■カーディガンは17世紀のフィッシャーマンセーターが元祖?
カーディガンは、日本でも愛されているアイテムの1つですが、その歴史は詳しく語られません。それだけ浸透しているし、若者から老人まで誰でも着用している万能アウターなわけです。昨今のトラッドの流れから、改めてカーディガンの歴史について確認してみたいと思いましてBack to School: The Cardigan • Highsnobietyを加筆修正させてもらいました。
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■カーディガンは17世紀のフィッシャーマンセーターが元祖?
カーディガンは、日本でも愛されているアイテムの1つですが、その歴史は詳しく語られません。それだけ浸透しているし、若者から老人まで誰でも着用している万能アウターなわけです。昨今のトラッドの流れから、改めてカーディガンの歴史について確認してみたいと思いましてBack to School: The Cardigan • Highsnobietyを加筆修正させてもらいました。
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■ルールを破ろうとなんて思っていないし、興味が無いという立ち位置
Style.comで、コムデギャルソンの川久保玲のインタビューが掲載されていますので、僕の英語の勉強にまた付き合って頂きたいと思います。間違いがあったらすんません。 「カオス理論」という題名だったのでそのままこちらでもつけました。時系列解析のカオス理論ではないようです(笑)。
【原文】Rei Kawakubo of Comme des Garçons on Fashion, Art, Death, and Punk Rock
以下から、Style.comの編集であるMatthew Schneier氏が、川久保玲氏に質問しています。
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■意外に長いスタジャンの歴史
SOURCE: Examiner.com
上の写真は、スタジャンの原型です。全然そうは見えないけど。エリート大学のユニフォームとして、今から100年以上前にスタジャンの原型は生まれました。ストリートファッションでよく見るスタジャンもはじめは違ったんですね。ちなみに、スタジャンとはスタジアムジャンパーの略で、和製英語です。アメリカでは、ヴァーシティージャケットと言います。フランスではブルゾンと同じポジション。レターマンジャケット、アウォードジャケットとも言って、こちらの呼び方のほうが古いっぽい。
レターマン:母校(後のアイビー・リーグとなる大学)のイニシャルをつけることを許された選手
ヴァーシティー:米国の大学などの代表チーム
アウォード:米国における賞を意味する。スクーカムなどのブランドはこの名称がある
スタジアム:米国のスポーツのスタジアム
90年代のファッションが再燃しそうな昨今、ストリートファッションの代表でもあるスタジャンも見かけるかと思います。
スタジャンの歴史がhighsnobietyで紹介しているので、面白いところをあげてみたいと思います。いわく、アメリカの文化の象徴的な存在としてとしてスタジャンは右に出るものはいない、という表現がされています。なんたって、スタジャンの歴史は122年以上遡る。リーバイス501の歴史が140年なので、そういう意見も頷けます。
■ヴァーシティー・ジャケットの発祥は19世紀のハーバード大学の野球チーム
スタジャンの原型は、アイビーリーグ(アメリカ東部の名門私立大学8校となった大学)のユニフォームから来ています。デザインは、大学のロゴや、イニシャルのワッペンが付いたりしています。
これは、先ほど紹介したレターマンジャケットという言い方もしており、「母校のイニシャルをつけることを許された運動選手」の証。つまり、エリート選手達が着用することを許されたジャケットだったんです。
その流れをつくったのが、19世紀のハーバード大学です。なので、時系列的にはアイビー・ルックが生まれる前から、スタジャンの原型はあったということが分かります。
そして、エリート選手が着用できるレターマンジャケットは、イェール大学やプリンストン大学と試合をするときに必ず着用することが伝統だったそう。
以上のように、スタジャンのルーツといわれるレターマンジャケットは、憧れの存在でありエクスクルーシブ、プレステージを表すジャージユニフォームでした。
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■パーソナルスタイリスト政近準子氏のスーツの着こなし指南本
![]() | 一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服 政近 準子 かんき出版 2013-02-20 売り上げランキング : 2632 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
テレビでも拝聴したことがあるパーソナルスタイリストにしてファッションレスキューの代表、政近準子氏によるビジネスマンの着こなしの基礎が本となりました。働く女性のスタイルアップ・レッスンの男性編といったところでしょうか。
