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2012年06月10日

宮下貴裕と尾花大輔が話す昔のデザイナーと最近のデザイナーの違い

■スペシャルイシューでHEARTも復活

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SENSE7月号は、ミリタリーマニア必見ですね。尾花大輔氏が、宮下貴裕氏と北原哲夫氏の企画に参入して自分のコレクションをお披露目するという内容となっています。宮下貴裕氏が、尾花大輔氏に対して「軍モノハリウッドだな、あいつは」と毒づくほど、ミリタリーの古着コレクションが多く紹介されています。
しかし、この語らいから話がちょっと壮大になるわけなんです。というのも、デザインの手法について、80年代の大物日本人デザイナー(誰かというのは本誌でご確認を)と、宮下貴裕、高橋盾などの裏原系との違い、もっというと、海外大手メゾンのデザイン手法との違いを話しているんですね。そして最終的には、最近の日本のデザイナー達との違いまで、語っているから興味深い。

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2012年06月04日

NY timesが総力取材で知った川久保玲の「デザインの源」

■川久保玲は、聴衆に理解されるコレクションを嫌う深いベールに包まれたモナ・リザ


根本的な疑問として、川久保玲氏はなんで80年代以降、ずっとカルト的な人気を持っているのか?日本の服オタの間では昔はよかったのに・・・といった賛否両論がありますが、海外では相変わらず謎めいて神秘的な存在として認知されています。彼女の奇抜だと思われるデザインは、そもそもどこから得られるのか?を追っているジャーナリストも多いようです。そこをNY timesが取材しました。

コムデギャルソンのトップ川久保玲氏のCFDA国際賞受賞に際して、海外のウェブサイトで特集を組んでおりますが、皆このNY times専属のファッションエディターCathy Horynの考察を中心に書かれています。なので、今回はそれを取り上げてみます。この記事は、ものすごく長く難しいのですが、簡単に言うと川久保玲の今日までのデザインの手法、センスの源は何なのか?若い時の彼女はいったい?やはり彼女の日々の生活はエキセントリックなのか・・・?

川久保玲の語られないことを、改めて強力取材をした結果、Cathy Horyn達が理解した点があります。さらに、E-mailを通じて得た川久保玲からの回答が記されています。
行き着いた先は「彼女はやっぱり深いベールに包まれたモナ・リザなんじゃあないか?」と。
いやいや、モナ・リザは荒木飛呂彦氏ですぜ・・・・、という冗談はやめておいて(笑)、その考えを簡単にまとめることにしましょう。

 

 


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2012年05月27日

松屋銀座男市の2着29800円スーツは妥当なのか検証

■ビジネスで5年間使えるスーツ

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松屋銀座男市の2着29800円のスーツです。一番安い既製品の定番タイプ。
私は、パターンオーダーをしたのでまだ来ていません。なので知人のものをお借りしてきました。チャコールグレーとブラックを買ったようです。これをお借りして、松屋銀座男の市の2着29800円スーツは妥当なのかをちょっと調べてみたいと思います。 知人にはなんとも失礼な企画ですが(苦笑)。

成功する男のファッションの秘訣60――9割の人が間違ったスーツを着ている (講談社の実用BOOK) 成功する男のファッションの秘訣60――9割の人が間違ったスーツを着ている (講談社の実用BOOK)
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松屋銀座男市のカリスマバイヤー、宮崎俊一氏のスーツ選び、着こなしの本書は、松屋銀座男市のことが書かれています。
デザインについて、このスーツは書籍の中身に順ずるものであることがわかります。ラペル(下衿)はノッチドで、一番大幅な部分が8.5cm。クラシックなデザインですが、野暮ったくならないギリギリの幅です。それから、肩の袖周り。
写真のように、見た目がシワがあってちょっと悪いです。着心地を考えた場合、少し袖袖周りが前に作られているのが立体的な構造で人間には合うようです。ハンガーに吊るした時綺麗に見えるスーツより、着心地のよいスーツを選ぼうというのが宮崎俊一氏の考えです。

■ラペル、袖周り

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先程説明したのが、拡大すると分かりやすいと思います。シワが前によっていますね。ついでにいうと、AMFステッチ入り。毛芯仕様。

