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2008年03月22日

服はなぜ音楽を必要とするのか?-ズレ/揺らぎの関係性

■音楽と服の関係性を考察した書籍が登場

服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について
菊地 成孔
服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について
曲名リスト
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服と音楽については、本ブログでもディオールオムのコレクション
を通して考えてきました。これから、音楽と服の関係は、さらに深い
研究がされていくと思います。

そんな中、今月、菊池成孔氏が、「服はなぜ音楽を必要とするのか?」
という書籍を出版されました。なかなか興味深いのでご紹介しようかと。
基本的に、コレクションの歴史とともに音楽がどう関わってきたか、デザ
イナーと音楽の関係性が書いてあります。エディスリマンやマックイーンなど。
その中で、前書きと東京コレクションについて簡単に紹介したいと思います。
菊池成孔氏は服と音楽の関係性について、ファッションショーを通して、
以下 のように述べています。

ダンス・ミュージックに合わせて歩く時に生じる<ズレ/揺らぎ>が美しいと感じられるということは、やはり<ズレ/揺らぎ>の美しさを持った、ヒップホップ(の中でも、特にラップは)にはファッションショーと共振する部分があるはずだ

難しいですよね。この方、言い回しにちょっとクセがあるんです。僕のように(笑)
さて、ズレ/揺らぎというワードが出てきました。これを説明します。
このズレ/揺らぎというのは、音楽の理論でいう和声につながります。
純正律と平均律です。

 

・平均律:すごい簡単にいうと、それぞれの音の周波数の比率が数学的
に一致していること。机上では、これで音の周波数の幅が均等になるもの
として一般化できると考えられる。 ピアノがその1例です。

・純正律:完全5度を2:3、長3度を4:5に取って長音階を、完全5度を2:3、
短3度を5:6に取って短音階を取る方法です。簡単にいうと、数学的な
平均律とは異なり、ちょっとした音程のズレと揺らぎが、帰って人間に
心地よい響き(倍音)をもたらすという理論です。クラシックコンサート
なんか、この純正律を使うのが一般的です。

服と音楽の関係は、この「純正律」に関係しているということになり
ます。ちょっとしたズレ/揺れこそが服が音楽を必要とする必然性
につながるということ。エイゼンシュテインという博士の理論が基
になっています。

 

著者の菊池成孔氏はジャズなどの音楽家なので、この理論を服に
応用して、上記の1つの理論として構築しました。音楽好きの私
としてはたまんない話です。

また、こういったズレ/揺れから生じる、心地よさは、脳科学を中心と
した大脳生理学、神経科学、認知心理学などで、研究は頻繁にされ
ていて、少しずつ解明されています。

そして、上記の理論を立証する1つの歴史的事実として、東京コレクシ
ョンの存在があります。なんと、音楽を絡めたファッションショーを世界
で初めて行ったのは、日本だそうです。驚きですよね。

 

 

なんで、音楽を絡めたファッションショーが世界のスタンダード
になったのか?
日本人は、欧米人に比べ西洋音楽のリズムの捉え方が鈍いんです。
なんでもすぐ手拍子するでしょ?基本的にあのリズムは音頭と民謡
なんですよ。 音楽的にいうと、拍子の頭でしかリズムが捉えられない。
これに対し、ヨーロッパは裏拍から音符があります。これをアウフタクト
といいます。ベートーヴェンの交響曲が良い例。
アフリカ系アメリカ人の歩行リズム は三連符と言われています。歩き
自体がリズムなんですよね。だからカッコイイ。

日本人はリズム音痴だと菊池成孔氏はばっさり切っています。でも・・・
これが、逆によかった。ファッションショーのBGMだった音楽にも乗ること
がなく歩ける。この音楽を無視した、いや同調できなかった日本人の
ショーが海外にわたり、洗練されたという皮肉な結果となったのです。
日本人は音楽と歩くリズムが同調できない。これがヨーロッパになると、
音楽を無視して歩く→無視するエレガンス(ズレ/揺れ)の関係として大
絶賛となったわけ。 

菊池成孔氏は、「ここに日仏文化友好的な形でダンスミュージックに対し、
マネキンが無表情で優美に歩くという、ウォーキングミュージックの原型
があるのではないか、と仮説を立てているわけです。
こんな感じです。あとは、実際読んでみてください。本屋では扱い
が少なく、僕が買ったときは、一冊しかありませんでした。こういう本は
なかなか出ないので一冊あると、何かと便利です。

ファッションショーとベートーヴェンの関係性

 

posted by No.9 at 21:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 議論 | 更新情報をチェックする
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