■中国企業もさすがに10億ユーロでは買わないかも
「ピエール・カルダン」ブランド売却を希望、中国の可能性も/モードプレス
カルダンは米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal、WSJ)に対し、売却の意思を明かし、「今後数年で私自身は引退するが、ビジネス自体は続いていく必要がある」とコメント。売却する場合も、カルダンはクリエイティブ・ディレクターとしてブランドに留まる予定だ。「そうすることで、ブランドの評価は保たれるでしょう」とカルダン。
しかし、金融関係者は、10億ユーロという売却額は「高すぎる」と厳しい意見。売却価格は、カルダンの希望価格のわずか五分の一にあたる2億ユーロ(235億円)が妥当、と考える。
英投資顧問会社サビニー・パートナーズ(Savigny Partners)のPierre Mallevaysシニア・マネージャーは「ピエール・カルダンのようなブランドの価値は普通のブランドのように上昇することはありません。なぜならほとんどをライセンス収入に頼っているからです」と語る。パリの評論家も「カルダンは少し無防備過ぎる。ライセンス展開をやりすぎたため、無形資産が浪費されてしまった」とコメントする。
■中国の可能性も
ブランドの可能性は、高級品の需要が高まる中国にあるのかもしれない。カルダンは先月中旬に、中国・天津(Tianjin)で盛大なファッションショーを開催。現地で開かれた会見で、「ブランドに対し、中国を含むいくつかの買い手から打診があった」とコメント。売却先は中国企業か、という問いかけに対しては「中国――。なぜ駄目なのかい?」と含みのある答えを返した。
チャイナ・マーケット・リサーチ・グループ(China Market Research Group)のショーン・レイン(Shaun Rein)マネージング・ ディレクターは、30年以上前から中国でのブランド展開に力を注いできたカルダンを「中国の消費者の多くに、『ラグジュアリーとは何か』という定義を教えた」と評価。さらに、「現在、中国の投資家は資金が潤沢にある。そこで、西洋のブランドを買収しようと試みているのです。ゼロからブランドを立ち上げるのは難しすぎますから」と語る。
以前もお伝えしましたが、ピエール・カルダンのブランド売却に関して話が進んでいるそうです。2009年にも、中国企業から270億円で買収したいという打診があったんですね。でもピエール・カルダン側は否定していました。
ところが一転して、ピエール・カルダン氏御大自ら中国に出向いてファッションショーを開催。潤沢な資金を持つ中国企業、中国市場は魅力的だということでしょう。
それにしても、いくら歴史のブランドとはいえ1170億円は高すぎる・・・。過去記事では、118億円と書いていましたが、桁が1つ間違えていました。それでも高いと思ったけど(苦笑)。
今年で89歳になられるピエール・カルダン氏、強気ですねぇ。それでも中国とピエール・カルダンとは、縁が深いんですね。というのも、中国人の間で一番有名な高級ブランドはピエール・カルダンなんです。ルイヴィトン、シャネルよりも知名度が高いという。知名度が高いんだから、中国企業が買収するのはビジネスの面からすると理にかなってはいますね。
ピエールカルダンの知名度が高い理由として、ライセンス事業を行っていたときに中国でたくさん販売されていたことが要因ではないかと言われています。それから、中国の服装についてピエール・カルダン氏がアドバイスをしています。うーん、これからを考えた場合どうなるんでしょうね。
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