オススメ記事・考察
【本ブログオススメの本・ムック】

■書籍:ファッション関連のムック・本

【芸能人のファッション情報】

■ドラマ衣装協力など:芸能人のドラマ衣装・ファッションまとめ, キムタクのファッションいろいろ

【穴場ショップと攻略法】

■アウトレットなど:穴場:サンヨーGBアウトレットのご紹介, 御殿場プレミアムアウトレットの攻略法

【考察記事】

■男性服を研究:「洋服の話」は必読の本, 脱オタとはなんだろう?
■アニメと服:ファッション誌とマンガ文化の調和における考察, エヴァンゲリオンはファッションとアニメの親善大使?
■学問的:ファッションの流行メカニズムと社会学, コムデギャルソンの哲学を考える, ブリトラの根底-ダンディズムとは叛逆精神, 1995年からのファッションを考える『拡張するファッション』
■音楽と服:服はなぜ音楽を必要とするのか, ファッションショーの音楽に生ライブが多くなった理由
■私的スーツ論:1着は持ちたい自分に合ったスーツの選び方 初級, 9万円以下でつくる脱オタファッション スーツスタイル編, 20代後半の安価なファッションスタイルを考察
■お手入れ:スーツのお手入れ大事なポイント, 大人のシャツとネクタイのバランス論, 良いネクタイとシャツを選ぶコツ
■社会問題: 正規品VS偽ブランド品の中でおきる消費者のジレンマ

【ネットオークションの極意】

■ヤフオク:ヤフーオークションで安くブランド品を落札する5つの鉄則, ヤフーオークションで高級スーツを安く落札する5つの鉄則
■ヤフオク2:ヤフオクのストアランキングで安く安全に取引する方法, オークション出品者の心理を探る
■セカイモン:sekaimon(セカイモン)で安く安全に落札・取引する方法
■サイズ関連:通販で失敗しないために憶えておきたい知識

【運も味方,激安で服をゲットする方法】

■高級靴:50,000円以下の高級靴特集
■高級鞄:40,000円台以下の高級革使用のビジネスバッグ特集
■超裏技:D&Gのスーツを4000円で手に入れる方法
■力技:21,000円以内で高級スーツ6点セットを手に入れる方法

【Marketing】

■ブランド論:made in Italyが強い理由, 「銀座」というブランドイメージを再考察, ファッションの「定番」は時代とともに変化するのか, ココ・シャネルで学ぶブランドマーケティングの基礎
■fashion marketing:エディ・スリマンに聞くファッション業界の未来, 繊維産業の課題と希望, これまでのユニクロの勝因は何なのか?日本とアメリカの考察を比較,ファッションのPR活動の未来,
■消費者の服と心理:格差社会と言われてから今日までのファッション市場のあらまし,英国が考察する、日本経済とファッション消費への価値観の変化,英国考察:ファストファッションは今後消滅していくだろう,英国「日本の若者は高級ブランド品に対して財布の紐を閉めている」, ファッションのPR活動の未来,服を定価で買うのが馬鹿らしいのは、ワクワク感がないから

【メゾンマルタンマルジェラ特集】

メゾンマルタンマルジェラのカルトブランド力と3つの課題, メゾンマルタンマルジェラへのインタビュー全訳,ブログ記事を使ったマルタンマルジェラの計量テキスト分析

【その他特集いろいろ】

■モテ:女性にモテるスーツの着こなし
スニーカートレンド2011
■ルイヴィトン:ルイヴィトンの質屋特集
【全国のセレクトショップ特集】

■リアルショップ:東京のセレクトショップ特集, 札幌のセレクトショップ特集, 名古屋のセレクトショップ特集, 福岡のセレクトショップ特集, 仙台のセレクトショップ特集, 金沢のセレクトショップ特集, 神戸のセレクトショップ特集, 大阪のセレクトショップ特集, 京都のセレクトショップ特集, 全国のアイウェアのショップ特集
■ネットショップ:全国ネットショップ(オンラインショップ)特集
スポンサード リンク




2012年08月14日

世界のラグジュアリー市場は販売量ではなく価格の高騰で成長している

■世界経済不況の中、中国人富裕層を中心に高いものほど買う傾向が顕著となった10年

ロイターで掲載されている調査によると、世界のラグジュアリー市場は拡大しているようです。傾向として、価格の高騰(単価の高い商品を好む)による影響が大きいことがわかりました。富裕層の顧客達は費用という点を忘れて「ベスト」と思うものを買う。値段が買う理由ではなく、欲しいものを買う。この層が市場の拡大を牽引していると。ブランドで言えばエルメス、シャネルなど。

"There is a tendency among the most high-end buyers to forget about cost. They want the best. They want what they want," said Michel Chevalier, author of Luxury Brand Management.

