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2012年01月23日

スーツの着こなし本を読む前の「取り扱い説明書」<1>

■買ってみたらイメージと違ってた、ということがないようにスーツ指南本を分類してみる

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スーツの着こなしハウツー、ノウハウが載っている本を買って読んでみたら、騎士道、階級社会とか、ボーブランメル、ウィンザー公、ブリトラにアメトラ、サヴィルロウ、ダンディズム、石津謙介、VAN・・・なんなんだ一体。スーツの着こなしはどこいった?
ならば、表紙がスーツの画だから大丈夫だろう、と読んみたら毛芯、お台場仕立て、Super120’Sなど小難しい用語がェ・・・。
というようなことありませんか?怒涛のように「薀蓄」が書かれていて、いきなり出てくる服飾用語に出鼻をくじかれます。そして、著者のあまりのスーツ偏愛ぶりが「言葉に出て酔いしれている」きらいがあるのは正直感じています。





これは、Elastic: 合理的なスーツ指南本『成功する男のファッションの秘訣60』でも書かれていることで、「あるある(笑)」とニヤリとしてしまいました。どれから手をつけたらいいかわからない、そんなことありませんか?僕は、今までありましたしある意味今でも自分の欲しい内容と違う本・ムックを買ってしまったこともあります。結構、曖昧さがあるんですよね。スーツ指南本は。


スーツとクラシック(流行り廃りのない定番・最高水準)な装いを謳う書籍はたくさんあれど、自分の着こなしの参考になるものもあれば、スーツの背景を説明する本もあるわけです。


人によっては、すぐに使える箇条書きのようなノウハウ本なのか、画で解説する本なのか、スーツの歴史(背景)を知るための本なのか、理詰め理論武装する本なのか、系統を知るため(ブリティッシュトラッド、アメリカントラッド、イタリアクラシコなど)なのか、著名人の生き様、ライフスタイルを知るための本なのか、哲学的なもの(ダンディズム)を学ぶ本なのか、スーツで内面を磨く自己啓発本のようなものか、またその類のまとめ書籍なのか・・・?本の見た目や、題名だけでもすぐわからないのが困りモノです。

結論から言うと、「本・ムック」 1冊だけ読んで、誰でもいつでもすぐ使えるノウハウ書籍はないと思っています。この世にあったら教えてもらいたい。スーツの着こなしは、社会現場でもオフでもどこでも使える普遍性があるのが特徴ですが、本には限界があります。



なので、スーツや脱オタファッション、クラシックな装いに興味がある人が目的別に選べる「取り扱い説明書」記事としてまとめてみたいと思いました。これは、もちろん経験則で絶対的ではないことをご承知ください。スーツ指南本「どれから、どう読んでいけばいいの?」という人たちにお役に立てばと思います。スーツの着こなし指南本ではありますが、脱オタファッションや就職活動の着こなしも結果的に含んでいます。詳細は、9万円以下でつくる脱オタファッション スーツスタイル編を御覧ください。また、リクルートスーツたるものは日本独特のもので西洋にはないので、「就活のためだけ」で買うのは勿体無い。学生さんにも、なるべくよい着こなしができるようお役に立て頂けると幸いです。


というわけで、本取説の目次。



1、はじめに
2、あなたの目的に合わせた本・ムックの紹介
3、本・ムックの読み進め方
4、読んできた書籍の重なる点
5、最後に



 

1、はじめに

本当にスーツとかなんもわからない、という方もいるでしょう。そういう場合、男のファッション基本講座―ほんの少しで印象がガラッと変わるや、体型身嗜みの管理という点でモテる男の身だしなみもある程度参考になると思います。ただ、こういう種類の本はトレンド性が強いので、数年後には使えないかもしれない。初めて買う本という点で紹介。
本記事は、年齢の幅をなるべく広くなるように設定しています。20代から40代以上が目標。 ほかには恐縮ですが、本ブログでもまとめとして記事を書かせて頂いております。そちらもご覧頂けたらと思います。
1着は持ちたい自分に合ったスーツの選び方
初級
大人のシャツとネクタイのバランス論

あるいは、All Aboutを読んで頂いても、流行り廃りのないクラシックなスーツの着こなしについての基礎的知識が、画と一緒に学べると思います。このあたりを眺めつつ、1つの参考にするのもよいかと思います。





