■素直で実直だけではないクラフツマンシップが宿るインド
先日、世界のファッション業界の中国製離れを紹介しましたが、1つはイタリア生産への回帰ということでした。
もう1つ、新たな新興国一大生産拠点としてデザイナー達から熱い視線が注がれているのがインドです。そういえば、アダムキメル×カーハートもインド製だったな。昔に比べて確かにものはいいですよ、インド製。
なんでインドでの生産がよいか、ということに対して、彼らの「国民性」があげられています。素直で実直、そしてハードワーク(徹夜で作業)ができるようことです。
Nigel Preston may not be a household name but the late British designer was known to fashion connoisseurs for his luxurious sheepskin, suede and leather coats and clothes, with their painterly techniques and detailed ornamentation. He died in 2008 but his wife, Brenda Knight, who designed garments for brands such as Jaeger and Burberry, has continued his brand – at her own factory in India.
Though for years the pair produced their collections mainly in the UK and then, as they needed greater capacity, in Italy, Ms Knight says that in India, “I have found the most amazing, reliable, hard-working team. The capability, the desire to achieve perfection is really fantastic. In Italy, we were creating a finished idea and it had to go through a third party. In India, we go into the factory and we work with them to create what we want to create.”
カルト的でコアなファンから人気のある「ナイジェル プレストン アンド ナイト」。30年以上の間、イギリス生まれのデザイナー、ブレンダ ナイトと夫ナイジェル プレストンは、革新的・独創的でラグジュアリーなコレクションを発表。レザー・スエード、ムートンの先駆者となりました。2007年には、ファブリックコレクションをラインに加えNIGEL PRESTON & KNIGHTとなりましたが、夫のナイジェルプレストがこの世を去る。その後も、ブレンダ ナイトは、インドにある工場で商品を作り続けており、バーバリーなどのOEMを担当している職人デザイナーです。
ナイジェルプレストンアンドナイトは、英国、イタリア、そしてインドで製造していたそうですが、インドの素晴らしい技術力を発見することになります。彼女曰く、「信頼ができて、ハードワークにも耐えられるチームがインドにはいる。彼らの能力は、望んでいるかたちができるまで完璧に仕事をこなす。素晴らしい。イタリアの場合、私達は商品生産の最終段階のアイデアをクリエイトした場合、サードパーティを通して実現しなければならなかった。インドでは、工場に行って職人たちと一緒に、我々がクリエイトしたいものを実現するために仕事をすることができる。」
ナイジェルプレストンアンドナイトの場合、様々な工場で確かめてきそうですが、インドが一番良いそうです。今では声を大にして’I manufacture in India’と堂々と話しているそうです。
■メイドインインドが、チープなイメージではなくなった背景
上記のようなケーススタディもありますが、簡単に今のインド生産の状況と、そのポテンシャルについて簡単に紹介します。
◎インドは糸、毛、生地、カーペットで有名である
インドといえば、インド綿が有名ですが、もともと織物に対する造詣の深い国。全体で2.5兆円を輸出しています。その中で、ファッションの既製品が1兆円、テキスタイルハンドクラフトが170億円という比率になっています。アパレル商品が増えているそうです。
どの程度、織物文化が定着しているかは、以下の動画を御覧ください。歴史にそってみて行けます。
織物大国インド
1日中稼働しっぱなしという織物工場(ハードワークの所以)
◎“Made in India”コレクションを展開したプラダ
Made in ○○の1つに、ミウッチャ・プラダはインドを選びました。インドの伝統的な生産とデザインを用いて商品を販売しています。このコレクションを通して、プラダ曰く「インドの職人技は世界基準として最も高く、品質に厳格である」とファイナンシャルタイムズに述べています。このほかにも、多くのメゾンがインドに注目しています
◎ルイヴィトンがインド南東部の港湾都市ボンディシェリーにワークショップを開設。その後売却したが、他のメゾンを契約を結ぶことに成功。さらにブルガリ、ドリスヴァンノッテンは関わりをもっているようですね。
■最後に
インド製は安かろう悪かろうではない、高い職人技、実直、ハードワークが可能・・・これは今の中国ではなかなか難しい要件ですね。技術はそれなりに中国も高いと思いますが。
インドといえば、バンガロールなんていうアメリカのシリコンバレーのような巨大IT企業エリアもありますし、もともと勤勉、勉強に熱心、努力もする人達です。新興国として今急成長。貧富の差ももちろん広がっていますが。
このようなインドとともに、イタリア周辺のエリアMediterranean Basin (トルコ、モロッコ、スペイン、ルーマニア、ハンガリーなど)がラグジュアリーブランドからロープライスの生産を担うとなると、世界のファッション業界にも影響を与えます。
そして、日本製はどうなるのか。技術はある、ハードワークもいける、実直である、まさに選択肢の中に入れてもらいたいところなんですけどね。さらに、日本の工場の中には、ハイテクを駆使した世界一○○な素材というのも生み出せるお国柄です。中国からシフトしつつある今こそ、日本製を見なおしてもらえるチャンスにすべき、と思うのは私だけではないと思います。アメリカは、オバマ大統領の政策としてもMade in USA復権を宣言しています。日本も政治の力を使うべきだと一国民ながら思うところ。
【via】ft.com
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