パーソナルスタイリストは、「その人の服装が果たす役割」という答えを導き出す仕事である、と語る政近準子氏のもとには、男性の会社役員をはじめ、多くのビジネスマンが彼女の助けを求めて来られるようです。そんな政近準子氏を、Twitterでフォローさせてもらっていますが、厳しくも温かいつぶやきに身が引き締まるところです(苦笑)。最近では美魔女の存在について言及していました。若干こわい。
さて、政近準子氏の『一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服』のメインは、スーツの着こなしを仕事の中でどう反映させるかに焦点を当てた内容。
例として、本書の参考文献にもなっている落合正勝氏の『男の服装術』をもっと手軽にした感じといえば良いかもしれません。ちなみに、以前本ブログではスーツの着こなし本を読む前の「取り扱い説明書」<1>という記事を書かせて頂きましたが、初級にあたるものかと思います。初級が一番大変なんですけどね(汗)。
よって、上級の服オタの方にはあまりオススメできませんが、政近準子氏の経験に裏打ちされた独自の視点と表現、クールビズの実践的な方法が書かれているので、新しい発見があるかもしれません。世の中の80%以上の人は、おしゃれはお金持ちがするものだと思っているようなんですが、「おしゃれ=財力じゃない」ということをはじめに政近準子氏は述べています。以下のように、価格帯の目安を設けてくれています。
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■時代のテーマは「ハピネス」⇒「スポーツ」「リゾート」「ドレス」「パーティ」
さらば、ファストファッション!──栗野宏文が分析する、2013年春夏のメンズファッショントレンド ≪ GQ JAPAN
私はユナイテッドアローズ(UA)のシニアアドバイザーを務めています。時代を読み、その時代にお客さんがどういう服を求めるのかを考える仕事です。メインの業務としてUA全体のシーズンごとのディレクションを決めるというものがあり、ここ10年ぐらい続けています。
1年半ほど前、私は2013年の春夏のテーマを「ハピネス」と設定しました。世の中はどんどん悪くなる一方です。けれども景気や政治が悪いと嘆いても、らちは開かない。だったらまず自己肯定をしようよ、と。自己肯定なきところに前進はありませんから。そこで2013年の春夏は、「まず幸せになりましょう」ということを打ち出したのです。そして幸福のシンボルという意味で、黄色という色を前面に出しました。
では、私の考えは正しかったのでしょうか? コレクションを見ると答え合わせになりますが、正しかったと思います。2013年の春夏のコレクションの大どころはどれもポジティブで肯定的です。色がキーワードで、どこを見てもダーク一辺倒なものがない。ユーロクライシスやアメリカの財政の崖など、ここ1年ほどの間、ラグジュアリーブランドは逆風にさらされてきました。けれど、こぞって前向きなメッセージを発信しています。
きちんとした服を着れば気分は前向きになる。それはハピネスという因子。「ハピネス」からは「スポーツ」「リゾート」「ドレス」「パーティ」という行動に細分化される。これが、栗野宏文氏の2013年の流行予測。きとんとした服だけに、ファストファッションの立ち位置があやしくなってきているということ。ユニクロや無印良品は、別の世界な気がしますが。
栗野宏文氏が、具体的にあげているブランドで、個人的に気になるのはドルガバですね。日本では、2006年くらいから若者にも一気に拡大しお兄系として殿堂入りしてしまったブランド。実はジーンズの品質は素晴らしいものがあったりするのですが、チャラいイメージが先行してしまって厳しいです。これが、払拭できればもう一度来るんじゃないかとも密かに思っています。
続きを読む■普通のアメリカ製が普通じゃなくなる時代
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リーバイス501がアメリカで登場して、140周年。世界のファッション好きは、これを祝い、リーバイスの記念サイトで自分のルックをアップしています。しかし、その米国製の普通のリーバイス501は、絶滅危惧種に認定された。それがライトニングのムックで紹介されています。その名も『THE RED DATA VINTAGE』。
RED DATAというのは、一般的に絶滅のおそれのある野生生物について記載したデータのことです。そのファッション版で、この10年で激滅しているヴィンテージを取り上げています。続きを読む
■ファッション雑誌とECサイトが新市場を掘り起こせるか
nytimes.com/Condé Nast Invests in e-Commerce
PARIS − Showing confidence in the power of e-commerce and the importance of the Internet, the publishing group Condé Nast will announce on Monday an investment in Farfetch, the Web site that has united individual luxury retailers with online shoppers.