2、あなたの目的に合わせた本・ムックの紹介

【紹介するにあたり:頻繁に出てくるクラシックという言葉の罠の対策】

何度も出てくる言葉なので、1回だけ確認しておくのですが、クラシックな装い、クラシックスーツの「クラシック」とはなにかということです。
よく目にするのは「定番で流行り廃りがない」。これで合っていると思うのですが、服飾評論家の故・落合正勝氏は、「最高水準」と一言。じゃあ、「最高水準」たるスーツとは何か?
本の中だけでなく、テレビでも話しているのですが、「着心地が良いこと。ジャケットを着ているというより、生地を着ている感じ。そして、流行に左右されなくいつまでも着ていられること。」
と説明しています。実に分かりやすいですよね。でも、いくらでも歪曲できる言葉でもあり捉え方も難しい。
左右されないということは、「過去の時代に作られ、長年月にわたる批判に耐えて伝えられ <中略>継続性を保つ最高水準のスーツ 」と落合正勝氏は述べています。これが「クラシック」としておきます。


また、このくだりからも、スーツは洗練されてきただけでなく、いろいろ歴史に翻弄されてきて階級制度など高いハードルを超えてきて今に至ると。このあたりの歴史観は、諸説あれど中野香織氏の「スーツの神話」が詳しいです。
そんなわけで、クラシックスーツというのはやっかいなんです。上記のようなスーツを誂えるまで、知識と経験(試着、買う、時に失敗する)は必要になります。このゴールへの逆算として以下の紹介する本は一翼を担ってくれと思います。 なお、独断と偏見でマニアック度を「☆」で書きました。☆5つで満点(笑)。




【A】トータルバランス型:着こなしも基礎知識もイラストも歴史も知りたい(初級~中級)

スーツそのものに関する歴史や系統、なぜそれを知る必要があるか、それを知った上でじゃあどうするか?イラストや写真での分かりやすい解説はあるか?用語説明はあるか?スーツの基礎的知識を吸収できるか。つまり、総合的にオールマイティーである書籍です。

男の「外見」コーチング (PHP文庫) 男の「外見」コーチング (PHP文庫)
三好 凛佳

PHP研究所 2010-06-01
売り上げランキング : 9295

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「人はみかによるのです!」という著者は、「着こなし」、つまり人とスーツがフィットしているかどうかについて、そのみかけを説明していきます。お値段620円で、スーツに関するベーシックな内容を網羅。基礎的知識がバランスよく載っています。ジャケットの袖口からシャツが1-1.5cmのぞいている大事さや小物にいたるまで、服装術の基本をイラスト付きで説明。プラスアルファとして「モテ」の要素も入っていることからいろんな場面で使える。初心者でもOK。 【マニアック度☆☆】

大人の男の服装術 大人の男の服装術
滝沢 滋

PHP研究所 2011-05-28
売り上げランキング : 13249

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ハンガーにかかった既製服の美しさにだまされるな、という著者はテーラー。礼節とスーツに関する歴史の流れから、あくまで着こなしを説く本。日本人の7割は、体型に合わない上着を着ているという著者の主張を多くのイラストと人体の構造で説明してくれます。スーツを支えるのは第七頚椎の棘突起ということをCGで説明。スーツは肩周り、背中が大事である理由がわかります。さらに、試着するときのポイントもあるので読んでおいてよいと思います。【マニアック度☆☆☆】


メンズファッションの教科書シリーズ vol.1 スーツの教科書(Gakken Mook Fashion Text Series) メンズファッションの教科書シリーズ vol.1 スーツの教科書(Gakken Mook Fashion Text Series)

学習研究社 2009-09-25
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その名の通り、スーツの教科書ということでスーツに特化している男性の装い教科書シリーズ。ページ数が少ないにも関わらず、満遍なくスーツの各パーツ、素材、着こなし、薀蓄、お手入れが書かれている。イラスト、写真も多く、用語集も掲載されているので、バッグに忍ばせておくのもよいかもしれない。このシリーズ本で、さらに楽しく大人の服装術が学べます。 【マニアック度☆☆】








【B】鉄板本: とにかく1冊はもっていたい本(初級~中級)

私的「鉄板だと思うで賞」の本。何冊か紹介している本による解説は、この2冊を引用していてもおかしくないんじゃないかと。つまり、スーツ指南本のルーツのような存在のような気もします。それで、鉄板本としました。

[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで [新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで
落合 正勝

PHP研究所 2004-01-22
売り上げランキング : 29946

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たぶん、服好きから服オタになった人はこの書籍を皆通るのではないでしょうか?スーツの着こなしの書籍として、絶対的な定番になった数少ない書籍だと思います。賛否両論ありながら、引用数も多いはず。世界のスーツの種類から、ジャケットの細かい部分の長さ、太さ、大きさ、シャツ、ネクタイ、靴の種類、バランスまで書かれています。それもmm単位でのサイジング指南。その細かさには驚き。シャツだけで以下のような指定。

