■イギリスがやってくる YAH! YAH! YAH!なんてね
やってまいりました、この時期が。だんだん早めに紹介している、流行るブランド予想。といっても昨年よりかは遅め。にしても、本当に予想となってきていますね。当然、当たらないことが多々ありますがご愛嬌で。というかネタなので、そのつもり読んでください(笑)。あいも変わらず、直感的な操作ならぬ捜査で、探して参りました。
その上で引き続き流行るとなると、ニューバランス。ニューバランスって上に何を着ても合いやすかったりします。ダサいと言われ続けてきたあの日。今では「モテ」の仲間入り。服好きは、今まで俺は履いていたぜ、とどや顔。まさに、いろんなクラスタの人達に愛用されているスニーカーであると。
また、本来であれば秋冬は、高くなるのでファストファッションを入れる傾向があります。しかし、今回はドメブラからモードまで、積極的に根の張るものを取り入れました。アベノミクスが上手くいっているかはわかりませんが、1つデフレ脱却の願いも込めて、高級ブランドを入れてみようと。もちろん、話題となるであろうものをチョイスしています。
さらに、イギリスからの流れが強いのが、2013-2014A/Wの特徴だったかなと。ブリトラ、テッズ&モッズ。この辺は、パリ・ミラノコレクションから見る2013-2014A/Wのファッショントレンドをもとに考えております。
それでは、御覧ください。どうぞ。
順位 | ブランド名 | 備考 |
1 | ニューバランス | 今年はニューバランスで決まり |
2 | メゾンキツネ | 目指すは、ミドルクラスの最高峰 |
3 | KENZO | カタカナのケンゾースウェットがあるんだぜ、ウソみたいだろ? |
4 | エンダースキーマー | 浅草の靴!世界から注目を浴びる |
5 | アクネストゥディオ | 大阪にも旗艦店オープン予定 |
6 | ファセッタズム | ガンリュウには負けない |
7 | ガンリュウ | ファセッタズムには負けない |
8 | プラダ | テッズ(テディ・ボーイ)! |
9 | ヤエカ | 今輝く中目黒の一番星 |
10 | トムグレイ | トムブラウンの廉価版 |
11 | モンクレール(特別ランクイン) | ホワイトマウンテニアリング、マスターマインド・ジャパンにまでコラボの触手を伸ばす |
12 | グッチ | ロイヤルブルーは忠誠心の証 |
13 | トッド・スナイダー | 2014年日本初の直営店が登場 |
14 | NAME. | 名前がNAME.なんです |
15 | アンリアレイジ | ミントデザインズとはコラボというよりフュージョン |
16 | ミスタージェントルマン | 吉井雄一×Big-O |
17 | ヴェルサス(JWアンダーソン) | 英国で今旬な男がデザイナーを担当 |
18 | カルヴェン | お手軽フレンチプレッピーもアウトドア系 |
19 | サンローランバイエディスリマン | 迸るグランジ、チラッとモッズ |
20 | ジョンアンダーカバー | アンダーカバーのセカンドライン登場 |
ビズビム、kolor、サカイをはじめ、ビューティフルピープル、アンユーズド、サスクワァッチファブリックスは殿堂入りで省いております。 ヴァレンチノ、ルイヴィトンがいれられなかったの残念。
ニューバランスで始まり、ニューバランスで終わる2013年
愛用している人気ファッションブランド1位はニューバランスなんてアンケート結果もあります。とにもかくにもニューバランスを履いている若者が多い。米英製からアジア生産のものまで価格帯で選べるのもよし。ハードルが高くないのもよし。履くと忘れられない履き心地もよしと。ダサいと言われ続けてきたニューバランスを、根底から覆すほどのスーパートレンドに。
薀蓄派のBeginからモテ系を意識しているメンズノンノ、そして女性誌ノン・ノまで、ニューバランスが取り上げられています。
この勢いはとどまるところを知らず、ニューバランス男子?ニューバランスがモテるらしいなんていうまとめ記事まで登場。もうどんどん尾ひれがついていって、ニューバランスじゃなくてもいいんじゃないか?なんていう内容もあったり。でも、それだけ現象となっているわけです。なので1位!
