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2012年03月10日

VOGUE HOMMES JAPAN VOL.8は「男性服の原点と未来」

■男性デザイナーに聞く「服って何?」 「物」と答える渡辺淳弥

VOGUE HOMMES JAPAN VOL.8(ヴォーグ ジャパン 2012年 3月号増刊) VOGUE HOMMES JAPAN VOL.8(ヴォーグ ジャパン 2012年 3月号増刊)

コンデナスト・ジャパン 2012-03-10
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毎号楽しみにしております、「VOGUE HOMMES JAPAN」。今回でVOL.8です。早いですね。
今回は、マストバイの内容だと思っております、面白いです。
巻頭言に、編集長の渡辺三津子氏が今回のVOL.8を「男性服の原点、そして未来」をテーマにしたと書いていらっしゃいます。「アメリカ」「エコ」「アジア」という今までの抽象的なテーマから服とスタイルに焦点をあてて作られたわけですが今回直球勝負だと。ラフシモンズ、渡辺淳弥、エディ・スリマン、ニコラフォルミケッティなどのインタビューが掲載されているわけですが、共通点は「トレンド」という言葉を使わないことだそうです。この面子だと、トレンドを結果的に作る法だと思うので、それはそうだろうなー、と納得。
最近、「服とは何か?」とか「ファッション批評」とか、ファッション批評を批評してみるとか、男性服を深く掘り下げる内容を見かけますが、なんかあったんでしょうかね。こういうのは好きですが、私ついて行けないと100%置いて行かれるので(笑)。


こちらでは、ラフシモンズと渡辺淳弥のインタビューを拾ってみたいと思います。



■ラフシモンズ「女性は自分がしたい格好をするが男性は他人の目を気にする」

ラフシモンズのインタビューは、彼がジルサンダーのクリエイティブディレクターを辞める1ヶ月前のものでした。テーマこそ「未来の男性服」となっていますが、いろいろな想いが汲み取れる部分もあって、本雑誌インタビュー中では、本人のその後を知っていたかどうかは定かではない、としながらも知っていたんじゃないかな?と思われる節も感じられました。さて、その超ロングインタビューですが、興味深い言葉があります。まず、レディースとメンズのハイファッションの違いとして・・・、

「女性に比べてやはり、(男性)すごくデリケートなんです。女性は「私は他人にどう思われようとこういう格好する!」という人も多いですが、男性は自分の外見に対して。周囲の人々にどう思われるかを気にしがち。そういう意味でセンシティブだと思うんですよ。」


服にこだわりを持つ男性だと、異性、同性の目両方が気になるんじゃないですか?どちらかというと、「モテ」ということではなくて、どれだけ服が好きであるか、ということを着こなしでアピールしたがるというか・・・。でも、そこに言葉は仲介しないので、半分不安な気持ちもあったりしてセンシティブ〜になるわけです(苦笑)。女性の場合も全くないことはないと思うけど、異性よりも同性を意識しているのではないかと思いまして。自立しているのは女性とでもいいましょうか。

今現在の(メンズファッション)の流れをどのように捉えているか?という質問に関して

「近年はトラディッショナルに回帰する強いトレンドがあると思います。 
–<中略>- でも、これは同時に問題だと思うのです。だって、サヴィルロウのスーツみたいな服を着たい男性ってどれくらいいるんですかね?そういうものがほしい人はオリジナルのところに行くのではないでしょうか? 」

トラディッショナルへの回帰は、モードの居場所から離れていく方向にもなりかねない。特に、エキセントリックでインパクトのあるデザインをしばしば出すラフシモンズにとっては期待しているものも、ほかの方向。その、トラディッショナルという部分をベースに新しいものを生み出す、一瞬相反する表現方法で出てくる解決策が素材となるようです。そして、素材といえば、ジルサンダー女史の名前があがってくるんですね。

「ここ数年のメンズファッションですごく大きなテーマになっているのは素材ですよね。でも、例えばジルサンダー。彼女の着眼点はすごいんです。ハイテクなボンディング技術とか素材に対するアプローチを、ジルは20年前からやっているんです。ですから、こうした流れは私達にとっては全く新しくないんです。
–<中略>-
そして今、私は批判されてもいい時期だとも思うんです。ジルサンダーのショーで私が強い印象を残したかったのは、実は批判を受けるためなんです。」


ここで、ラフ・・・(涙)となるわけです。いろんな思いがインタビューから読み取れるんです。もちろん、深読みかもしれませんが。ジルサンダーはジルサンダー女史自身がショーを行いトラディッショナルというものを表現していく。ラフシモンズは、ラフシモンズというフィルターを通して表現していく。最後のジルサンダー2012-2013A/Wは、21世紀の黒の衝撃なんて言われ方もしていましたが、男性らしさの象徴と同時にラフシモンズ氏の反骨精神が源で、作品として評価されたんじゃないかと想像したりしています。その辺の、ジルサンダーを持つオンワードホールディングスとラフシモンズ辞任の話は過去記事をご覧下さい。

ジルサンダー 2012-2013A/W










■渡辺淳弥「クラシックってなんすか・・・?」「服は物」

本誌の一番難所です(笑)。少しでも、抽象的だったり、空気を読む必要がある言葉をかけるものなら、私にはオタクのことは分からないので・・・とヒラリとかわす男。ジュンヤワタナベマンの渡辺淳弥氏です。インタビューにかんしては、ボスの川久保玲氏の例外とはいきません。でも、雑誌「Pen」での川久保玲氏は経営者の顔がよく見えました。
それでも、渡辺淳弥氏は語りたがらないし、あんまりメディアに出てこない。いつも写真だけ見ると文珍師匠と間違えるのは私だけでしょうか。