◎シャツの襟の長さは7cm
◎シャツの襟の開きは160度の開き
◎後ろ台襟4~4.5cm
◎前台襟3cm
◎ジャケットを来た時、上記の長さから後ろ襟が1.5cmジャケットの襟から顔を覗かす。
◎日本人に後ろ襟5cm(ジャケットを来た時、2cm以上ジャケットの襟から顔を覗かす)以上に達するハイカラーは首の短い日本人に向いていない。


とりあえず、初めて読むと少々難しいこともあるかと思いますが、その辺はネットで調べても十分事足りると思います。例えば、スーツを新しく誂えるなら予算は3万円台から こだわりのオーダースーツと一緒に読まれると、みなさんの中でさらに臨場感のあるイメージが湧くかな、と思います。
【マニアック度☆☆☆】

服部晋の「洋服の話」 (ラピタ・ブックス) 服部晋の「洋服の話」 (ラピタ・ブックス)
服部 晋

小学館 2004-11
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パターンオーダーやフルオーダーメイドをする前に読んでおきたい書籍。
金洋服店のオーナー服部晋氏の心温まるスーツにまつわる教科書。特にオーダーメイドをするときは読んでおいたほうがよいかもしれません。
よい紳士服店、よい仕立て、買い方と、どこでどんなスーツが似合うかということ(ドレスコード)を教えてもらえます。スーツの歴史をただ学術的に述べているのではなく、人の手でつくる手縫いの良さ、機械にしてしまうと着にくくなるということを氏の穏やかな言葉とともに自然に読める名著。貴重なイラスト、写真が豊富なのも特徴。他に、「ウールは呼吸する生き物、だから休めないと」というような、独特の表現も深み味わいがあります。【マニアック度☆☆☆】







【C】図鑑型:細かいイラスト、写真と説明でみれる (初級~中級)

スーツ指南本にはだいたいイラスト、写真が付いていますが、そこまでやるか?というほど細かく図示してくれているものもあります。図鑑といいましょうか。スーツ初心者なら、新しい情報で過多な部分がありますが、スーツ購入歴のある方にはディテールに関して目で参考になるものなんじゃあないかと思います。ちょっとマニア向けなところもあるかも。

大人の男のスーツ図鑑 大人の男のスーツ図鑑
スーツ向上委員会

二見書房 2006-08-11
売り上げランキング : 191354

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BL本で有名な陸裕千景子氏が描くオタクワールドは、スーツ萌え真っ盛り。BLと間違いそうですがご安心を(笑)。BLですから。そういった世界観というより、スーツに首ったけといった感じ。
檜原まり子さん、森奈津子さんといった腐女子御用達のBL系の先生方のスーツに関する含蓄と情熱には脱帽。とにかく絵がお上手で、各パーツの形、名称、小物、着こなしに至るまで、事細かに解説されています。イラストが多い。スーツの基本用語が多い。稀有な存在です。
【マニアック度☆☆☆】

MEN'S EX特別編集 完全保存版 本格スーツ大研究 ―紳士のスタイル、極めたい人へ― (BIGMANスペシャル) (ビッグマンスペシャル) MEN'S EX特別編集 完全保存版 本格スーツ大研究 ―紳士のスタイル、極めたい人へ― (BIGMANスペシャル) (ビッグマンスペシャル)

世界文化社 2009-11-06
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定番のスーツの着こなしを提案する数少ない日本の紳士の着こなしを教えてくれる雑誌「MEN’S EX」から完全保存版として出たムックです。正直すごくマニアックですし、時代とともに推すブランドや着こなし変わります。ただ、写真と、スーツのディテールの説明はまさに図鑑レベル。着こなしだけでみたいなら、同じく出版されている大人のスタイル 基本のき あなたをもっとお洒落にする200の法則も合わせて持っておくとよいかもしれません。
【マニアック度☆☆☆☆】


Gentleman: A Timeless Guide to Fashion (Ullmann) Gentleman: A Timeless Guide to Fashion (Ullmann)
Bernhard Roetzel

Ullmann Publishing 2009-05-20
売り上げランキング : 4586

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本当は、鉄板本にしたいところなんですが英語なんです。ただ、紹介している本の中で一番写真が多いことから図鑑型で紹介しております。勉強のつもりで買っても損しないほどの圧倒的な情報量。「男の服装術」のような着こなしの指南はもちろん、360ページで2360円は安い。本棚に入れておきたい事典のような書籍です。詳細は過去記事を御覧ください。
【マニアック度☆☆☆☆】







【D】コスパ型:最低限のイラストと最低限の説明の本:とにかく実践的な情報だけくれ!という人(初級)