VOGUEや、GQで有名な大手ファッション雑誌出版社のコンデナストが、高級ファッションブランドを販売する、新しい形のECサイトをつくるため出資をしているという情報が。
その計画でコラボするファーフェッチは、2008年創立のサイト。世界140ヶ国、250ものブティックが出店をし、取り扱いブランドは1000以上。もちろん実店舗の情報も見れます。常に82,000もの商品がキュレーションされていて大きくなっているオンライン市場です。
顧客は、15万人。手数料が比較的少ないことから、個人輸入にも利用できます。ここにコンデナストが出資。
ファッション大手出版のコンデナスト、世界のファッション産業の流通に強いファーフェッチでシナジー効果が生まれることを期待されています。その辺り、YOOXグループやNet-a-Porterとの差別化を図っていく模様。YOOXは、基本的に価格で勝負の大手オンラインファッションモール。
しかし、コンデナスト×ファーフェッチは、顧客自身が面白くエモーショナル(情動的)になるような編集作業がされるようで、世界でトップの大手ファッション誌としての存在感を際立たせることに注力するようです。
関係者いわく、世界は3種に収斂されると述べています。それは、コンテンツ、コンテンツのまわりにあるコミュニティやコマース、そして、読んでいるものに関する購入意図です。
まだ計画は始まったばかりですが、コンデナストとファーフェッチのコラボレーションによって、販売、サイバースペース、雑誌の距離が縮まるということが伝えられています。
また、世界規模のファッション誌と世界規模のオンライン市場の組み合わせは、まだ他の企業に侵入されていないためチャンスであることが説明されています。
最後にファーフェッチの紹介動画を御覧ください。世界中のコアなブティックを経営している人たちのコメント。ファーフェッチを一言で言うなら、グローバル、速い、ユニークなどなど評価されています。
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■5年間ほぼ変わらない比率 ラグジュアリーファッションイメージの歪みか?
SOURCE:Fashion Week's Models Are Getting Whiter
2008F/Wから2013F/WまでのモデルのNYファッションウィークにおける人種比率の推移が発表されています。青がアングロサクソン系、いわゆるホワイト人種です。赤がアフリカ系、イエローがアジア系、グリーンがラテン系、ほとんど見えませんがピンクがその他です。こうやってみると、圧倒的に青のアングロサクソン系が多い。平均80%を超えています。
肌の色で、着用する服も変わってくるということはあるかもしれませんが、やっぱり多いですよね。一方、東京コレクションでも海外のモデルを起用しているブランドも多いという。
先日、アメリカ人「なぜ日本は広告モデルに白人を起用していることが多いの?」 | VIPPERマン伝説が話題になっていましたが、これは日本だけではないようです。ストリートファッションはほとんど関係ないのかもしれませんが、ハイブランドのファッションショーや広告となると、イメージとしてアングロサクソン系を使うという傾向性がある。その理由として「コンプレックス」と、「社会構造」の問題であることが書かれています。ホワイト=ラグジュアリーの美、ファッションというイメージはあり、それを変えていくことが多様性につながると。
それにしても、日本人は、スタイル、ほりの深い顔に「憧れ」みたいなものがまだありますよね。
【via】Fashion Week's Models Are Getting Whiter
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■イタリアにある企業を通れば、どんなものでもイタリア製?
BBC News - The Italian fashion capital being led by the Chinese
"As a result of backdoor globalisation, Italian businesses are being forced to restructure," he says.
"At the moment there are approximately 4,000 Chinese-run clothing factories in Prato. These new production dynamics are compelling the remaining Italian businesses based there to rethink their markets."
