■Twitter、ブログ、FacebookとECサイト アナログとデジタルのバランスを考える
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VOGUE HOMMES JAPAN Vol.9は、ファッションとデジタルの関係性を様々なツール、角度で考えていく内容となっています。ページ数が少なめですが文字数も非常に多く、読み応えがありますね。オススメできる一冊となっています。
一応、ファッションブログを書いている端くれとして勉強になる部分もありました。ファッションが、デジタル化することには一長一短あり、コミュニケーション、シェアできるものとして捉えるか、ネットのゴミが増えると考えるか、その辺の議論は、いつも絶えないテーマです。
■ファッションブランド、ブログの独自性の構築と的外れな批評家の線引
話は、ファッション界が対峙するデジタルの波にどう乗るか?その点で試みが書かれています。デジタルで表現するブランド・アイデンティティ。
職人技を紹介するグッチのアメブロサイト、旅をブランドの核にしているルイヴィトンの、旅プロジェクト、トレンチコートをアイコンとしているバーバリーの「Art of the Trench」。特に、「Art of the Trench」は投稿者が送った世界中のトレンチコートの着こなし写真が観れます。中には、コラボレーションでThe Sartorialistのスコットシューマンの撮影したアーカイブも含まれるという内容。バーバリーはFacebookで1300万人を越えるファン数、Twitterでは110万人のフォロワーがいることから、1番成功しているみたいです。このように、ファッションブランドとSNSとの連動、ブロガーとのコラボレーションあたりは、本ブログでも書かせて頂きましたが、日本は上手くいっているようには見えません。
日本のファッションブログというと、多くは読者モデルが圧倒的なアクセス数があります。
どこにも属していないブロガーは違う。自戒を込めて書くと、独自性のあるものと、足の引っ張り合いの2分される気がする。前者は少ない。
相手の言葉の揚げ足を取る。自分以外の意見や記事を不毛と一蹴し、俺の記事を読めと、顔は出さないけどドヤ顔なもの。自分の書いた記事に酔うもの。これが、結果的に「ファッションとは楽しいもの」というところからかけ離れていってしまう。でも、書き手には自覚はない。
肩がこるような理詰めで隙を見せないような内容になっていく(むしろ僕の場合は、理詰めをちゃんとしろよ、と自分にツッコミを入れております 笑)。でないと、矛盾して炎上しますからね。2chなどで叩かれることもあるでしょう。これがいろんなブログを見てきた個人的な感想です。書き手と読み手の知識は高いけれど、ボロを出さないようにすることが第一になる。独自性のある記事よりマイナス評価を減らす記事に。
VOGUE HOMMES JAPAN Vol.9では、
10代半ばのブロガーが信憑性や経験の裏打ちもなくファッション評論家や社会評論家になっている。つまりインターネットはペテン師を専門家にしてしまうのだ。これは、すべてインターネットの匿名性のせいであり、匿名だからこそ私たちは人前ではあえて露わにする勇気がない自分の一面を追求してしまうのである。
10代半ばのブロガーって誰よ・・・?タヴィちゃんは匿名じゃないし。年齢はだいぶ違いますが、日本でよく見かける状態の1側面かも。
日本のファッションブログは、本誌で紹介されているような海外ブロガーとは違います。
日本で、本当に影響力を出して自分の記事を拡げるなら、起業するかスポンサーについてもらうのが早いと思っています。Fashionsnap.com、 HOUYHNHNM、THE FASHION POST あたりは、その一例かと。やはり、迫力が違いますし、会社ですから人件費も少なからず発生しリスクも背負っています。発信力とスピードもあります。足の引っ張り合いしている暇はない。一例ですが、本気ならこういう勇気があるかどうか・・・自分も当てはまることです。独自性がないものは、的外れな批評家扱いされかねないのが日本。
■ECサイトの在り方の多様性と未来
本誌ではECサイトとして、新しいアイデアで話題となっているFancyのほか、「MR PORTER」「ZOZOTOWN」「LN-CC」が紹介されています。 簡単に紹介。
◎第2のAmazonをねらうFancy
Fancy
Fancy(ファンシー)をご存知でしょうか?アップルが買収するとの噂も流れたほど、一気にきたSNSコマースです。