スーツで時間をかけないというのは矛盾するところではありますが、細かいことはいいから、具体的にスーツの着こなしについておせーて、という方にはこのへんかなと思います。

男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない 男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない
森岡 弘

講談社 2011-05-31
売り上げランキング : 12532

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スーツの着こなしと、大人のカジュアルファッション両方書かれている。ページ数もそんなにありませんが、紺のスーツだったら、紺の無地ネクタイ。柄を入れたくても最大数は2つまで。BD(ボタンダウンシャツ)は目上の人の前では失礼。靴に金を使いなさいなど、ド定番のことが書かれています。カジュアルのボトムスでベージュのチノパンではなく白パンというのはちょっと難があるかと思います。 【マニアック度☆☆】


成功する男のファッションの秘訣60――9割の人が間違ったスーツを着ている (講談社の実用BOOK) 成功する男のファッションの秘訣60――9割の人が間違ったスーツを着ている (講談社の実用BOOK)
宮崎 俊一

講談社 2011-12-16
売り上げランキング : 2096

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銀座松屋の「銀座の男」市の仕掛け人にしてバイヤーの宮崎俊一氏の書籍。ちなみに、この大市(紳士服のバーゲン)お世話になっております。「試着は10着が目安」、「スーツを買うのは仕事帰り」、「基本は段返り3つボタン」、「スーツの命は下衿(ラペル)でその幅は8.5cm」、「ビジネスなら肩パットは不可欠」など、淡々と最低限の絵と説明で教えてくれます。ただ、紺無地がいけないというのはちょっと解せない所があるのでそれはまた、レビューにて。それ以外は、非常にサクサク読めます。 【マニアック度☆☆】


男のお洒落99―基本の服装術 (文春文庫) 男のお洒落99―基本の服装術 (文春文庫)
出石 尚三

文藝春秋 2008-06-10
売り上げランキング : 337188

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男のお洒落基本の服装術同様、淡々とスーツの着こなしをあげていく本書。イラストが少ないのは以前の書籍でも同じ事。ここでは特にラグジュアリーブランドをあげてこれを買いなさいというようなこともなく、入門者向けに書かれた本。イラストがない分580円とお買い得。画は、インターネットで観てね!というあっさりしているものです。 【マニアック度☆☆】







【E】歴史・哲学・系統型 (中級者~上級者)

スーツってそもそもなんで世界中に拡大しているのだろうか?なぜ、日本人も正装はスーツが定番なんだろうか?スーツはいつ、どこで生まれたのか?このような質問に、欲しい以上の情報を届けてくれる書籍ばかりです(笑)。正直マニアックで、私も還元しきれていませんが、ブリティッシュトラッドという言葉を改めてよく聞く昨今、スーツを2着目、3着目と買う前までにこの辺の本を読んでみると、接し方が変わるかもしれません。

◎ブリティッシュトラッド

ハーディ・エイミスのイギリスの紳士服 ハーディ・エイミスのイギリスの紳士服
ハーディ エイミス Hardy Amis

大修館書店 1997-03
売り上げランキング : 64906

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英国のデザイナー、ハーディエイミスの書籍。スーツのルーツを知るためにはこの人を通る必要があるかもしれない。スーツのルーツは乗馬服。そして乗馬服は軍服でもあるわけですが、ボーブランメル、サヴィルロウ、フロックコート、エドワード7世、エドワード8世(ウィンザー公爵)、チャーチル・・・とキーワードについてのお話も分かります。さらに、アメリカ、イタリアとスーツの原型が渡っていく流れも書かれています。その地で、スーツはイギリスのものとは異なる発展を遂げるわけです。
冒頭にある貴重な写真から、スーツ発祥の地イギリスの服装術が変わっていくことが分かります。さらに、ハーディエイミスがスーツをモダンに発展させていく苦労と努力も読んでいて知ることができます。【マニアック度☆☆☆☆】

◎ダンディズムについて

スーツの神話 (文春新書) スーツの神話 (文春新書)
中野 香織

文藝春秋 2000-03
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服飾史家、中野香織氏の代表作の1つ。1666年のチャールズU世の「衣服改革」からスタートして、結果的になぜ生き残ったのかを膨大な資料をもとに書かれたと思われる名著。貴族の処世術としての服からダンディとジェントルマンの闘い、フランス革命を乗り越えて、今の形になったかを考察するもの。やっぱりページ数のわりにがっちり歴史が書かれている本書籍はすごいと思います。
現代のスーツが厳しい階級社会にあったヴィクトリア時代の典型的な紳士スタイルを、労働者が打ち破って勝ち得たデザインであることが、この本から読み取れる。実はクラシックなスーツは、偉い人達だけのものではないのですね。ボー・ブランメルのチョロ悪行もここで暴かれています。 【マニアック度☆☆☆☆】