BBCからなかなか刺激的な特集がありました。イタリアファッション産業の中枢は、中国によって牽引されるということです。
これは、イタリアにありますプラートという土地と関係があります。プラートは、イタリア北部人口20万人ほどの町で織物が盛ん。700年以上続いている生地作りでかつてアルマーニ、プラダ、グッチなど高級ブランド企業が買付けを行なってきました。
このプラートに、中国人労働者が90年代から増加。伝統技術を仕事で学んだ中国人労働者達は、得た技術をもとに独立。イタリアのプラートの中に起業し、その数3000にも及んでいるそうです。彼ら、中国人経営者達は、イタリアで生産をしているわけではないんです。中国本土に工場を建てて、技術をコピーして低賃金労働者達に生産をさせています。
だから、イタリアのプラートにある企業だけど、安く生地を売ることができる。それにつられた高級ブランド達も結構あるようです。さらに詳細を知りたい方は、 暴走する「世界の工場」中国をご覧頂きたいと思います。
イタリアファッション産業のリストラだ、と語る貿易関係のMarco Landi氏は「backdoor globalization(不法侵入型グローバリゼーション」という言葉にまとめて、BBCのインタビューに答えています。なんと、プラートにある30%の織物企業が、中国の工場で生産されているんです。
続きを読む■経済的でセレブから庶民まで浸透しやすいことがポイント
2001年、エディ・スリマンのディオールオムがスキニージーンズを提案して以来、メンズファッションにおいてスキニージーンズはトレンドからスタイルへと変わっていきました。そして、2006年のApril77の登場で、ブーツカットに続きジーンズの定番といえるほどの存在になりました。その後、アメトラの流れが再び来てからは、チノパンが勢力を拡大。クロップドパンツ、ショーツなど、スキニージーンズの存在は薄れましたが、決して消滅していません。なんで消えないのか?その秘密にイギリスのThe Guardianが、イギリスのストリートファッションの歴史から探っています。
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■メンズ・ノンノに続き、POPEYEでもライトノベル特集
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以前、メンズノンノでライトノベル特集が掲載されて少し話題となりました。その後女の子の好きなヲタ、嫌いなヲタベスト5なんてものも特集が組まれ、ある意味オタクカルチャーに擦り寄ってオタクという系統が歪曲化されてしまった部分もあったのではないか?、という感も否めなかった。
POPEYEも特集「星野源の12人の恐ろしい日本人」で、「らき☆すた」、「涼宮ハルヒの憂鬱」、「氷菓」の監督、「中二病でも恋がしたい」の演出をつとめた武本康弘氏が登場。モノホンが登場じゃないですか・・・。武本康弘氏は、『涼宮ハルヒの憂鬱』(1期)の第11話「射手座の日」挿入曲にマーラー作曲交響曲第8番(一千人の交響曲)を使用したということで、クラオタでもあります。
本特集では、ライトノベルについて対談していますがなかなか熱いです。ライトノベルのアニメ化には「萌え」だけではダメだと。その点について、武本康弘氏の考えは以下。
◎ライトノベルからの人間の悪い部分、ノイズの重要性
「らき☆すた」について、武本康弘氏と星野源氏は語ります。
星野:らき☆すた本編も、「女子高生たちのゆるい日常」って紹介されることが多いと思うんですけど、人間関係のめんどくさい部分とか、人間の悪い部分もちゃんと笑いにしてるんですよね。ただただ「萌え!」みたいな感じじゃなくて、見ている側の気持ちをザワザワさせるいいノイズが入っていて・・・<中略>・・・武本さんの作品にはダークな何かを感じるんです。人間のひずみみたいなものが必ず入ってくる
この暗さみたいな部分は、武本康弘氏で言うと「復讐」と言っているんですね。何に対しての復讐かというと、自分の暗い青春時代に対する復讐。オタク族は、クラスの隅っこ的なことを言っているんでしょう。だから、学園モノが題材になる。あの頃できなかったあれこれを今頃アニメで果たしているのではと思うことがあります。
心理学的に見ても、いわゆるリア充な学生生活を送ってきた男子よりも、暗い雰囲気の子たちのほうが、内に秘めているものが大きいという説もあります。繭の中で力をためている。
イマジネーション、感受性が豊かになっていくようです。それで、アニオタの場合自分のポジションを、マンガを通して仮想であれこれいじってみる。無邪気系中二病もその1つの現象だと思っています。だから、読んでいて私の場合オタクで言う「中二病」=「過去の暗い自分との戦い」をどう表現することなのかなと。「闇の炎に抱かれて消えろ!」ですよ。
ノスタルジックになるんじゃなくて、いつも何かと戦っている設定が魅力的。それがラノベのアニメ化のヒントなのかも。
【セール情報】
LN-CCがMAX60%OFFセール
Oki-niが2012秋冬ものをMAX60%OFFセールを開始
■ユニクロはファッションではなく基礎生活材
