■成長の勢い鈍化するも新興国市場が消費を牽引
2012年、師走もこれから半ばですが、ロイターの発表で今年のラグジュアリー市場規模の概算が掲載されています。
その中のベイン・アンド・カンパニーの調査よると、2012年世界のラグジュアリー市場規模は、約22.7兆円になるだろう、とのこと。これは、昨年2011年よりも13%増、2010年よりも8%増だそうです。
ちなみに、ラグジュアリー市場だけでなく、全てのファッション市場にすると、メンズウェアだけで18.5兆円になります(2011年発表)。
何年も続いている世界経済不況。今年の場合、フェラガモやプラダといった欧州企業や、LVMHなどの巨大グループ企業は、アジア諸国とロシアの観光客によって凌いでいる模様。この超富裕層の影響力、市場全体の約20%にまで達するんですね。
の成長率フェラガモのCEO、Michele Norsaは、マーケットのボラティリティ(変動率)は激しいが、常に冷静に自分達の戦略を粛々と達成していく重要性を述べています。
ただ、今年のイタリアのファッション産業は2011年に比べて4.4%減の見込みなんです。世界の中国製離れが進み、イタリアのラグジュアリー部門の工場だけは、よく稼働しているというレポートも以前あったのですが、国そのものの経済が芳しくないですからね。
また、ベイン・アンド・カンパニーの調査では、世界経済不況のさらなる影響がデザイナーブランドを買う顧客達に振りかかると予想。2013年の夏あたりには、成長が落ち込むという予測もあります。一方、大きなラグジュアリーブランド企業は、鈍化しつつも成長はし続けるとあくまで前向きですね。
昨年から言われている鍵がメンズウェア市場なんですよね。ちょうど1年前のベイン・アンド・カンパニーの調査発表では、ウィメンズウェア市場の2倍の成長率(毎年14%)でした。そして、2020年には香港、マカオ、台湾を含んで中国市場では世界のメンズウェア市場規模の44%を占めるのではないか、という調査が出ていました。どうやら、そうそううまく行かないほど、経済は深刻かもしれません。
【via】European luxury goods makers braced for tough new year| Reuters
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