■webマガジンとの共存ではなく相乗効果こそが大切
WWD FOR JAPAN ALL ABOUT 2008S/Sを買いました。
すんごい文字数でありがたいのを通り越して、凹んでます(笑)
いろんな情報がたっぷりあるので、ぜひ買って読んでもらいたい
んですが、1つ載っている大きな特集を、僕は心理学やマーケテ
ィングの立場から考察してみたいと思います。
WWD FOR JAPAN all about2008S/S (2008)
曲名リスト
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WWDジャパン2008年版雑誌特集「雑誌に未来はあるのか?」
同じファッション誌なのに、なんともMっけたっぷりなテーマ(笑)でも
実際問題休刊に追いやられている雑誌は多いようですよ。最近では、
Boonとか流行通信とか・・・。まあ、これらは、季刊になったりリニュー
アルしたりと、形を変えて再び登場するので、これからに期待ですが、
どうもwebマガジンの影響がでかいようです。
現状としてフランスの大手企業では、雑誌出版社ではなくマルチメディア
企業として、2010年までにweb事業体制を全体の10程度%まで増やすこと
を日本法人にも厳命されているようです。他には、webマガジンでは絶対
的な存在を誇るエル・オンラインで、他社に先駆け黒文字を行ったわけ
ですが、さらにeコマースを展開、紙媒体だけでの売上を伸ばすには
なかなか難しい状況となっているようです。さらに、紙媒体は淘汰されて
いくだろうと予想されている昨今、それでも、生き残る雑誌があるそうです。
それを簡単に紹介していくわけですが、先にファッション誌が生き残る
術を私が心理学の観点で、勝手に書いてみたので、どうか読んでくだ
さい(笑)
1五感に訴求する雑誌作り
2webマガジン+ファッション誌+読者=温度のあるファッション誌
この2つです。簡単に説明すると・・・
1は、ファッション誌自体に人間が感知できる五感を強調すること。例えば
匂い。五感の中で、人間に影響を与えやすい感覚は、1番が視覚、その
次に嗅覚が来るんです。匂いは大切。思い切って雑誌に香りを付けてみて
はどうでしょう?実際、雑誌SENSEは以前5351プールオムの香水の香り
をテストマーケティングとして、1ページに閉じ込めました。こういうことは
女性ファッション誌も行っているはず。
え?金がかかる?なるほど。それなら広告主のどれかに頼んでみるのが
いいかと。後でも出てきますが、ファッション誌の資金源、収益元として広告
費があります。まずはどこか1つのブランドの広告ページに仕掛けるんです。
すると、なんでA企業だけあんな目立つことやっているんだ?ということ
になり他ブランドも、次は我が社が香りを付けさせてもらいます、みたいなこ
とになるかも?
あるいは、ベタですが雑誌の表紙に細工をするということです。触感ですね。
A雑誌といえば、この触り心地という印象を残す。本屋でたくさん陳列され、
完全に飽和化してしまっているファッション誌の中から、新しく読者を増やす
にはある程度の物理的な違和感がないと差別化できません。見た目は各社
工夫しているので、他の感覚に訴求することが大切ではないかと思います。
2は、黎明期を向え、どんどん拡大しているwebマガジンと雑誌の間を読者
で埋めましょうという戦略。結果的に、ファッション誌作りに読者も取り込んで
しまおうということ。これで、読者はファッション誌を受動的ではなく、能動的
に読むようになります。これは今までなかったこと。せいぜい読者モデルが
限界だったでしょう。
ファッション誌→webマガジンという構図はよく見かけます。でも、webマガジン
→ファッション誌は定着している読者以外、なかなかうまくいってないようです。
だからwebマガジンに読者を引き込むことが重要なんです。例えば、雑誌
編集長のブログがありますよね。あれなんか、ファッション誌とwebマガジン
をつなぐ1つの大切なメディアです。
どういう思いで雑誌作りをしているか、雑誌を作っている人達は、どんな
環境で、作っているか、赤裸々なことを書くことによって、ファッション誌の
裏側にある、人間ドラマというベクトルを引くことができるわけです。
そうすると、ファッション誌への思いも深まるし、ブログにコメントができます
ので応援もできる、あるいは意見も言える。もっというと、作り手に意見を
言える場をつくる。こうしたweb2.0、あるいはさらに読者が主人公となってい
くweb3.0を通した相互作用で、webマガジン→ファッション誌にも自然と行き
来ができます。僕はこれを温度のあるファッション誌と勝手に命名しました。
あくまで読者と、これから読者となるかもしれない潜在市場とコミュニケー
ションをしていくんです。これで、雑誌だけでなく、その作り手のとの信頼
関係をつくることができ、同じファッション誌でも温もりみたいなものを感じ
ることが可能になるんじゃないかと。
おっと!丈も長くなってしまい肝心の
WWDジャパン2008年版雑誌特集「雑誌に未来はあるのか?」
についての内容のご紹介が難しくなってしまいました。ということで
次回、各ファッション誌はどう乗り切ろうとしているか、またwebマガジン
と広告費の関係、webマガジンのこれからを簡単にご紹介していきた
と思います。大切なキーワードは「広告」と「ニッチ(隙間)」です。
また、今回書かせてもらった上記の案のほかに、こんなファッション誌が
あったら面白いのになぁー、という皆さんのご意見があったら、ぜひコメント
欄に投入してください。男性はもちろん、女性の意見も聞いてみたい!
お年頃です(笑)
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自分の成長とともに見合うブランド紹介と、ブランドの系統ですね。これは、興味深い意見です。おそらく各々のファッション誌自体で、分けて読め的なのが、現実です。それを統括した雑誌が出たら売れますね。ただいったい何ページなるのか、ちょっと予想がつきませんが(笑)