プレッピーに90年代、そこに英国が乱入 一層カオス化するストリートファッションの行方
メゾンキツネ、カルヴェンといったフレンチプレッピー、KENZOのようなストリート系、フランス勢が強い。これに以前からあるグッチ、プラダ、サンローランなどのビッグメゾンがどこまで入ってこれるか?はっきり言ってお値段高い。でも、ランキングに入れないと面白くないので、ねじ込みました(笑)。
イギリスのテッズ(テディ・ボーイ)、モッズ(モダニズム)ライク、チェック、ペイズリー、パンク、そして英国の伝統的な生地を用いたフォーマルスタイルをテーマにしたデザインがグッチ、プラダ、サンローランなどにあったわけです。プラダのテッズジャケットやコートは人気になるかもしれない。50年代からのイギリスのストリートカルチャーは、日本の今のストリートの中でもフィットできるかもしれません。
世界的にも、NYメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートで『Punk : Chaos to Couture』が5月に開催され、テッズやモッズの流れを汲むパンクファッションの方向へ動いているのかもしれません。
具体的に言えば、プラダがテッズジャケットを見るのに一番わかりやすかったので、紹介。
若干尖ってない感じになるかもしれない、ゆるいフェミニン。問題はやはり価格。
プラダ 2013-2014A/W
襟と袖口がベルベットで仕立てられている丈の長いものをテッズジャケット、コートと言われている。ちなみにモッズは、Vゾーンがせまく、3つボタン、着丈が若干短い、そしてタイトです。
日本のストリートファッションシーン、ファセッタズム VS ガンリュウ or アンリアレイジ and ミントデザインズ?
いやいや待てよ、と。ファセッタズムとガンリュウが、強面でここにぶっ込んでくるわけです。GANRYU and/or FACETASMなんてコラボをしていたくらい、両者は相性が良いし、比較される。もちろん、服好きの方々はどっちがいいとかなんとか、話すこともあるので話題にもなりますし、メディアやショップとしてもフィーチャーしやすい。
コンテンポラリーフィックスの吉井雄一氏が主催する、VERSUSTOKYOなんてその例ではないでしょうか。
一方、服の可能性やモード、コンセプチャルな方向にベクトルを向けているアンリアレイジは、ミントデザインズと相性が良い。7月には、ZOZOTOWN限定のコラボレーションアイテムを販売しています。希少価値が高いため、人気だったそうな。
今東京のストリートで熱いファセッタズムとガンリュウ。モード、前衛で東京コレクションをわかすアンリアレイジとミントデザインズ。2013-2014A/Wの東京の分かりやすい縮図です。
ランキングについての簡単な見解
上記で、だいたいの注目ブランドについてあげましたが、改めて簡単に説明します。
でも、ニューバランスについては十分なので、2位のメゾンキツネ。
これは、まだまだ勢いありますね。ミドルクラスをねらうというのがポイントで、結構戦略的に考えられています。過去記事から。
■メゾンキツネのポジショニング
以前、雑誌『SENSE』の中で、黒木理也氏はメゾンキツネが皆に愛されるブランドになりたいと語っているのですが、その概念が20年後にラルフローレンとエルメスの間に座る存在が目標でした。
この動画では、ブラックフリース、マルタンマルジェラ、ビズビム、コムデギャルソンのようなブランドの間にはいるようにすると、話しています。なぜなら、近い存在ではあるから。ファッション産業で見るミドルクラスというやつですね。黒木雅也氏は、ブランド戦略についてもするどいんですね。
メゾンキツネがマルジェラに並ぶ、そんな日が来るのかどうかはともかく、きれい目だけどガッツリクラフツマンシップを漂わすあたりにくい。
3位のケンゾーはコテコテネオンを捨てて、バイカーのイメージフィルムを流してちょっとハードボイルドに。これはまた人気でそうです。
4位初ランクインのエンダースキーマ。海外から日本マニアックなオタクブランドが人気だ、という考察を以前ご紹介しました。日本の靴のブランドで1つあげるとしたらエンダースキーマでしょう。ハルタとコラボしたローファーなんか面白い試み。
5位のアクネストゥディオは、ついに大阪にも出店決定。アクネ旋風はまだまだ終わらない。
6位と7位は上述の通り、ファセッタズムとガンリュウの殴り合いの勝者を決めるのはみなさんです。ネオ裏原系。
8位のプラダは、本当はもっと上位にしたかったのですが、価格が高いので。テッズ、キッチュといったロンドンのストリートカルチャーとアートにある概念を加えて、ちょっとかわいらしくまとめたコレクション。若者の間でベルベットに千鳥格子のテッズジャケットが人気なるか?
他割愛して、イギリス伝統のファブリックとテーラーリングを用いてきたグッチ。グッチをランクインさせるのは初めてなんですが、悔いはありません(笑)。そのくらい素敵なコレクションでした。
そして、11位、アメリカの新鋭トッド・スナイダー。サビローの仕立てをベースにしたアメリカンクラシックを打ち出すブランドです。実際、トッド・スナイダーの直営店が2014年登場。なんだか、ビリーリードやラグ&ボーンの次を担う、遅れてきたネオアメトラ、ラルフローレンチルドレンとも言えるでしょうか。
トッド・スナイダーは、ネオアメトラにしてラルフローレンチルドレンの1人。ラルフローレンの経験を生かし、Jクルーでも活躍。最近だと、GQ + Gap's Best New Menswear Designers in America 2012に選ばれ、今年のCFDAアワードスワロフスキー部門にノミネートされるなど確実に存在感を出してきています。日本でも人気になるんじゃないでしょうか。
2013-2014A/Wのポイントは3つボタンテーラード テッズ&モッズ来るか?
今日本では、ファッション全体として90年代になっています。これをバブル世代も絡んで半沢直樹ファッションなんていい方をするということを紹介しました。若者の間では、基本ストリートでしてネオ裏原系というやつがWebサイトやファッション誌で紹介される。しかし、それだけはない。前から世界のコレクションでも登場している、元セカンドバッグことクラッチバッグ。あと、プロデューサー巻きならぬ、肩かけ。ロゴTとバブル時代に流行ったものが再びきている状況です。
こんな中ですが、秋冬は上述の通り確実にイギリスの影響を受けます。ヴァレンチノのタータンチェックでも、グッチのロイヤルブルーでも、プラダのテッズコート、ジルサンダー、ドルガバ、サンローラン、マークジェイコブスでも、どこでもいいんです。どこかにイギリスの影響を感じます。
それで、一番分かりやすいのが3ボタンジャケット。上述の通り襟がベルベット仕様ならテッズ。Vゾーン小さめ、タイト、着丈短めならモッズですが、3つボタンジャケットの存在が重要です。エルビス・プレスリーからの流れでビートルズがよく着用していました。だから、秋ごろにはビートルズを例に流行らないかなと勝手に予想しているところです。
時代背景をさらに知りたいという方はブランドファッション通信: ファッション史の最高傑作『メンズウェア100年史』を読んで頂ければと思いますし、テッズならプラダのコレクション動画がまさにそうです。
3ボタンのジャケット、これがストリートファッションに入り込むことができるかです。それにはチェックオンチェックが必要かもしれない。タートルニット、ショートマフラーが必要かもしれない。この辺は、秋冬流行るかもしれない流れです。フードコート、ステンカラー、ロングコートがあれば3ボタンジャケットを羽織れるかもしれない。あわせるものはいろいろあります。
コーディネートの中に、3つボタンジャケットが入ってきたら、テッズおよびモッズがジワジワ来るという可能性が高くなります。
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