2001年のリーバイスから始まって、ザ・ノース・フェイス、モンクレール、マッキントッシュ、トリッカーズなどアメリカ、イギリスのクラシック、トラッド、ベーシックなブランドとコラボレーションし続けてきたジュンヤワタナベマン。あえて、クラシックブランドとコラボしているのかと聞いても、「何がクラシックなのか、といった正確なことにあまり詳しくないのです・・・(笑)」と答える具合。読んでいて、クスッとしてしまうところが随所にあります。

例えば、ほかに、メンズとレディースのデザインの出発点の違いについて聞くと、

「違いますね。私自身が(レディース)が着れないですし、頭の使い方も違います。レディースはゼロから物を生み出すことを目標、理想とします。メンズはすでにある物、自分のほしい物を元にしているので、レディースとは大きく違いますし手配する素材や布も違ってきます。」

最初だけ読むと、ジュンヤさんのギャグにも思えてくるイナシっぷりですよね。もうイメージの中で文珍師匠が女装している姿しか思い出せません!(笑)。

渡辺淳弥氏のジュンヤワタナベマンのクリエーションは、まず自分がほしいものを持ってくるそうです。ブランドの歴史とか背景とか、そういうことへの興味は書かれていません。欲しいもの、「物」扱いなんです。欲しい物なら初めからいじらないほうがいいんじゃないの?という、意地悪な質問をしても、この人には通用しません。
渡辺淳弥「人様がつくったものではなく、自分が作りたいと思って作り始めるので、やはり何でも変えたくなってしまう」と答えています。「物」を自分の物にしたいんです。

極端ですが、それは子供がおもちゃをいじって自分仕様にしてしまう、六神合体ゴッドマーズ状態ですね、わかります(笑)。あるいは、プラモでガンダムとザクを合わせてしまったりすることもあるわけです。

冗談はさておき、具体的にはパターンでいじるよりも、メンズの場合は物をいじったりする方がわかりやすいので、スタッフと一緒に物をいじっています、とのこと。解体しちゃうということです。
付け加えると、こういうことができるのは、コムデギャルソンの暖簾分けをしてもらったジュンヤワタナベマンぐらいのようです。普通は、コラボレーションするならパターンまで。ブランドのプライドもあるし、生産体制の関係で、ここまでいじり通せるのは、ジュンヤワタナベマンだけだそうです。
その辺の裏付けとして、サヴィルロウのテーラーにも声掛けしたみたいですが、生産体制的に不可能だったことが書かれています。




ジュンヤワタナベマン 2012S/S 前日にランウェイショーの場所に決まった庭園




さて、その後も、渡辺淳弥氏とインタビュアーのやりとりが漫才のように展開していきます。

譲れない部分は?
渡辺淳弥「若いサラリーマンが履いている尖った靴がわからない」

(上の答えをうけて)セクシーだから?遊び人に見えるから
渡辺淳弥「コムデギャルソンにセクシーという言葉はない。それを否定するような格好ですから。高倉健の世界のセクシーだったらありますよ」

(最近テーラードジャケットに興味があるという流れで)ジャケットを着たいと思うのはどんなときですか?
渡辺淳弥「寒い時でしょうか」

物づくりにおいてはやはり、常に新しい何かを加えていきたいという気持ちがあるわけですよね? 渡辺淳弥「その新しいという言葉も難しいのですが・・・。やっている本人にとしては気軽に使えない感じがありますね。」

男性服の未来、コムデギャルソン・ジュンヤワタナベマンの未来はどうなっていくと予想されますか?
渡辺淳弥「占い師じゃないのでわかりません。自分の未来のこともわからないですし。」

いやいや、占い師ならあなたのボスがある意味うらないs(以下省略)。とまあ、ところどころ笑ってしまったところもあるのですが、渡辺淳弥氏はとぼけているようにしても、ビジネスやブランドイメージについてちゃんと意識している部分があるようで、「受け入れられすぎるのもマズイ」ということを話しています。

あと、書かれていませんがコムデギャルソンオムは、渡辺淳弥氏が担当しています。良い素材、良い縫製をベースに最初から作られているメンズラインです。最近では、雑誌「SENSE」でもペイント加工のジーンズが紹介されていてオムプリュスではないので、思わず見てしまった。

少々長くなりましたが、VOGUE HOMMES JAPAN VOL.8では、フェティッシュなあのディレクションが帰って来ました。若干ウホ、なところもありますが、アートっぽい画がたくさんあります。これは綺麗ですよね。特に必見なのが、「新顔たちが魅せるバッグスタイル」。アントワープの写真家が撮った15人のモデルが面白いです。
さらに、YSLのクリエイティブディレクターに就任したエディ・スリマンの純粋なフォトグラファーとしての最後の写真集があります。ニコラフォルミケッティへの100の質問、トレンド分析もありますのでお楽しみください。


関連:VOGUE HOMMES JAPAN VOL.7は色彩

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posted by No.9 at 20:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日本のファッション動向と流行 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本人は男女共におんなじような格好するの好きだとは思いますけどね
女性は同性の目をきにして流行を追うの大好きじゃないかと
男は異性同性というよりナルシズムに走る気がしますね
Posted by ナカ at 2012年03月10日 22:22
> ナカさんへ

懐かしきメトロセクシャリティ。泳いで鍛えます。
Posted by 武欄堂 at 2012年03月11日 01:38
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