高所得者層ほどユニクロ好きが多い理由 〜男性みだしなみ意識調査 生活「旬感」最高レーティング 〜「マル金・マル中・マル庶」年収別消費動向〜:プレジデント
首都圏の消費者を「お金持ち」層(マル金、年収1000万円以上)
「中流」層(マル中、年収500万円以上から1000万円未満)
「庶民」層(マル庶、年収500万円未満)
という3ゾーンに区切り、生活動態を分析。
今回からは、郊外・都心を問わず次々に登場する複合商業施設 を検証していく。
ユニクロの利用率は各層を問わず、他のファストファッションブランドに比べ、50%前後と圧倒的に利用率が高い。意外にも、1000万円以上の所得があるマル金男性層でもユニクロが利用度はダントツに高い。2010年には55%にも迫る勢いだ。マル金はユニクロが好きなのか。
グラフがリンク先に掲載されているので、御覧ください。そこから、ファッション評論家の林信朗氏が、「要するに、ユニクロはファッションではないんですよ」と、答えの1つを出しております。
「ユニクロは基礎生活材なんです。つまり、ヒートテックやウルトラライトダウンのような防寒着であったり、下着であったりするわけです。特に高所得者層はそれらを人に見せたり自分で味わったりする『ファッション』とは捉えていないと思うんです」
なるほど、目から鱗なコメントである。つまり日用品に近くなっているから、利用率が上がるというわけだ。
僕はパーツという言い方をさせてもらっていますけど、(確か、ユニクロの役員をそういっていたような)、ヒートテック、ウルトラライトダウンというものはファッションとして楽しむというより、アンダーピニング(下支え)のような存在。機能性も含めて何かと合わせた時に光るものと。さらに柳井正CEOの言葉を借りると、iPhoneのような存在になりたい。世界を市場として見たいという考えが、お金持ちも含めているということでしょうか。無論、iPhoneのようにカッコイイわけではありませんが。
スマホではなく「iPhone」。ファストファッションではなく「ユニクロ」、という認知構造を形成させるのは進んでいるかもしれません。あくまでユニクロがベーシックを裏切らなければの話ですが。
今回無印良品が入っていませんが、洗練されている無印良品だとどんなイメージがあるのかも知りたい所。
関連:ユニクロの過去記事
【セール関連】
LN-CCが期間限定のシークレットセール50%OFFがさらに20%OFFに
Oki-niが2012秋冬MAX50%OFFセールを開始
■この10年間あまりで中国の人件費は10倍に膨れ上がったそう
「やっと中国から解放された」…インドが「世界の工場」に - MSN産経ニュース
「やっと中国から解放された。仲の悪い夫婦がやっと離婚できた気持ちだ」
こう振り返るのは、スウェーデンのファッションブランド「H&M」などの商品製造を請け負う宮崎県都(みやこの)城(じょう)市の原田繊維の原田裕三社長(50)だ。
確かにこの四半世紀、日本企業、とりわけ製造業にとって中国は不可欠な生産拠点だった。1994年に中国に進出した原田繊維は、ピーク時の2003〜09年、上海など7工場で約3200人を雇用するまでに拡大し、約7割の製品を中国で生産してきた。
原田繊維が中国からの撤退を決めた大きな理由はこの間、10倍以上に膨れ上がった人件費だが、それだけではない。尖閣問題以前にも「チャイナリスク」に悩まされていたという。
税関では生地材料を止められ、職員から露骨に賄賂を求められる。工場でミシン部品(計約1千万円相当)が盗まれ、通報すると、警察官から現金を要求される。中国の高級官僚にある悪い癖が中国の門番にも染み込んでいることは、日本の繊維企業としては苦しんできたそう。昨年、日本のみならずこれからの世界の生産拠点はインドになるだろうという見解は、かなり具体性を帯びてきていると。ただ、ユニクロのようにしっかりとしたインフラが出来ている中国の工場システムでは、脱中国とはなかなか難しいでしょうが、中堅は離れていくことになりそうです。
インドの現在の人口12億人のほぼ半数が、24歳以下というのもかなり大きいですね。これからのフレッシュな国です。これに加えて、カンボジア、ミャンマー、フィリピン、インドネシアと世界中で工場が生まれるかもしれません。
関連:ポスト「中国製」はインドか デザイナー達から信頼を得たメイドインインドとは
旬なネタ:福袋2013年、セール特集
Oki-niが2012秋冬MAX50%OFFセールを開始
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■とりあえずこれだけはおさえておく
福袋に関してはいろいろ書いてきた本ブログではありますが、やっぱり難しいんですよね。というのも、福袋の本来の姿って、その年の最初の「運試し」の象徴じゃないですか。内容には、当たり外れがあって当然。これが、少なくとも20世紀までは続いてきたイメージだと僕は思うわけです。
でも、今は状況が変わっていて、内容がほとんど分かる福袋だったり、福袋専用の福袋もあります。また、1つは当たり(と言われるもの)が入っている福袋、ECサイトでのみ販売する福袋・・・というか、福袋は買いに行く時代から届く時代。転売ヤーによってヤフオクで捌かれる福袋・・・などなど、「運」だけじゃあ済まされない落とし穴がそこにはある!