It is the most expensive brands, dubbed "absolute" luxury - among them Hermes, Van Cleef & Arpels and Bottega Veneta - that are growing the fastest of all, thanks to emerging market demand, particularly from China.

According to Bain research, the "absolute" segment has grown 6 percent a year, outperforming the general luxury market, since 2000. It now accounts for 40 billion euros of the 191 billion euro luxury market and is expected to grow faster than other segments through 2014.

曰く、中国の富裕層のような「超強力な富裕層」は、2000年からの調査で毎年6%の成長率を記録しています。現在、世界のラグジュアリー市場は約19兆円まで成長しましたが、そのうち約4兆円は「超強力な富裕層」が占めています。そして、2014年にはほかの相対的な顧客層よりも、早い成長率になると期待されています。

 


■欲しい人に供給できる生産体制に限界がきた


シティグループ証券ラグジュアリーアナリストのThomas Chauvetは、プロダクトを生産し供給することがフランスという小さな国では限界があると述べています。イタリアも同じですね。一方で、それが価格を幻想のように高騰させる機会になる、とも説明しています。古典的な需要と供給のバランスですね。

実際、2001年から2011年の間に、ラグジュアリー市場の平均価格はほかの産業の平均価格よりも速くは高騰し続けています。これは、11年に渡るユーロ圏のインフレ傾向も影響しており、その比率は合計26%になっているそうです。
ちなみに、今1ユーロ90円台後半ですが、2008年7月23日には1ユーロ169.93円という最高値をつけています。やっぱり、リーマンショック前後が1つの節目ですね。海外の直営店の価格が変わらなくても、本部のあるフランスやイタリアの価格は相対的に安くなります。

 

 



■経済不況を勝ち抜くパワープライシング

パワープライシングとは、「顧客価値から発想するプライシング」という意味です。ブランド価値を損ねずに、不況を乗り越える秘策。

ルイヴィトンのバッグの価格を例にすると、高すぎると顧客が遠ざかるし、安いとブランドイメージにダメージをうける。このことから、最初にルイヴィトンの商品を買う値段を、いくらにするかという意思決定は、1年を通じてルイヴィトンのすべての課題の一番の問題になるそうで今でも議論の対象。

一方、ブルネロクチネリのような、カシミアでトップクラスの品質を誇る個人の高級ブランドは、パワープライサーとして価格競争に巻き込まれず、高い価格設定をしてよく売れる。

実際、コモディティプライス(手の届きやすい価格帯)の商品の値上げは、顧客の数が多くても少ししか利益がない。一方、トップメゾンの適正価格は半分以上が利益のみ。よって、単価が高い商品をさらに高くすることが利益を吸収できるのが現状です。

この強気のパワープライシングが、百貨店のセール、アウトレットよりも2.5倍儲かるそうです。しかし、今これができるのはエルメス、ルイヴィトン、シャネルほか、一部のブランドだけでしょうけど。

 



■中国人富裕層を追いかけ管理する

中国国内の直営店で販売されているラグジュアリーブランドの価格は、関税などでヨーロッパ本部の1.5倍。ゆえに、それを知っている中国人の富裕層の中には、フランスで直接買うという方法をとっているそうです。その人数が多いため、LVMHはヨーロッパの適正価格を10%あげるという戦略を行うようです。

中国、アラブ諸国、インド、ブラジル、メキシコの超強力な富裕層は、一部といえども、かなりラグジュアリー市場を牽引している存在です。法外な価格でも欲しければ買うのがこの層です。しかし、いつまでもこの状況は続かないと思います。それは、国の理由が大きい。
ユーロ圏で、破綻するかもしれない国がある。アラブの春は、他の国でも起こるかもしれない。バブル経済の末路。オイルショック。その他、様々な要因によっておこる二次被害。経済は感情、集団心理によって動くときがあります。その時、市場構造はどうなっているか、見極める冷静さは必要でしょう。
そして、技術によってはフランス、イタリアに負けない日本。今こそ、国をあげて日本の職人、工場をサポートする体制を築いてほしいと思います。

【via】 Reuters

【関連】
ラグジュアリー市場に関する経済とマーケティングの記事



posted by No.9 at 21:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 議論 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック