■誰もが飾り立て、人との違いを主張し、自らを宣伝する。


エルメネジルド ゼニア 2016-17年秋冬コレクション - “クラシック”に飾る本能的エレガンス|FASHION PRESS
誰もが飾り立て、人との違いを主張し、自らを宣伝する。
そんなイメージの時代を背景に、デザイナーのステファノ・ピラーティは飾る行為を“クラシック”と捉えたコレクションを提案した。
ランウェイの最初を飾ったのは、ピークドラペルのダブルブレストコートだ。
ペイズリーやオリエンタル、幾何学模様を不規則に散りばめて、贅沢なパターンの使い方を見せている。手に持ったハットには、白い布が覆われ、そこにはナンバーが施されていた。続くルック全てに見られる小物へのナンバリング。ハットやレザーのグローブ、クラッチバッグ、さらにはジャケットにも。
それは、かつてナンバープレートをもって歩いたランウェイの歴史を想わせ、時代とともに歩むブランドの根源にあるアイデンティティを際立たせているようにも感じられた。
また、パターンの表現は今回のコレクションで最も重要なインスピレーション源となった。
立体感のあるイタリアの手刺繍、装ジャカードパターンを組み合わせたファブリックパッチワーク、ラニフィーチョゼニア(ゼニアのウール工場)生産によるスーパーファインファブリック、再生ポリエステルの生地まで、さまざまなファブリックを展開していく。
テキスタイルの重厚感、時折見せる素材の光沢感は“クラシカル”に飾るにはふさわしく、さらにそれに奥行きを与えるパターンの切り替えはオートクチュールを想起させる。
そういった表現によって完成させられていくガーメンツ。
ジャケットは原型に少しずつ変化を加えて、ビックシルエットにしたり、ポンチョ風にしてみたり、あるいはコンパクトに仕立てたり。
パンツは無駄のないミニマルなスタイルで足元に精緻な要素を流し込んでいく。
時にはオーバーサイズ気味にみせリラックスムードを漂わせるが、センタープレスをしっかり付け紳士的な装いを強調。
男性の多角的な表情を密かに落とし込んでいるようだ。
大胆不敵なスタイルを規範とするこの上なく洗練されたワードローブの提案。
クチュールライクなギミックによるクラシカルな装飾からは、形式から解き放たれた男性の本能的エレガンスが現されていた。
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