販売業者、それを転売する者たち、さらに情報操作が加わってかなりトリッキーになっている。
てなわけで、なるべく運だけで選べるようにする努力と工夫が必要です。出雲式福袋攻略法2013は、詳しくその辺書かれているので読んでもらいたいのですが、僕なりの経験も簡単に書いておこうかなと思います。
そこであげていくと・・・、
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■買ったリジッドジーンズを自分でワンウォッシュ
以前、生デニムに関する記事を書いたので、1本買って自分で育ててみようと思いました。
リーバイスヴィンテージクロージング501ZXX 1954モデル。なんでジッパーかというと、そちらのほうが安かったから(笑)。そして、タロン社製が使いやすかったから。以上。リジット(未洗い生デニム)です。
シルエットは501XXの中でも特に細身のテイパードシルエット。言うほどテーパードでもないと思いましたけど。ともかく、 これをこれから自分で洗濯機に放り込んで水で洗ってやります。洗礼を与えるわけです。
洗濯して乾燥することによって縮みます。だから、通常27-36インチを購入する場合2サイズUPをめどにすることがデフォなんです。しかし、今回は1サイズアップで行きたいと思います。そういうこともできるのではないか、という実験含めです。僕は、ピチピチに穿くことはないので30-31インチのおっさん。今回は32を買いました。
■定番アウター特集にフォーマルの度合いに合わせたコーディネート指南
![]() | MEN'S Precious (メンズ・プレシャス) 2013年 01月号 [雑誌] 小学館 2012-12-06 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
『MEN’S Precious 2013年1月号』は、目覚めよ、男達!必読!フォーマル強化書と題して、細かいフォーマルな行事でのTPOについて書かれています。そういうものは、いままでもありましたが、2012-2013A/Wコレクションがプラダを中心に全体的にタキシードだったりチェスターフィールドコートなどに変化球を加えたマスキュリンだったので、ハズシていいこと悪いことも含めて、本誌では説明があります。MR PORTERでも、タキシードを説明する動画が出ていましたが、そこでも紹介されている映画「007」の衣装。フォーマルウェアといえば、007のジェームズ・ボンドなわけです。そんわけで、この流れで映画「007」のジェームズ・ボンドの着こなしについて紹介されています。これも歴代のボンドが登場したり、当時の衣装ブランドから今日のトムフォードのスーツまで分かりますので貴重です。
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■有識者のインタビューと論考集
![]() | 相対性コム デ ギャルソン論 ─なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか 五十嵐太郎 浅子佳英 桑原茂一 柳本浩市 千葉雅也 菊田琢也 平芳裕子 小澤京子 坂牛卓 入江徹 森永邦彦 松田達 井伊あかり 永江朗 成実弘至 井上雅人 長谷川祐子 藤原徹平 本間直樹 木ノ下智恵子 フィルムアート社 2012-12-17 売り上げランキング : 379 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
建築家から、批評家、哲学科、社会学、文化社会学、メディア論、選曲家、コミュニケーション論、キュレーターなどファッションと直接関係のない人達が、あえて私的コムデギャルソン論を展開。といっても、森永邦彦氏はアンリアレイジのデザイナーですが、あくまで論考です。でも、難しい言葉もあまりなく実は読みやすいです。まとめたのは、『ファッションは語りはじめた──現代日本のファッション批評』の西谷真理子氏です。
【目次】
輪郭的問題提起的コムデギャルソンとは何か? 1、座談会:設計、コムデギャルソン 2、アフターコムデギャルソン 3、コムデギャルソンとセゾン文化 4、ストリートにおけるコムデギャルソン 5、自由・平等・コムデギャルソン 分析的領域横断的:少女・少年・性・カワイイ 6、対談:少女性から思考する建築とファッション 7、性差を突きつける/突き破る 8、装飾の排除から、過剰な装飾へ 9、インタビュー 10、COMME des GARCONS、あるいは衣服という表面においていかに多用な性を上演しうるか | 思考実験的コムデギャルソンの先を読む 11、生の危うさ 12、コムデギャルソン運動体分析試論 体験的実感的個人的体験からのコムデギャルソン論 13、対談:私達のコムデギャルソン論 14、私はコムデギャルソンによって選曲家という仕事に出会えた データ的歴史的コムデギャルソンを歴史的に検証するためのツール 16、COMME des GARCONS以前のコムデギャルソン |
