■特集:進む流通革命とITの戦略的活用法
皆様からちょくちょくご質問がありました。
セレクトショップに比べて安いの?本物か
あやしいんだけど。」
私は、理由がわかっていたので、あまりこの
ことに触れませんでしたが、確かにおっしゃる
通り。そこで、難しい説明をなるべく省いて
ご説明します。
結論からいうと。
「IT化による、流通網の変化から生じた
コストの減少と効率化が起きたからです。」
なにを言ってるの?この人という声が聞こえて
きそうです(笑)。
そういうわけで簡単に。
流通ルートという言葉。皆様聞いたことがあると思います。
意味は「商品が作られて消費者までに流れ通るルート」
という意味です。
90年初頭までの流通ルートは、
「デザイン設計→工場での生産→卸売り→小売店→消費者」
この流れでした。そして、この中には商社が入りました。
商社が小売店の依頼をうけて海外ブランドとの交渉から、
マーケティングまでくまなく面倒を見ていたのです。
しかし、バブル崩壊後、皆どこの会社も手数料でコストが
かかりすぎるとして商社への依頼を辞め、
独自のマーケティングと流通ルート
を考え始めてのです。これを、俗に言う商社の中抜きといいます。
また、小売店自身が、ブランド品を選び、欲しがっている消費者に
欲しいときに欲しい分だけ買い付けるという方法を取れるように
なりました。これにより在庫コストがなくなります。これは
インターネットの普及により、24時間体制で、データを交換できる
(EDI)という仕組みによるものです。よって、消費者にまで到達する
スピードもコストも極端に効率的になり、価格設定に余裕が
出てきました。この技術革新をSCM(サプライチェーンマネジメント)
といいます。これだけおぼえてね(笑)。つまり流通網を自分たちで
管理しようという考えです。このさらに先を言ったのがネット取引。
簡単に言えば、こういう図式になります。
「買い付け及び交渉→消費者」
ものすごいシンプル!(笑)。今までの仲介をはさまず
欲しい消費者に欲しいだけ欲しいときに供給できる。
しかも店舗、電気代、設備の維持費、卸売りへの手数料
もいりません。かかるのは服を保持する空間とネットの
維持費です。これによって、ブランドは高いという固定観念
を一気に崩壊させました。
しかも、ネットですので24時間いつでも買うことができる、
いつでも見ることができる=オープンなわけです。
これが、現在のSCMの最先端の方法でしょう。
しかし、一方で、行けない、触れない、会えないという
デメリットを利用して、偽ブランド品が横行しはじめたの
です。これは本当にネット取引での障害になっている
ことは確実でしょう。
ブランドはいかに安くゲットするか、を研究している
私にとっては非常にやっかいな問題です。
現在でも小売店や商社もSCMを使って頑張っている
ところはあります。直接大量仕入れでコストダウンを
はかる激安ブランドショップ店。
商社でいえば、ヴィヴィアンウエストウッドを管理して
いる伊藤忠。またはEZ by ゼニアの
三陽商会などがよい例です。
なんとなく分かって頂けたでしょうか?要するに、
一昔までは、商品そのものの値段にネーム料と
コストを足したぶんを払っていたわけです。
だから本当の原価ギリギリで買えるようになった
今日をチャンスと捉えて安くゲットしていきましょう!
では。
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