■素材、生地、生産

松屋銀座男市の2着29800円スーツは、裏地はポリエステルが基本。背抜きです。春夏仕様。生地はウール100%。生産は中国かインドネシアです。この辺は、大量紳士服店と同じスペックですが肌触りは悪くなく、着心地も悪くありません。 ちなみに、このスーツは株式会社カインドウェアが作ったスーツになりますね。元々はフォーマルウェアの老舗です。

 

 

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タグ:スーツ
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2012年05月24日

高級ブランド世界ランキングベスト10 2012年

■ルイヴィトンが7年連続世界一

Bloombergにて、世界で最も企業価値のあるブランドが発表されたので紹介します。ルイヴィトンが7年連続世界一になりました。ちなみに全ての産業でのランキングで1位はアップル(1829億ドル)、ルイヴィトンは21位。

Louis Vuitton Tops Hermes as World Most Valuable Luxury Brand – Bloomberg

(1ドル=80円計算 Millward Brown BRANDZによる算出方法採用企業資産の価値を測定)

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2012年05月20日

ニューバランスのENCAP、アメリカ製とイギリス製に違いはあるか?

■米国はENCAPが主流だけど英国製のENCAPもある

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ニューバランスのキモとってもいいミッドソール。その1つであるENCAPにはアメリカ製とイギリス製があるのです。ちなみに、イギリス製はC-CAPのほうが一般的。ちょっとその辺を僕の感想をもとに書いてみたいと。

上のスニーカーは、先日Oki-niで買ったニューバランスM1300NR。M1300という定番モデルを改良して再登場したものです。100マイル走行でも劣化しないを合言葉に作られたもので、ネイビーに赤文字が良い感じのアクセントです。雨にも耐えられるようにカーボンラバーソール仕様。

ENCAPは軽く、クッション性に富むんでいるのが特徴。EVA(エチレン・ビニル・アセテート)を衝撃吸収性と分散性に優れたポリウレタン素材に封入した構造と定義付けられています。
かかと部分にウェッジ状に搭載することで、安定感が増してファンが多いと。ここまでの定義のくだりはよろしいでしょうか?(笑)。
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タグ:スニーカー
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2012年05月14日

松屋銀座男市の攻略法

■行ってきたのでレポート

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5月と10月は、各百貨店、同じタイミングで紳士服大市を開催します。期間限定のスーツのバーゲンです。紹介しておくと以下のような感じ。

「銀座の男」市 2着で¥29,800(税込) |MATSUYA 松屋|

夏の紳士ファッション大市 : 新宿店 : 伊勢丹 店舗情報

【新宿高島屋】紳士服イージーメードスーツ2着セール

小田急百貨店新宿店 夏の紳士服大市 5月23日から

JR大阪三越伊勢丹 夏のファッション大市 5月16日から

大丸梅田店:男の専科大バーゲン

京急百貨店・上大岡駅|夏の紳士服大市 5月24日から

この紳士服ファッション大市の昨今の主流というか、大きな流れを作ったのが松屋銀座のカリスマバイヤー宮崎俊一氏です。宮崎さんは、2着で29800円〜のスーツで、8万円に近いオーバークオリティーを目指すということでコストを下げる努力を行って来ました。
その宮崎俊一氏の集大成として出版した「成功する男のファッションの秘訣60」は、このバーゲンに来る前に読んでおくことをオススメします。スーツづくりで妥協してはいけない点、着こなし指南が載っています。
納得できない点があれば、ご本人に聞いてみるのも手です。週数日は、派手なコーディネートで販売コーナーにいますからね(笑)。

百貨店の紳士服ファッション大市で使用される生地は大体同じ。イタリアか英国が主です。カノニコ、フォンテス、グアベロ、ゼニア、REDA、ロロピアーナ、スキャバル、チェルッティ、ジョン・フォスター、トレーニョ、マーティンソン、ドーメルなど。

