■一発屋的なメディア戦略に問題 もっと(ネット上の)口コミを信じるべき
H&Mがオープンしました。すごい人気というか想像以上です。ジワジワ感
が全くなかった。オープン当日は1キロ、5,000人並んだとか、入るのに
3時間待ちだとか、すごい反響です。そりゃあそうでしょ。あれだけワイド
ショー、ニュースを中心にテレビで使って宣伝したんだから・・・。某局では
H&Mオープンまであと30分とか、カウントダウンみたいなことしていました
からね。やりすぎです。
品質に見合っていない行き過ぎた広告戦略は、熱しやすく冷めやすい
日本人には一番やってはならない方法。それをいきなりH&Mはやって
しまった。これは、いただけない。お洒落な日傘を渡したり、水を渡し
たり・・・服好きの日本人はあくまでアイテムを見ますので、短期的な
効果にしかなりません。でかすぎる花火を打ち上げてしまった。
人間の期待の度合い、欲には限界というものがありません。どんどん、
次は何をしてくれるのだろう、と弾切れになっても追求してくる。
さあ、大変。自分で自分の首をしめてしまった。
経済ニュースサイト誠でも、当日の模様が掲載されています。著者も
並んだとか。なぜ人は行列が好きなの?というテーマで書かれて
います。最後にこんなくだりが・・・。
行列があればあるほど、人はワクワクして気になるもの。列の先には“きっといいことがある”と思い、私たちはお利口さんに並んでいるのでしょう。また行列は「耐え忍ぶ」「待つ」といった文化の表れで、日本人の楽しみの1つなのかもしれませんね。 |
するどい意見だと思います。行列ができるほど、その先には大きな
価値が存在する。期待が大きくなります。それがH&Mのアイテムだと
すると、果たして3時間、4時間待ったかいがあるのでしょうか?
僕は日本のH&Mの商品を触っていないので、品質に関してはあまり
言及できませんが、買ったアパレル関係者の話ではユニクロより質
は下、という意見を聞きました。デザインはキャッチーだけど、品質
が・・・ということです。しかもメンズラインはそれほど充実していな
かったり、「B級品送りだろ、これ」といったお粗末なアイテムもあった
とか。それを聞いて、H&MのやりすぎたPR戦略にアチャーと思いま
した。
テレビでの過剰なPR、インターネット大手サイトや雑誌を使った広告、
これを一番嫌がるのは服好きの人たちです。おそらく、ファッションに
対して高関与(こだわりの強い)の服好きたちはこう思ったんじゃないか。
「こんな並んじゃって・・・自分もならばされて・・・冷めた」と。結果的に、
高関与な人たちをH&Mは大切にしなかったんです。そこがまずい。
そもそも、テレビでどんどん「銀座のH&M」と言ったって、ブランド力では、
ルイヴィトンやエルメスには永遠に勝てません。相手はGAPやユニクロ、
ZARAなんですよ。市場の棲み分けをイメージ変えようとしても、品質に
うるさい日本人にはすぐばれる。それどころか、僕みたいな人間が見て
いると、アイテム自身に自信がないのかH&Mよ!と思ってしまうくらいの
広告費のかけ方。
テレビで知ったお洒落ミーハーは3時間並んで買ったんだから、
きっと素晴らしいものなんだろうと満足したとおもいますが、服好きは
並ぶこと自体をやめた人もいるのではないでしょうか。
僕が言いたいのは、日本のweb上の口コミをもっと信じればよかった、
ということです。本ブログは、影響力は少ないですが、2年前からH&M
について書いてきました。他のブログやファッション関係のサイトなどの
web2.0はから波及される口コミの力は、すごいと思います。また、H&M
に興味のある人はネットで検索をしています。以下。H&Mの認知度調査。
ファッションブランドに関する調査-アリババ調べ/ファッションニュース
■H&M、認知率20代で30.0%、30代で26.0% アリババでは、日本への初上陸を契機に注目を集める「H&M」について調査。まず、「H&Mについて知っているかどうか」を聞いたところ、全回答者の28.0%の人が「知っている」と回答。年代別でみると20代では30.0%、30代では26.0%の回答者が「知っている」と回答した。
■H&Mをネットで検索、ブランド認知者の40.5% |
だいたい認知度は26から30%。初上陸でこの認知度は、まあまあ
だと思います。しかも認知度は、それこそあとで上げられるし、
服好きの人たちが準オピニオンリーダーのような役割で、ジワジワ拡がっ
ていくのが、今の日本市場の1つの仕組み。
一週間で、約25,000人もの人が、3時間近く待って買うようなブランドまで
とは、お世辞もいえません。しかもコラボやってないんですよ。
H&Mのすごさは何なのか?それはスーパーコラボです。というか、
これがなかったら2年間も話題しませんでした。他のファストファッション
にはできない相手とのコラボレーションがH&Mのブランドイメージを
上げているのです。マドンナ、カールラガーフェルド、ステラマッカートニー、
ヴィクター&ロルフ、ロベルトカバリなどなど。そして、11月には、
コムデギャルソンとのコラボです。このレベルまでくると、多少品質に
問題があっても売れるだろうし、コラボアイテムは、オリジナルより
価格が上がる分、つくりまあまあだと予想されます。
極端な話、H&Mは、今回の過剰なPR戦略により、永遠にイメージの
付加価値を追っていかねばならないことになりました。次はどこと
コラボするのでしょう?村上隆氏?それともトムブラウン?そうやって
高いハードルを自らに課してしまったんです。日本人は本当に厳しい。
このままあと1年もすれば、オリジナルならユニクロやZARAのほうが
よくない?みたいな話になる→H&M焦る→資金を投入してキムタクに
着てもらう→短期的にイメージアップ→また落ちる→無限ループみたい
なことになってしまいかねません。 安かろう○かろうの時代はとうに
過ぎている。H&Mは、もっと日本人の体質、心理、文化を学ぶべき
だった。
僕自身は、H&Mは世界規模て展開している最強のアパレル企業
ということで、日本人のファッションに対するこだわりを知り、認知度
を一気あげるのではなく、口コミでジワジワ集めていく方法を予想
していたのですが、買いかぶりすぎました。
コムデギャルソンとのコラボで、流行の最大瞬間風速がまた上がり
ますが、来年からほんとにオリジナルでユニクロ、ZARA、GAPと
どこまで戦えるか、正直不安です。
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間違いなくこの記事通りの結果に終わりますね。
本当は応援したかったので、書こうか迷いましたが、あまりの過剰ぶりに、あえて書きました。とりあえず、これからコケるのが心配です・・・。
スラックスとジャケットを買ったんですが、縫製はやっぱり悪いです。2回ほどスラックスを穿いて既にポケットから破けていってます。。。生地もすぐ毳立ちましたし。
某掲示板でカットソーが溶けるとか、ブーツが空中分解する、とか言われてるHAREの方がよっぽどましなんじゃん??と思えるほどです。
EMBRAINSのTシャツなんて何十回洗濯しても毳立たないし、糸すら出ないのに(苦笑)
以前、ドバイのH&Mで商品を見ましたが、なんじゃこりゃあ!というようなものばかりです。とりあえず縫製が最悪でした。そりゃ、コートも$80で買えるわ(笑)みたいな。あとはもう、落ちるだけですね・・・。
ブ、ブーツが空中分解するのは初めて聞きました。事件です(汗)
>ハンゾウ さんへ
ドバイに行かれている事実に嫉妬(笑)