「ユニ隠し」に「しまラー」、ファストファッションはアレンジの時代へ: ブランドファッション通信

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2009年05月24日

「ユニ隠し」に「しまラー」、ファストファッションはアレンジの時代へ

■トータルコーディネイト10,000円以下が基本、カスタマイズだってOK

昨日、東京★カワイイTVを見ました。ちょうどファストファッション特集という
ことで、ファストファッション激戦区である原宿の新店舗、フォーエバー２１や
コレクトポイントのことを話題の中心にするのかな、と思ったらもっとディープ
で楽しかった。ファストファッションはアイテムそのもの楽しむだけでなく、
アレンジする喜びを感じる、次のステップに進んでいるようです。

●「ユニ隠し」の専門、デコクロ部が原宿にあるらしい

ユニバレ（自分がユニクロを着ていることがバレることで、昔はマイナスの
イメージがあった）なら皆さん分かると思いますが、ユニ隠しなんて言葉もあり
ます。ユニ隠しは、ユニクロのアイテムを独自でアレンジして、オリジナルアイ
テムにすること。これによって、実はユニクロのアイテムであることが隠せる、
という意味です。

紹介されていたものは皆レベルが高く、パーカ、スキニーパンツ、ベストを
中心にピカピカに塗装したり、ヴィンテージ加工、レースを付ける、カット、
端切れをはって裏地にする、など原宿で見れるユニ隠し術が出ていました。
また、このユニ隠し同好会のような組織が原宿にあって、デコクロ部といい
ます。HPがあるので興味のある方は、ご覧になってみてください。

ユニクロの柳井正CEOが、「ユニ隠しについてどう思うか？」という質問について
以下のように答えていました。
「服装全部を売ろうとしていない。部品としての服を売りたい。着こなしは、個人
で工夫して頂く。」このお言葉は実は２つの意味を成していると思います。

１、要するに、昔のガンプラやミニ四駆感覚でいいんですね、わかります（笑）
２、着こなし次第ということは、実はユニクロこそがファッション上級者のため
のアイテムかもしれないということですね。全部ユニクロでもイケメンならいい
じゃん、という論理が軽く崩れかけました。

●「しまむら」のファッション性の高さは５００以上の仕入れ先とバイヤーの教育

以前、「しまラー」をご紹介しました。しまラーは全身「しまむら」コーディネイトの
人を指します。Popteenなどの雑誌で、広く女子の間で人気となっているファッシ
ョンです。モデルの益若つばささんが、しまむらのアイテムを着て、高田馬場店
から「つばさ売れ」現象がおきました。

なぜ、昔の地方色が強く、ダサいイメージだった「しまむら」が変身できたか。
１つは、５００ものメーカーから仕入れていること。しかも仕入れ価格は各企業
に競争させて、一番安いところから仕入れます。「掘り出し物がある」という理由
はここにある。109系のアイテムもまだ扱っているのかな？

２つ目は、バイヤーの目利きを養う。女子の間で次にトレンドになるものは何か？
おっさんバイヤーはそれがわからないので、２ヶ月に１回、ヨーロッパ弾丸視察
ツアーを３泊５日で行います。１日で回るショップは４０軒。市場調査ですね。

個人的にはヨーロッパもいいけど、東京に溢れまくっているあのカオスファッション
からインスピレーションを頂くのも手なんじゃないかと。インスピレーショントリップ
としてH&Mのチーフデザイナーが東京を回っているんだし。なんかお互い灯台下
暗しのような・・・。まあ、それはともかく、益若つばささんの影響は大きいでしょう。

しまむらは、８年前からティーン向けのアイテムに力を入れだしました。渋谷の流行
を地方で安くがモットー。商品についてや、流通メカニズムの詳しいことは以前
書いたこちらの記事をご覧ください。

5,000円ほどあればトータルコーディネイトも可能なしまむら。これを如何に、
可愛くおしゃれに着こなすか。これが２０歳前後で人気。「安カワ」でございます。
自分でチョイスする喜び、自分でコーディネイトする喜び、安いのにお洒落が
できる喜び、アレンジできる喜び、それがポイント。昔のルイヴィトンのバッグを
持っていればお洒落、といった他力本願的で背伸びをする必要がないのが
特徴でしょう。脱記号消費。服と自分の間に絆ができやすいですね。

さて、丈が長くなるので、ファストファッションを考える第１弾として東京★カワイイ
TVを紹介しましたが、次回はファストファッションのポジショニングについてちょっと
考えてみたいと思います。

それにしても、「安カワ」や「安いことがカッコいい」という流れは、どこまで進むの
か？日本人が１番の顧客としていたモードファッションブランドはどうするのか？
棲み分けができている、と関係者は言い張りますが果たしてそうでしょうか？
すごく気になります。

関連：「しまラー」が登場　全身「しまむら」の若者が増えているらしい

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