■メゾンの原点回帰を動画で配信 コンテクスト(背景、文脈)を共有する
ここ2年ほどで、歴史ある各メゾンのファクトリーだったり、クラフツマンシップを意識した動画の配信が目立っていると思うんですよね。ルイヴィトン、バーバリー、ダンヒル、シャネル、グローブトロッター、マーティングリーンフィールド、プラダ、フェラガモ、ヴァレンチノといった一流メゾンやクラシックブランド。
ブランドの裏側に物語あり。物語には歴史あり。歴史をつくる者、それは職人なり。この流れは、消費者にとって一番効果的なのかもしれません。特にメンズファッション市場が世界的に成長していることから、直感的なイメージよりも、歴史と職人達の仕事を理解してもらい、物語として購買まで持っていくという手法をとっているとも考えられます。これは、男性は女性よりも服の購入対して保守的と言われているためです。
そのような動画を今一度簡単に観て行きましょう。
【バーバリーロンドンの紳士服作り】
多くが中国生産。高級ラインはイタリア。ライセンスは日本製。英国製が少なくなっているバーバリーにとって、英国のブランドとしての歴史を感じさせてくれる内容。
【ジョンロブの靴】
世界の高級靴の頂点に君臨するジョンロブ。その生産工程を、歩行と合わせながら紹介している動画。堅苦しくならない程度のユーモアがあるところにセンスを感じます。
【フェンディカーサのクラフツマンシップと先端技術】
フェンディの世界観をライフスタイルに反映するために生まれた、フェンディカーサのソファの生産動画。
【グローブトロッターのスーツケース】
スーツケースといえばグローブトロッター。この動画は、どのくらいの工程で生産が進むかも紹介されています。
【マーティングリーンフィールドのスーツ】
made in USAのスーツといえばマーティングリーンフィールド。最高峰のクオリティ。手縫いにこだわるこのファクトリーには、歴代大統領やアメリカの有名ブランドがクライアントとして名を連ねています。
【Cad & The Dandyのスーツ作り】
サブルローのテーラーCad & The Dandy。世界最高峰のスーツ作りをするイギリスサブルローを代表するテーラー。 神業の数々。
【ヴァレンチノのロックスタッズバッグ】
ヴァレンチノいえばロックスタッズバッグ。その生産動画が公開。ほんと最近ブランドのヘリテージ(遺産)をイメージさせるのが目立つ印象があるんですよね。僕としては、勉強になってありがたいわけです。
【シャネルのリトルブラックジャケット】
ココシャネルが女性のワードローブとして生んだブラックジャケット。当時は、ジャケットといえば男性のものでありながら、機能性が低かった女性のドレスを一気に変えた革命的逸品。
【コーチのメンズレザーバッグ】
ほとんどが中国生産に変わっているコーチも、メンズに本格的に力を入れた2010年に原点回帰。アメリカ生産にスポットをあてています。
【ルイヴィトンのオーダーメイドケース】
トランクケースから始まったルイヴィトンは、今でも職人の手仕事でしっかり作られているようです。ルイヴィトンはヘリテージであるトランクケースと、マークジェイコブスのセンスの両輪をうまく使い分けているかと。
【ダンヒルのカスタムシャツ】
紳士服や小物まで英国の仕事が行き届く老舗ブランド。シャツは紳士服の基本なので、説得力が増すかもしれません。
【フェラガモのレザーシューズ】
フェラガモといえば靴。その生産工程は、非常に洗練されたものです。
【クリスチャンディオールのバッグ】
ミスディオールのバッグ作り。
【グッチのジャッキーバッグ】
ジャッキーバッグもグッチのアイコン。生産工程からクラフツマンシップを感じてもらうように。
【プラダのハンドメイドコレクション】
今のところヨーロッパ限定ですが、プラダシューズの最高峰のラインとなります。
【エルメスのバッグづくりと職人達の人生】
バーキン、ケリーと、ラグジュアリーバッグの頂点に立つメゾンですが、エルメスの場合生産工程よりも、さらに深い内容になっています。それは、作り手1人1人の人生を紹介しています。これこそが、コンテクストとして作り手と消費者がつながれる仕掛けになっていると感じました。
いかがだったでしょうか?ハイファッションといえば、センスや可愛らしさで勝負といった感情に訴えるものが多かったと思いますが、近年インターネットが世界中に普及してメンズファッション市場の成長とともに、メゾンの背景(バックグラウンド)をコンテクストとしてちゃんと見せる戦術がうたれていると思っています。
実際紹介させて頂いたメゾンの生産動画は、2年以内につくられ配信されたものです。まだ、デジタルでこの見せ方は新しい手法だったりします。おそらくさらに拡大するでしょう。ロゴ重視の記号消費が影を潜め、買う時には見えない消費するブランド品の背景を見たがる・・・物語型なんでしょうかね。
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