■ロゴがないから成功するブランドパワーの秘訣
以前、ブランドロゴの力について簡単に記事を書きました。その最後
にロゴをあえて作らないボッテガヴェネタを紹介しました。そのボッテガヴェネタ
が現時点で、大成功をおさめているようです。その、あえてブランドロゴをつくら
ないで成功させた秘訣とはなんなのか?簡単にいうと以下の3つです。
1、皮膚感覚による経験で、皆に統一したイメージ構造(記憶内の連想ネットワーク)をつくりあげた 2、実は商品そのものがロゴ(知っている人なら誰が見てもボッテガヴェネタのようにつくる 編みこみ) 3、飽和状態のブランドロゴ市場からの脱却(ブルーオーシャン戦略) 4、芸能人とメディアの巧みな擦り込み作戦 |
まずは、どれだけボッテガヴェネタが成功しているかをライブドアニュースから
見ます。
Gucci(グッチ)グループ傘下にある、イタリアのラグジュアリーブランド・Bottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)のバッグは近年の日本市場で女性のアイコン的アクセサリーの殿堂入りを果たした。日経によれば、2006年の日本での売上高は約70%増の120億円にまで達したそうである。またCanCam6月号の、お気に入りのハンドバッグについての読者100人アンケートで、ボッテガ・ヴェネタはHermes(エルメス)に並んで4位を獲得した(上位3つはルイ・ヴィトン、グッチ、シャネル)。これらの数字は、女性物の革バッグが昨年から東京じゅうで次々と売り出されているという事実を裏付けている。グッチやルイ・ヴィトンに食傷気味という風潮が漂う中、ボッテガ・ヴェネタやGoyard(ゴヤール)といったブランドはラグジュアリーの新たな可能性を求める若い女性たちのハートをつかむことに成功した。 |
2006年の売上高70%増というのはすさまじいですねー。またCanCam、
AneCanなどのメディアでもひっぱりだこなのは、本当に印象的です。
では、なぜそんなに成功しているのかを、先ほどの4つの秘訣から
述べたいと思います。気軽に読んでください。
<1、皮膚感覚による経験で、皆に統一したイメージ構造をつくった>
簡単に言うと、ブランドイメージをつくりあげる方法として皮膚感覚を
取り入れたんです。新しい認知のさせ方をさせた、といってもいいでしょう。
ブランドイメージとは、それぞれの人間の記憶内で、ブランドに関係し連想
する概念が1つカテゴリーとして集まったものをいいます。ブランドイメージ
に関しては別の機会で、丁寧に説明していきます。
ボッテガヴェネタを例にしてみましょう。「ボッテガヴェネタ→最高の
編み目の肌触り→編み目デザイン→職人技→安心感→セレブな気分・・・」
という風に連想ゲームのように概念1つ1つがつながって1つの
「ボッテガヴェネタ」というガテゴリー、
つまりブランドイメージを構築させたわけです。
グッチ、ルイヴィトン、シャネル、エルメスと大きく異なる点は、この
ブランドイメージのスタートにあります。
「ボッテガヴェネタ→最高の編み目の肌触り」、これがグッチ、ルイヴィトン、
シャネル、エルメスの場合、最初に来るのがロゴあるいは、モノグラムなど
の視覚的なイメージだということ。目でのみの差別化です。
しかし、ボッテガヴェネタは皮膚感覚なんです。そして目なんです。このポイントが
消費者行動的ないし、マーケティング的に見て新しい価値の提供を意味
しているんです。この重要性を知りたければ「五感刺激のブランド戦略」という本
を読まれることをオススメします。ただし、ちょっと難しいですけどね(笑)。
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1に付随した形になるんですが、ブランドイメージが皮膚感覚から入って、
編み目の視覚という見た目の概念につながるといいましたが、他のブランド
とは、また違う視覚演出をボッテガヴェネタは行っているんです。
それは、とにかく最初から最後まで「編み目の一辺押し」。これはこわいですよー。
物がしょぼかったら消費者は皆とっとと飽きて次のブランドへいっちゃいますから。
天下のルイヴィトンだって、ロゴ以外にもダミエだのモノグラムだのなんだの
一杯デザインのパターンを出しているでしょう。あれは飽きたら困るからですよ。
でもね。出しすぎると飽和状態になって帰って自分の首をしめることにも
なるんですけどね。
そんな中、ボッテガヴェネタは相当品質に自信があるんでしょう。
どんなデザインでも編み目は必ず入れますからね。だから
ファッションに興味のある人なら、ボッテガのバッグを持っている人を見て、
すぐ「あ、ボッテガだ・・・(いいなー)」みたいな(笑)ことになるんですよ。
アイテムそのものが編み目を通してロゴになっているんですよ。
だからボッテガヴェネタはブランドロゴはいらないんです。
<3、飽和状態のブランドロゴ市場からの脱却>
これは、1、2の結果、ルイヴィトンやグッチ、シャネル、エルメスなどの
飽和しているブランドロゴ市場の戦場で血で血を洗う戦いをしなくていい、
つまり青々とした綺麗な誰も敵のいない市場で動き回れるということ。
楽が一番(笑)。でもその楽になるための発想が至難の業なんですけど。
興味のある方はブルーオーシャン戦略を読んでみて下さい。
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これが一番皆さんの中でわかりやすいでしょ?そのまんまですから(笑)
でも大切なことなんですよ。日本人はメディアと芸能人が大好きですから。
特に女性ファッション誌売り上げ第1位のCanCamがバックについている
のはでかい。芸能人もたくさんボッテガ、ボッテガと一昨年から騒いで
いましたからね。あとは、その流れをキープすればOKということです。
文章が長くなるのでこの辺で終わりにしますが、なんとなーく、わかって
頂けたでしょうか?あとはライブドアニュースのほうに、価格設定とか
他の要因も書かれているので読んでみて下さい。とりあえず私の場合は
認知心理学のほうに重きをおいて書かせて頂きました。
ブランド論を勉強されている方や、興味のある方に参考になれば幸いです。
自分はボッテガの財布がほしいです。
僕も欲しい(笑)
安いところを探してブログで
情報提供しようとしているんですが、
まだまだですね〜(汗)。