■ネームタグ ジッパー ボタン ステッチなどのディテールで見分ける指南書
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ヴィンテージって、古着の中でも希少性が高く、歴史を持った作品だからこそヴィンテージという冠がつく。ただ古い服・・・というわけではないのは、なんとなく感じているわけですが何となく混同してしまう時が私にもあるわけです。
その辺をざっくり立て分けると、今のトレンドの服=ファッション。昔流行って、現在希少価値の高いモノ=ヴィンテージ
と、本ムックでの説明を読んで感じました。というのも、流行ったといっても今のような飽和時代で大量生産して作られるわけではなく、ありあわせのもので職人達がつくった作業着なんかが、後々高価になるわけです。
服は機能的に少しずつ進化を遂げているわけですが、古びていてもその時代時代の英知と技術の結集が服好きを唸らせるこだわりの逸品に変わる。
本ムックでは、その時代の流れとしてネームタグ、ジッパー、ボタン、ステッチ、デザイン、シルエットなどの作品のディテールからヴィンテージかどうかを探るポイントがまとめられています。
以前ご紹介した、超マニアックな「ヴィンテージ古着大全」は、時代別、ブランド別、カテゴリ別にアイテム全体で紹介されていました。では、本ムック流の古着屋で使えるヴィンテージ判別ポイントを上げてみましょう。
1:「ネームタグの素材から時代を見極める」 昔のものは糸がレーヨンかコットンのみ
1930年代までは、シンプルな配色と文字だけです。それ以降は、背景がつく。がつくのは50年代、Made inUSAがつくのは60年代からと憶えておく。またいわゆるプリントというものは1930年代までは存在していない。
2:ジッパーで分かる年代判別 王者はHOOKLESS
HOOKLESSという刻印のあるジップ=1937年以前製造
今ではTARON社製になっているが、その前身メーカー。またTARONの刻印があるジップでも、扇型、ベル型、角型、棒型がある。実は、タグに負けずジップの薀蓄だけで1冊本ができるほど奥が深いと思います。というのも、機能性の代名詞みたいな存在なので。
TARON社のジップに関しては、以下の動画もご覧になれば面白いと思います。
3:ボタンの歴史は装飾と素材 木製で装飾性のあるボタンは希少価値たかし
ボタンというと、ワークウェアやジーンズなどは真鍮と鉄が普通ですが、昔は木製。1930年代まで。1940-1950年代までは、月桂樹のものもあったり凝ったデザインもあり。この時代は、戦争の軍隊と低賃金労働者がいたため、ボタンのつくりで職業がわかる仕様となっている。
また、真鍮製のチェンジボタンを使用している場合、そのほとんどはコネチカット州のウォーターベリーのもの。ここでは、リーバイスにパーツを提供しているところでもある。
4:刺繍、ステッチは歴史を大いに語る シングルステッチ、カンヌキ留めなしは大体旧い
例えば、リーバイスのジーンズのステッチを見る。普通はミシンでも、1920年代は手縫い。手縫いの場合、ボタンホール裏側が綺麗ではない。ただ、これだけじゃあわからない。
もう少し幅を拡げてやる。
・1930年代前から考えると、カンヌキ留めが股部分にないという特徴がある。
・基本的にウエスト部分はシングルステッチ。チェーンステッチ刺繍は、70年代頃から。
・コインポケット裏に赤耳が付いているというものもある。
・アウトシーム裏のステッチがシングル×シングルはビッグE時代のもの
ちなみに「ビッグE」というのは赤タグの「LEVIS」の文字が大文字か小文字という違いを表す言葉。古いものは大文字だったのでビッグE。74年以降は、小文字表記になりスモールeと言われている。
ただ、パッチ、赤タグのような分かりやすい特徴が欠損している場合がある。それでも判別できる時があるのが上記の特徴だそう。
以下の動画がその辺のディテールについて紹介しています。
簡単ではございますが、この4点から膨らましていくのも面白いかと思います。ヴィンテージかどうかはタグで判断するのが簡単ですが、それと別のオプションも知りながらお店で探すというのもヴィンテージの味わい方かもしれませんし。
本ムックでは、ナイキ、コンバース、アディダスのスニーカー、チャンピオンのTシャツ、スウェット、イーストウエストのレザージャケット、レッドウィングの見分け方も載っています。
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