
ファッションスタイルを構築することに、情熱を傾けるようになってきた、というわけ
です。そこにきて、H&Mなどのファストファッションの台頭、made in Japanの
職人系ドメブラへの関心が雑誌などのメディアを通して若者に吸収されていく
わけです。

海外のブログで、日本のファッショニスタは、スーパーブランドに飽きている主旨
の記事を書いているものがありました。興味深い記事です。

 While younger Japanese customers may be veering towards local brands that are in tune with prevailing fashion trends, others are looking for something altogether different. They don't care about trends. Their closets are already full. They have bought countless branded luxury items over the years. So, if they are going to spend their money on anything, it has to be perfect.

日本の若者は今ドメスティックブランドのほうに目を向けている、あるいは人とは
違うファッションスタイルを探していると書かれています。トレンドなどは彼らの
中では関係なし。彼らのタンスの中はいっぱいです。彼らはずっと高級ブランド
をこれまで買ってきました。そんな彼らからお金を引き出そうとするなら、完璧
でないかぎりこれからは厳しいです。

こんなことが書かれています。なかなかするどいですね。でもね、だからといって
ジョンローレンスサリバンは、もう、なかなか厳しいですよ(汗)
この記事がある、THE BUSINESS OF FASHIONでは、上記の状況から若者に
人気のドメスティックブランドとして、ジョンローレンスサリバンが紹介されてい
ます。柳川さんスゲーかっこ・・・。他にソーイ、Nハリウッドが紹介されています。
画像は中でご覧ください。

今回、2008-2009A/W流行るブランド予想で僕も書きましたが、日本の若者の
モード離れが顕著であることは海外の方も感じているようですね。

もう一方で、天下の300万円のバーキンが売れないということですから、希少性
のあるアイテムを高い金額で買うという行為そのものに、特別な価値を感じなく
なってきているのでしょうか。超エリートOLなら、誰しも憧れエリートの証として、
1つは買うモノだと思っていましたが・・・。

3】単純に、ファッションスタイルを提案する側のベースがないんです。数年前
だったら、エディスリマンでしょう。現在はポストエディスリマンとしてトムブラウン
が、一気に露出されましたが、実際どれくらいの若者が、トムブラウンのセット
アップスーツを持っているでしょうか?あるいはBDシャツを着ているでしょうか?
少ないと思うんです。これがネオアメトラの象徴と現実のギャップにある問題。

ロバートゲラー、ティムハミルトン、アダムキメル、3.1フィリップリムなんかの
ほうがポロシャツとか、買っているんじゃないかな?そして、象徴で終わって
しまったネオアメトラの流れは、2つに流れていこうとしています。1つは、
アメカジの古着。若者はデットストックに興味を持ち始めています。80年代
にトレンドは帰ろうとしていますね。

もう1つは、ブリティッシュトラッドへの移行です。これは、メディアが少しずつ
誘導しているんですが、そうなると今までのトムブラウンのワッショイ!ワッショイ!
はなんだったんだ・・・ということに。しかも1年たらずで。

はっきりとしたトレンドセッターがいないと、こういう風に、トレンドの移り変わり
が早くなる→みんなついていけなくなる→疲れるのでトレンドとは別の方向
に動き出す→独自のスタイルをつくろうという行動に至る。

最後に。副都心線ができて、利益増加が見込まれていた伊勢丹新宿店が
9.1%も売上を減らしているようです。日本繊維新聞に書かれています。
僕が書いたことと似たようなことが、こちらでも書かれていますが、この3つ
の要因をどう乗り越えていくかが、これからのスーパーブランドと百貨店
には重く課された課題だと思います。

 

posted by No.9 at 17:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 議論 | 更新情報をチェックする
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