私も全百貨店回る時間もないので、松屋銀座の男市に行って来ました。そこで、いくつか気づいたところがあるので紹介しておきます。

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2012年05月07日

世界で最も影響力のある女性デザイナー25人

■Parsons School of Designの准教授Francesca Granataなどが格付け

最近、TIMS誌が選ぶ最も影響力のあるファッションアイコン100のリストが発表されましたが、女性デザイナーにスポットを当てたものが少ないという話が出ています。
ファッショニスタが世界で最も影響力のある女性デザイナー25人を掲載しました。例の格付けシリーズです。でも、独自の選び方というよりも、Parsons School of Designの准教授Francesca Granataと、Fashion Design Department at Pratt InstituteのJennifer Minnitiが進めたようです。では紹介します。
順番は、順位ではありませんのでご注意を。
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2012年04月29日

Made in USA復権を望む米国 大量生産大量消費で失ったもの気づいたもの

■国をあげて脱中国生産の動き ヘリテージの流れはアメリカまでも 

最近ちょうど、流れはアメカジからmade in USAへ?なんていう記事を書きましたが、アメリカ合衆国政府は、オバマ大統領の方針としてMade in USAを促進させることを一般演説で述べたそうです。昨年には、APECの場でmade in USAを買ってもらいたいことを本音として出したという話も。 それは、国内の雇用促進という意味が大きいんですけどね。

ただ、ファッションでいえば、いままさにアメトラ、アメカジの流れの中でMade in USAはいけるんじゃあないか?という空気もあったりするわけですよ。

20世紀の大量生産大量消費の時代で、重要な役割を果たしていたのは中国を中心とした生産コストの削減でした。服もその例外ではありません。でも、結果として技術は流出しアメリカ国内の技術者は減り、アメリカの伝統的な生産組織は縮小。21世紀になると、むしろ今のビジネスモデルが効率が悪くコストがかかるということが分かったそうです。

大手コンサルタント企業のボストンコンサルティンググループ(以後BCG)の見解では、中国の経済発展による賃金の上がり方と、輸出プラットフォームというコスト面で中国生産は優位ではなくなってきたと説明。その点で、アメリカ合衆国内の柔軟になってきている労働力や、弾力性のある法人部門が魅力があるのではないかと指摘しています。いわゆる、オフシェアリング(工場の作業全体をそっくりそのまま、外国に移転する)が良い方向にいかないケースが増えてきたということですね。
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2012年04月22日

ユニクロのライバル企業はアップル?ユニクロが世界進出で分かったこと

■顧客サービス、顧客の経験価値マネジメントの重要性

ウォール・ストリート・ジャーナルにて、ユニクロの経営戦略に関する特集が組まれています。ユニクロは、現在世界中に旗艦店が242あり、年間売上が約7000億円。
その中で、ファーストリテイリングの役員であるTakao Kuwaharaの話を通して様々なことを学んできたことが述べられているのですが、興味深いのが競合他社はアパレル関係の小売店ではないというんですね。あのアップルであると。え?アップルだとー!?ねーわ。というアップルファンの皆さん、まあ落ち着いてください。

Our competitor is Apple. We don't see ourselves as having competitors in the fashion-retailing space. At Apple, as at Uniqlo, the customer service and the customer experience is all important. People have limited time and money to buy things and they can choose where they shop.


世界中に進出したユニクロが分かったことの1つとして、顧客は機会費用を払って来店してくれる。つまり時間を割いているんだから、顧客サービスと顧客の経験価値の向上こそが最も重要であるということです。その点で、優れているアップルはライバルとして捉えているそうです。目標といったほうが正しいのかな。製品カテゴリーで競合を決めていないところが視野の広さを感じるところではありますね。

ほかに、海外に進出してわかったこと、改善していることのうち、興味深いものをあげてみたいと思います。
ルを開始

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2012年04月20日

カジュアルファッションの起源はコットン?「ザ・コットンカルチャースタイル」

■マニア必見のコットン特集

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コットン文化とそのスタイルに特化したムック、それが「ザ・コットンカルチャースタイル」です。mono特別編集。超マニアックな内容です。

話は、突然コットンの考察から始まるというムック・・・というかもう書籍。考察は、いかにコットンが私達人間の身近にある存在かが伺えます。と同時に、コットンて、こんなすごいんだぞ!という薀蓄が、どこからともなくこだまして聞こえてくるようです(笑)。

数字で言うと、世界の全繊維の60%を占めているんです。18世紀から19世紀のアメリカの国家財政を支えるほど。世界の土地使用率(各農産物を含めて)の2.5%がコットンです。ちなみに、果物と野菜を合わせてが7.0%だからどれだけ大きいことか!