相対性というだけあって、「コムデギャルソンとは?」という論考、インタビューでも皆いろいろなんですね。皆が語れる、もっと突っ込むと叩くことも称賛することもできる存在。僕は、それが「コムデギャルソンなんだろう」というズルい答えを持っております(笑)。いろんな角度、加減で書かれているものが編集されているため詳細は読んでもらいたいのですが、あえて1つだけ辛口批判している千葉雅也氏の対談を取り上げます(だって少ないし)。ネタとして興味が沸く内容。
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■アメリカは20%で日本は14%
Chinese Shoppers Overtake U.S. as Top Luxury Buyers – Bloomberg
Chinese consumers have overtaken U.S. shoppers this year to become the world’s biggest buyers of luxury goods, accounting for 25 percent of global sales through purchases at home and overseas, consultancy firm Bain & Co. said.
U.S. consumers now account for one-fifth of the world’s luxury sales, followed by the Japanese shoppers at 14 percent, according to a report released by Bain today.
世界のラグジュアリー市場2012年は22.7兆円 昨年よりも5%成長という記事を書きましたが、このうち約5.67兆円は中国人顧客だそうです。すごくないですか?チャイナマネーやっぱりまだあるんですね。アメリカは20%で日本は14%ということで、見事に抜かれました。
ただ、興味深いのが、海外で買っていること。実に顧客層の60%が海外で高級ブランドを購入しているという現象がおきています。中国本土での定価が高いので、直接欧州に行くということなんですね。バーバリー、プラダなど人気。
この影響で、2011年の中国本土での市場は前年同期比30%成長という数字を叩きだしましたが、2012年は7%成長まで落ちるようです。海外に行くのは、関税などが響いているようで。
この流れはしばらく続きそうですね。
【ウェブアンケートご協力のお願い】
メンズファッションブランドのイメージ分析のためのアンケートご協力のお願い
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■1000年の歴史の流れから知的財産と高度大衆消費のバランスが日本ブランドには必要?
![]() | ファッション・ブランドとデザイナーと呼ばれる戦士たち 塚田 朋子 同文館出版 2012-12-12 売り上げランキング : 91669 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
以前、日本のファッション30年が凝縮した書籍「Future Beauty」を紹介し、「ウィメンズウェア100年史」をご紹介してきたわけですが、ついに1000年クラスの壮大なファッション史から、今のファッションの課題をあぶり出す書籍が発刊されました。
いや〜、平安時代はおろか、大化の改新まで遡っていますからね。なかなか読み応えありますよ(笑)。
『ファッション・ブランドとデザイナーと呼ばれる戦士たち - 西洋服後進国日本の千年』読んでみると、日本、欧州、途中からアメリカを含めドラマ「24」のように、各国地域で当時どんなファッションニュースがあって、いかに今のファッション産業へと成長してきたか、あるいは課題を残してきてしまったか・・・が記されております。
読み方は大きく分けて3つ。
単純に、日本を中心に1000年間のファッションニューがざっくりと分かること。
