■イタリアにある企業を通れば、どんなものでもイタリア製?
BBC News - The Italian fashion capital being led by the Chinese
"As a result of backdoor globalisation, Italian businesses are being forced to restructure," he says.
"At the moment there are approximately 4,000 Chinese-run clothing factories in Prato. These new production dynamics are compelling the remaining Italian businesses based there to rethink their markets."
BBCからなかなか刺激的な特集がありました。イタリアファッション産業の中枢は、中国によって牽引されるということです。
これは、イタリアにありますプラートという土地と関係があります。プラートは、イタリア北部人口20万人ほどの町で織物が盛ん。700年以上続いている生地作りでかつてアルマーニ、プラダ、グッチなど高級ブランド企業が買付けを行なってきました。
このプラートに、中国人労働者が90年代から増加。伝統技術を仕事で学んだ中国人労働者達は、得た技術をもとに独立。イタリアのプラートの中に起業し、その数3000にも及んでいるそうです。彼ら、中国人経営者達は、イタリアで生産をしているわけではないんです。中国本土に工場を建てて、技術をコピーして低賃金労働者達に生産をさせています。
だから、イタリアのプラートにある企業だけど、安く生地を売ることができる。それにつられた高級ブランド達も結構あるようです。さらに詳細を知りたい方は、 暴走する「世界の工場」中国をご覧頂きたいと思います。
イタリアファッション産業のリストラだ、と語る貿易関係のMarco Landi氏は「backdoor globalization(不法侵入型グローバリゼーション」という言葉にまとめて、BBCのインタビューに答えています。なんと、プラートにある30%の織物企業が、中国の工場で生産されているんです。
これだと、なんだか堕落する高級ブランドを思い出しますが、決してイタリアのアパレル産業が中国に駆逐されるということはないという考えもあります。しかも、それを言っているのはイタリアで起業した中国人の社長Xu Lin氏。アパレル企業のトップです。
Xu Lin氏いわく、イタリア企業はコストがかかるから価格競争ができない。だから、彼らの強みとして今後オーセンティック(本物志向)に傾いていくだろうと言及しています。それは、伝統技術をもう一度見直すということもありますが、革新的な生産技術を調査する、ということもあるそうです。こういった点では、中国生産は勝てない。ゆえに、2種に棲み分けられるとはなし。
Xu Lin氏がおすすめしているのは、エルマノシェルビーノの工場があるトスカーナ州。エルマノシェルビーノは、オリジナルの生地開発に力を入れ、上海で販売しようとしています。発想が逆ですよね。目の肥えた中国人富裕層をターゲットにしています。
Xu Lin氏が最後にあげているポイントは、洋服を知るためには自分がその土地に住み、ルネッサンス期から続く、美、アート、クラフツマンシップに触れることだと。その経験それ自体はコピーできるものではない。中国人富裕層は、イタリア志向で、手作業によって作られたユニークなものを求めている、とのこと。
50万円を超える、クチュールライクな高級服デミクチュールが世界で人気だと以前お伝えしましたが、最近ではクリスチャンディオールのオートクチュールの売上が24%もアップしたりと、ファストファッションとは別の動きをする傾向性があります。世界の動きからみたら「コモディティ化」という言葉がむしろコモディティ化しているという・・・。
結局、プラートのようなmade in Italyタグをつけた中国製の高級服に顧客が集まっても、離れていくのもまた早い、ということでしょうね。
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