以前ご紹介したPintarestにも似ていますが、誰でもサイト上に商品を投稿することができ、外部の購入サイトにとぶことなく、直接販売や購入をすることができるサイトです。この直接購入できるというのがPinterestと違う点で時短ですね。ちなみに、Pinterestのユーザーの80%が女性なのに対して、Fancyの60%のユーザーは男性です。キュレーションのような楽しみ方ができるPinterestと異なり、Fancyは実用的な使い方ができるからです。詳細は、PinterestとFancy:キュレーションサイトの今後を読んでみてください。
本誌では「Fancy」の創設者ジョー・アインホーンがインタビューに答えています。
「ショッピングは大きく2種にわけることができる。1つ目はたった今欲しいと思っているモノ。Amazonがその代表例だよね。二つ目は、その直前まで存在すら知らなかったモノに突然出会い、その瞬間すぐに欲しいという強烈な感情が生まれて買うモノ。後者がFancyだよ。」
計画的購買行動がAmazon、非計画的購買行動がFancyという位置づけです。
◎MR PORTERはただのNET-A-PORTERのメンズ版ではない
MR PORTER - The online retail destination for men's style
MR PORTERは、NET-A-PORTERのメンズバージョンとして生まれたECサイトで、世界的にも有名なECサイトです。すが、中身は全く違うと、バイイングディレクターのトビーベイトマンは言います。その違いとは何か?
男性はファッション性よりもスタイルを重視する傾向にありますし、特定のプロダクトについては、特定のメーカーのものにこだわりますよね。プライス設定が、低くてもアイコニックな存在のアイテム、例えばCONVERSEのスニーカーのようなものです。年齢やファッショナブルの度合いに関係なく、男性のワードローブには必要不可欠なアイテムが存在する。
以前、男性と女性でECサイトの買い方の違いがあることを紹介しました。同じ事を言っています。頭から足元までの着こなし方法を欲するのが世界の男性消費者の基準だそうです。 MR PORTERはその点強いんでしょうね。
◎実店舗とオンラインのバランスに成功したLN-CC
LN-CC
まさか、LN-CCがここまで来るとは!立ち上げのころから紹介してきた私としては、嬉しいです。あ、ZOZOTOWNは皆さん知っているので飛ばしました(笑)。本誌でゆっくり読んでください。
LN-CCでは、クリエイティブディレクターのジョンスケルトン氏が、オンラインと実店舗両方ある理由について答えています。
オンラインだけではやりきれない部分もありますし。その逆もまた同じです。そこでLN-CCでは二重のプラットフォームをベースにし、片方だけでは表現しきれない部分を補い合うことにしました。そこからさらに進化すればLN-CCに不可能なことはないとさえ考えて運営しています。
ほかに、ウィメンズの取り扱いが個性的であることを話しています。なんでも、ハイヒール、ハンドバッグ以外で、大量に1つのブランドを揃えているウィメンズ専門のECサイトはあまりないようですね。男目線なのかな。
圧倒的に人気なのが、アーカイブコレクション。ラフシモンズ、ナンバーナインのデッドストックを世界中から集めて販売しました。このアーカイブコレクションは、今後も展開していくようなので、宝探しができそうですし、昔のアイテムを愛しているマニアも多い。
LN-CCでは、独自でスタイリングした写真のほか、毎シーズンレベルの高いフィルムをYouTubeで紹介しています。そして、実店舗内で、様々な企画をしていますし、本、音楽とカルチャーの面でも強いです。
本誌でも紹介されていますが、コムデギャルソンが生産を担当しているロシアブランド「ゴーシャ・ラブチンスキー」もドーバーストリートマーケット銀座以外であLN-CCのようなんですよね。面白いです。
長くなるのでこの辺にしますが、日本のメンズファッションブログは息苦しい。そして、僕もその中にいつの間にか取り込まれそうになる。だから、いつも距離を置いてファッションブログではほとんどやらない統計分析だったり、セール、ヤフオクの裏ワザで安く手に入れいるというぶっちゃけた調査をし続けたり、孤高のデザイナー、たまたま縁した企業とコラボレーションしてみたり、更新数を多くしたり(これが辛い 笑)やっているわけです。今後、本ブログも何か1歩進化できるように試行錯誤の過程。
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