英国流おしゃれ作法 (朝日文庫) 英国流おしゃれ作法 (朝日文庫)
林 勝太郎

朝日新聞社 2000-11
売り上げランキング : 135853

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「ダンディズムとは、流行に左右されず、ある種のこだわりを持って逆らう行為(叛逆行為)。単なる洒落者や伊達者のみならず、外見を超えたところに見える服装と精神の合体であり、ある種のお洒落哲学のようなものを持っている人達のことを指すのである。」と、ダンディズムというイギリスのクラシックな装いを表す言葉を哲学的に考察している本。【マニアック度☆☆☆☆】


◎アメリカントラッド

TAKE 8 IVY TAKE 8 IVY
伊藤 紫朗

万来舎 2011-06
売り上げランキング : 117543

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ブリティッシュトラッドから生まれたスーツスタイルがアメリカのほうにわたり独自の発展を遂げる。その1つがアメリカントラッド。まさに今旬であります。この本は、TAKE IVY 復刻版
をブラッシュアップして復刻したもの。アメリカントラッドの根底にある、アイビーリーグを構成するエリート8大学の学生の着こなしについて、貴重な写真とブルックスブラザーズの歴史を観ることができます。ちなみに、この原書は、今のネオアメリカントラッドのデザイナー達の教科書になっています。 雰囲気も楽しめると思われ。【マニアック度☆☆☆】

ここでは割愛しますが、さらにアメリカントラッドを知りたければVANの創業者である石津謙介氏について書かれている書籍がよいと思います。「石津謙介がいなかったら、日本のファッション界は30年は遅れていた」というのはTAKE IVYの復刻版でも書かれているほどです。







【F】自己啓発型:中級者向け

勤めている業界、置かれている立場、自分と上司、あるいは部下との関係性をスーツを通してよりよくする。また、自分はこうでありたいという理想像をスーツに反映しようとするもの。

ビジネス服薬術―第一印象と心に効く、ファッション処方箋 ビジネス服薬術―第一印象と心に効く、ファッション処方箋
久野 梨沙

同友館 2010-11-11
売り上げランキング : 386445

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ここ数年よく見かけるパーソナルスタイリストという方が書かれた書籍。スーツが基本の日本社会において、自分がスーツを通してどうなりたいかということを心理学も使いながら指南する本。心理学をマスターしたこの著者が考える有毒ファッションからの脱却。悪いスーツスタイルを「毒」、良いスタイル「薬」と分ける。何が悪いかを、被験者のビフォーアンドアフターで説明していくケーススタディとなっています。そこには自分がアフターでどうなりたいか?ということがあるので自己啓発的な内容になります。どうも、後輩社員から慕われているか心配とか、怖いと思われているとか心配な方も、スーツの着こなしから考えてみたら面白いかも。








【G】補足型:マニアック度☆☆☆☆☆でお楽しみください

あくまで補足として、最後に設けたものですがこれはスーツに関するトリビアや、今まで紹介してきた著者の補足作品を簡単にあげます。

スーツ=軍服!?―スーツ・ファッションはミリタリー・ファッションの末裔だった!! スーツ=軍服!?―スーツ・ファッションはミリタリー・ファッションの末裔だった!!
辻元 よしふみ 辻元玲子

彩流社 2008-03-10
売り上げランキング : 193494

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そのものずばり。スーツの起源はミリタリーであるということを時系列と語源からマニアックに紹介している本。

ほかには、落合正勝氏の「モノ選びのディテール 成功する人だけが知っている!、「着こなしのディテール 成功する人だけが知っている!は、「男の服装術」を読んだら次読むことをオススメ出来る本。
中野香織氏の「性とスーツ―現代衣服が形づくられるまで」は、女性ならではの視点からスーツが何世紀にもわたり生き残っている理由が書かれているもので、すごく面白いです。

最後は、スーツと夫婦関係のような靴についての本を一冊だけ紹介させて頂きたいと思います。 紹介してきたスーツ指南本でも書かれているのですが、1冊靴についての名著があります。「紳士靴を嗜む はじめの一歩から極めるまで」です。人間の足の歴史、解剖学的構造を丁寧に説明した上で、健康と靴の寿命の大切さを教えてくれる眼から鱗の本。カタログとは違うのでオススメです。

さて、次の記事で、本・ムックの読み進め方から書きたいと思います。

スーツの着こなしハウツー本を読む前の「取り扱い説明書」<2>へ

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