■2013年2月の売上は前年同月比17.3%増
The Business of Fashionで、Premium Denim's Tentative Comeback と題して、かつて人気となったプレミアムジーンズが世界的に復活している兆し、と調査結果をもとに紹介されています。そういえば、日本でもリプレイ、デンハム、ヤコブ・コーエンと海外のプレミアムジーンズの直営店が続々とオープンしたり、ディーゼルにアーティスティック・ディレクターを設けてニコラ・フォルミケッティが就任したりと・・・なんか盛り上がっている。
プレミアムジーンズというと、70年代、80年代で登場したカルバンクライン、90年代プレミアムジーンズという言葉を根付かせたディーゼル、リプレイ、トゥルーレリジョン、2000年代スキニージーンズが世界に拡大。
ディオールオムやApril77のほかに、7 For All Mankind、ヌーディージーンズ、リーバイスヴィンテージクロージング、アクネジーンズ、ヤコブ・コーエンなどなどが登場しました。しかし、2007年以降、世界経済危機によってプリミアムジーンズの需要は下がり、生産コストを抑える方向になっていきました。日本では、ファストファッションが流行。g.u.を始めとする990円の格安ジーンズが市場を席巻。
消費者調査機関のNPDのレポートによると、2013年2月の75ドル以上するプレミアムデニム市場の一番伸びているセグメントは、約14億円の売上。前年同月比17.3%増でした。つい2年前まで、プレミアムデニム市場は10億円に届いていなかったようです。
また、この2年間でプレミアムジーンズ13.5百万本が市場に出ており、これは16.4%増ですが、ジーンズ市場全体では7.0%増の成長率になっているので、比較するとその勢いが分かります。
プレミアムジーンズの復権の兆しの背景
なんでプレミアムジーンズが今じわじわと来ているのか?いくつか影響を与えているブランドがあるようですが、The Business of Fashionによると「ナチュラルセレクションデニム」というブランドが1つあげられるようです。
DENIM EVOLUTION from Natural Selection Denim on Vimeo.
2009年創業の新鋭イギリスデニムブランドで、ポール・ヤングが立ち上げたナチュラルセレクションデニム。動画はそのコンセプトフィルム。ロウ、ウォッシュ、クラッシュ加工とそれぞれが高いレベルで作られているようで、お値段も3万円-4万円前後とはっきり言って高い。
欧州のほうで人気を博し、展示会なども行なっています。
ポール・ヤング氏いわく、ターゲットは30代から35歳。20代をプレミアムジーンズで育った人たちですね。品質、構造、生地と深いところでジーンズを選択する消費者に向けて働きかけをするのがねらい。日本でも少しずつ取り扱っているようですが、果たしてこれから増えるかどうか。
日本のデニム産業の衰退
さて、ここからは感じていることですが、日本のジーンズはどこ行った?と。欧州のプレミアムジーンズが復活するかもしれない一方、日本のジーンズが厳しいというのが、なんとも歯がゆい。輸出をどんどんすればいいのに、と思っても輸出しているのは、技術であって商品じゃなくなってきている。
経営破綻から復活できるかもしれないボブソンですが、まだどうなるかわからない。ビッグジョンが最近経営再建の道を歩みました。ジーンズブランドを支えるジーンズの加工や染色に定評のある吉田染工も事業停止です。岡山県倉敷市児島は、世界的にも高い水準の品質を誇るデニムの聖地でありながら、ビジネスでは負けてしまっています。岡山県だけでなく、ストーンウォッシュの先駆け、エドウィンも経営に問題があり苦しい。以下の、倉敷天領デニムみたいな存在がはたしてどれだけ出てこれるか・・・。
もっと日本のジーンズは海外に輸出できる状況を作らなければ・・・と思うわけです。いや、いままでやってきたけど、いろいろ複雑が事情があるかもしれない。
でも、世界の顧客は待ってくれません。需要を掘り起こし商品を届ける流通と戦略を獲得していかないと、日本のデニム産業を守ることはできないでしょう。プレミアムジーンズ市場が活性化しているところを指を加えてじっと見ている余裕はありません。プレミアムジーンズの復活に日本ジーンズありといかないと、やっぱり寂しいところ。
【関連】
生デニム再燃のもとは日本にあり?
シャンブレーの復権、昔はデニムよりも使われていた?
【セール関連】
リーバイスEショップが春夏40%OFFセール
YOOXが90%OFFセールを開始
5円の靴も登場予定、ロコンドがGW中50%OFFセール
Oki-niが20%OFFセール
- ドーバーストリートマーケットが10周年を..
- 日本は低利用の中古高級ブランド品が主流に..
- 海外メディア:日本のアパレル市場が再び成..
- 川久保玲のマニフェスト
- 川久保玲の夫が語るコムデギャルソンの実態..
- ぷにこを始めとした現代女子コレクション1..
- 3Dプリントの技術は偽ブランド品に対抗で..
- 若者の間でジーンズが不人気?
- 消費税増税でも海外ブランド品を買うのに影..
- 海外メディア:日本は通販カタログがECで..
- 海外:アベノミクス効果で日本人は以前より..
- 男になる!には逆にゲイカルチャーを学ぶべ..
- ニックナイトが語るファッションフィルムと..
- ポストプレッピー時代の到来?男性はファッ..
- 日本のデザイナーの成功には窓口となるコネ..
- ZOZOの売上40%がモバイル端末の時代..
- 海外「日本ではオタクブランドが人気だ」
- なぜ日本製は高いのか、を海外メディアが考..
- 日本はSNSとモバイル端末でブランドもの..
- カーディガン伯爵よりも昔から存在したカー..
生地がイマイチでもイタリーメイドやUSAメイドにある、ブランド力や雰囲気をどうすれば備えられるか...。
ブランディングは大事ですね、良い物を良いと伝えられ売れるようにするところが助けないと行けないと、でもその資金がない。それこそ、行政でも企業でも援助できるところだと思うんですけど・・・。