2つ目に、各国地域の社会、文化的な側面。著者の塚田朋子氏が述べているキーワードは「雅」、「いき」、「絢爛豪華」、「前衛」というカテゴリ。これで欧州と日本を比較していく。日本のデザイナーだったら、川久保玲、三宅一生が、日本が独自に得てきた1000年の遺産を持ったブランドとして登場します。
3つ目は、ラグジュアリーファッションにおけるマーケティングの在り方。これに関しては、簡単言うと、「知的財産権」と「高度大衆消費」が必要であることを主張。特に、デザイナーと経営者がよく話し合い、協働作業することが21世紀のファッション産業を支える上で大事だと著者は主張しています。
面白いのは、堕落する高級ブランドでは、この高度大衆消費たるもの(例はルイヴィトンのバッグ)が高級ブランドを堕落させた、と悪者になっていたベルナール・アルノーが評価?されているところ。見方はいろいろあるものです。では、問題意識を見つつ1000年前に行くとしましょう。
<目次>
第1章 きもの文化の国で闘う三宅一生と川久保玲 1】日本の大企業 繊維産業、五服会、総合商社 (1)「糸へん景気」と繊維産業の国際競争力 (2)老舗「五服会」と電鉄系百貨店 (3)総合商社とファッション 2】三宅一生の闘い、川久保玲の闘い (1)きもの文化の国で「洋服」をデザインすることの悲劇 (2)三宅一生:四半世紀前に21世紀の服を提案していたプロダクトデザイナー (3)「コム・デ・ギャルソンと呼ばれる服」のデザイナー 第2章 21世紀の日・欧・米のファッションニュース (1)欧州ラグジュアリーブランド連合軍 (2)アルノーはなぜ大成功し続けるのか (3)ファッションフォーディズムの2つの方向 (4)ジルサンダー騒動とその他の人事異動 (5)ウラハラと東京コレクション 第3章 藤原氏全盛期から鎖国前までの日本とファッションニュース (1)絹織物産業:古代からの重要産業 (2)「雅」からはじまった衣の文化 (3)ルネサンスとイタリア・ファッション (4)ファッション業界を考えるためのキーワード「世阿弥の花」 | 第4章 鎖国期の日本と欧州とアメリカのファッションニュース (1)産業革命とイギリスのメンズファッションリーダー (2)ベルタンが売った絢爛豪華なトータルファッション (3)友禅をきものブランドに仕立てた集団 (4)「いき」を普及させた江戸の新興呉服商と大衆 (5)モリスが参考にした資料VS新興国アメリカの「合理性」 第5章 帝国主義時代の日・欧・米のファッションニュース (1)ファッションマーケティングの嚆矢ナイストロム (2)ナポレオン3世紀のお抱え、ウォルトが世界を制覇する (3)ポワレVSアメリカ繊維・ファッション業界 (4)日本の資本主義と繊維産業 第6章 1947年から2000年までの日・欧・米のファッションニュース (1)ライセンスビジネスに頼った悲劇 (2)ファッションマーケティングの国から学んだ悲劇 (3)世阿弥を持ち出したブランド研究者 (4)日本のストリートファッション (5)フランスオートクチュールプレタポルテ連合協会以後 終章 前衛よ、永遠に! グレシャムの時代からユーロと1ドル70円台の時代まで ラグジュアリーブランドとファッションフォーディズムの時代 柔らかくナチュラルに閉じた組織よ、永遠に |
■前回に続きグレン・オブライエンの記事から
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『POPEYE12月号』に続き、NYのカルチャーシーンを代表するコラムニストのグレン・オブライエンの記事が載っています。「ファッションとともに、生きるべきか死ぬべきか」。男性ファッションの変則的なトレンドの流れと、高尚な部分、男性達の本音が入り交じる前編がありました。グレン・オブライエン氏はメンズファッションのトレンドは氷河のようにしか進まないが、たまに革命がおきたりすることを指摘しています。その例が、モッズ、レディースでいえばミニスカとしてあげられており、核兵器なみのインパクトと表現していました。
本誌の後編では、今のお話。表面的には社会のカジュアル化が平等や民主制の勝利「世界はひとつ」という視覚認識に繋がるように見えたけど、実は正反対とグレン・オブライエンは指摘します。
超富裕層は、服装のハードルが下がった(ホワイトカラー、ブルーカラーの垣根が曖昧、レストランのドレスコードが消えつつあるなど)ことをいいことに、衆人に紛れ込む。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ(マーク・ザッカーバーグ等も入るかも)、ハンツマン、ゼニアのスーツよりも、別注のナイキにエヴィスジーンズなどのカジュアル姿・・・・・キメキメなのは紳士服店のスタッフくらい。