■『MEN’S Precious』はフレンチダンディズム宣言
![]() | MEN'S Precious (メンズ・プレシャス) 2013夏号 2013年 07月号 [雑誌] 小学館 2013-06-06 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
フランス国旗のトリコロールが、お洒落な表紙の『MEN’S Precious』7月号。『今こそ!「フレンチダンディズム」宣言』と、今までのクラシコイタリアをベースとしたアメトラ、ブリトラ流れから、「フランス流美学に刮目せよ」と一言。MEN’S Precious的ダンディズムと、ネイビーがフランス仕様に代わり、フレンチトラッドに。これでもかと薀蓄のパラダイスとなっております。本格的にフランスの流れは来るのか?その伏線を改めて見て行きたいと思います。
■発端はアルニスにエスパドリーユ・・・そしてフレンチブルー
フランスといえば、フレンチプレッピーが少し流行っているんですよね。メゾンキツネ、ラコステ、カルヴェンなどはそれを感じるブランドかと。
本誌でいえば、早くからフランスの高級洋装店アルニスのことを取り上げていた本誌。その他に、MEN'S Precious2011年7月号のビアリッツ流、大人のリゾートファッションで紹介した、エスパドリーユや、2013春夏メンズファッションを二分する戦い:ネイビーVSカモフラで紹介した、フレンチブルーなどがありました。
少しずつフランスのファッションスタイルが露出するようになっていましたが、MEN’S Preciousの1つの柱である「ネイビー」にフレンチブルーが来たのが大きいかと。ネイビーを通して、ダンディズムを語りたがる本誌がフランスにベクトルを向けました
このフレンチブルーの詳細は、過去記事を読んで頂きたいのですが、サックスブルーとロイヤルブルーの中間のカラー。イタリアのファッション大見本市「ピッティ・ウォモ」でフレンチブルーのジャケットにホワイトパンツ、そしてローファーが新定番になっていると。これに加えて、パナマハット、ブレイシーズ(サスペンダー)もありとか。それを紹介するのに、ちょうど良い動画が、MR PORTERから出ているので取り上げておきます。
■フランス紳士服の特徴
日本で言う、フルオーダーメイドのスーツをつくる仕立屋を英国ではテーラー、イタリアではサルトリアといいます。そして、フランスではタイユールといいます。
オーダー・メイドは、英国ではビスポーク、イタリアはス・ミズーラ、フランスではシュールムジュールと言います。
このタイユールを守り続ける3大タイユール、スマルト、チフォネリ、カンプスが紹介されています。紹介というか、もう濃い世界への扉ですね。
タイユールというフレンチテーラリングの極意は、イギリスの構築的な仕立て技術とイタリアの縫製技術の合わせ技に、フランスのデザイン性を加えたもの。そんな表現がされているんですね。 実際、タイユールではイタリアに関連する手縫いが多い。
デザイン面での大きな特徴はラペル。「フィッシュマウス(ル・クラン・パリジャン」と呼ばれるラペル形状。下衿(ラペル)と上衿(カラー)の合わせ部分が90度の角度を描いています。この形が魚の口のように見えるからフィッシュマウスと言われています。例はこちらを御覧ください。フィッシュマウス。
◎名店動画とフランス特有の仕立て
上述の、スマルト、カンプスを動画で紹介したいと思います。
チフォネリだけなかったので、簡単に紹介するとフランススーツの象徴のような存在です。カール・ラガーフェルドいわく、「100m先からでも、チフォネリの肩のラインは分かる」とのこと。胸部を小さめにとって、薄めのショルダーパッド、袖山を大きく取る。これで、重力の関係から肩のラインが独特になる。ディテールの程よさでいうとイギリスとイタリアの間というのが、なんとなく理解できます。ガチムチでもなく、いかり肩でもない。
ちなみに、あのビッグメゾンもチフォネリの顧客リストにあるそうで、ゴホンゴホン。
では、ほかの仕立屋の動画をお楽しみください。
【スマルト:カッティング】
伝説の仕立て職人ジョセフカンプスのテーラリングを継承するタイユール。1着のスーツに80時間、33工程を必要とします。それを12人の職人が分業。型紙を起こすカッターと、生地を裁断するカッターが分かれているというコストのかけっぷり。カッティングはメゾンの命であるといわれるくらい重要視されています。カッター以外部屋に入っちゃいけないところもあるとか。めっちゃ保守的。
【カンプス・ドゥ・ルカ:マルク・ドゥ・ルカの型紙×カッティング】
フランスのエスプリを体現しているという老舗タイユール。カンプスドゥルカ。スーツからシャツまで、シュームジュールのみ(オーダー・メイド)を手がけるところで、本誌にも載っている仕立て人マルク・ドゥ・ルカが登場しています。
動画としては珍しいのが、ベースパターンの型紙を用いてカッティングを行う技法なんですね。これをずっと行なっているらしいです。あらかじめつくられたベースパターンをもとに採寸、補正と。ていうか超マニアック(笑)。でもこれがパリの伝統的な手法の1つだとか。
いずれにしても、このタイユールというフランスの仕立屋の状況は芳しくなく、多くは形骸化しているそうですね。名前だけで、ブランド料になっているところもあるとかないとか。
■フランスの紳士服関連
さて、マニアックな方向に行ってしまいましたが、フランスの紳士服ってほかにどんなの?という方は、本誌にいろいろ載っているので安心です。
【シャツ】
シャルベ:フランスのシャツ専門ブランド。糸一本からシャルベ専用に撚る完全オリジナル
【靴】
ベルルッティ:世界の最高級靴の1つ。アンディ・ウォーホルが注文して出来たローファー「アンディ」なんかもある
ジェイエムウエストン:高級ローファーといえばオールデン以外ではここ。
コルテ:2つ紐穴の外羽根仕様アルカ
【生地】
ドーメル:1842年創業。現存する世界で最も古い生地商
【カットソー】
ラコステのポロシャツ:ポロシャツといえばラコステ「L1212」。最近フランス製が復刻して、話題となった。
セントジェームスのボーダー:ボートネックのボーダーシャツといえばセントジェームス。ピカソが愛用。
【アルニス】
1933年セーヌ左岸セーヴル通りに創業した洋装店。ジェンコクトーなどが顧客。アルニス独自のブランド力で大きな影響力を持っていたが、2012年LVMHがアルニスを買収。ビスポークラインBerluti by Arnys誕生させてブランドは存続している。
このほか、もちろんクリスチャンディオール、イヴ・サンローラン、ルイヴィトンなども、フランスのメゾンとして紹介されています。
ただ、モードとか、トレンドを追求していくブランドではないことが載っているのが本誌の本当の価値だと僕は思いました。来年来るかもしれない?フランスの流れについて予習するにはもってこいの一冊だと思います。
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