金融証券の市場価格は独立事象とはいえない、変化率は正規分布ではないことを主張した、マンデルブロが重要視したのがNYの綿花価格の取引データでした。それだけ、市場経済にも圧倒的な影響力のあるのがコットン!

ということはですよ、当然当時の政治経済、文化的側面が大きく影響してくるわけですね。特に、イギリスの産業革命が、生産性を飛躍的にあげたことは想像に難くないかと。
この頃、坂本龍馬のビジネスとも縁があったかもしれない東インド会社が綿花をアメリカから輸入。コットンの原料となる綿花栽培には、黒人奴隷制度という労働力で皮肉にも世界中に拡大する原動力となる。その後、1861年の南北戦争で綿生産は止まります。

コットンは、19世紀になるとゴールドラッシュに湧く金鉱掘り達のための、大事な作業着に使用されます。ところがどっこい、すぐボロボロになっちゃうんじゃ掘れない。てなわけで、ドイツ系移民のリーバイ・ストラウスが幌馬車のコットンキャンバス地で作られていたシートを、仕立ててジーンズを作ったわけでございます。

個人的には、このジーンズとコンバースのバスケ用シューズ、ヘインズのアンダーシャツ、チャンピオンのスウェットが、コットンをカジュアルの中で切り離せない存在にしたものだと思っています。もちろん、ほかにもLLビーンのトートバッグ、Leeのヒッコリーなどたくさんありますけど。続きを読む

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2012年04月08日

山本耀司 1時間のロングインタビュー「中国の植民地化する日本のファッション」

■イギリスで開催された山本耀司の対談



昨年、イギリスでヨウジヤマモトの展示会が開催されましたが、1時間にも及ぶロングインタビューフィルムがあったので、英語ですがよかったらご覧下さい。”I hate Fashion generally”これが、いつも山本耀司氏が貫いている言葉です。
でも、洋装が嫌いということではなくて、トレンドとか空気感とか、そういうことだと。そして、服には「時間」が重要だと話しています。
若者が買う古着、スクール、ミリタリー、様々。それらは時間が経っているもの。コットン、シルク・・・自然な素材が熟成されたものは新品よりもチャーミングであり、美しい。それをデザインで表現したい。と、山本耀司氏は語っています。

ほかに、ウィメンズのデザインするときは、好きな女性を追いかけるように見えたイメージをもとに、シルエット、カッティングを実現させていく。「女性が好きなんだよ」というのも面白い(笑)。
今の女性は露出が多すぎるから、もっと包んでよ。そうすると、こちらはそのインサイドがイメージできる、という妄想的な感じも興味深いお話。

さて、そんな中でものづくり大国であった日本について今の現状を話しています。これは、コムデギャルソンも話に出てくるので気になりました。
要するに、現在の日本の美しいテキスタイル、ファブリック、伝統的なものづくりの喪失についてなにがあったかということです。
ヨウジヤマモトとコムデギャルソンは、日本での工場生産を重視しているし現存させている。

しかし、山本耀司氏は現在の日本のアパレル産業について思うところありだと。現在、一般的に日本のファッションは機械にまかせる。それは生地、縫製、マーチャンダイズ、市場への訴求、販売など中国の植民地化していると。決して、山本耀司氏は中国嫌いではないのでその辺は勘違いしないように(むしろ日中の友好に寄与している人です)。
これは、日本のアパレル産業が、中国にシフトした結果。全ては、日本の大企業が工場をコスト削減のため中国生産に切り替え大量生産をした結果であると説明。しかし、終わりのときは来た。これもあと数年だけだろうと。

これはイギリスも同じ事だと司会者の方も話しています。一回技術が流出して失うと、返すのが難しいという現状。世界中で行なっているジレンマでしょう。

あとは、ゆっくりご覧になって頂きたいと思います。後の質問も面白いです。
御老人がヨウジヤマモトなどで働くには、ファッションスクールを出ていないといけないのか?とか。名前だけかすライセンスに関してとか。終始、ユーモアあふれる回答っぷりに楽しく見ちゃいます。


さて、そんなヨウジヤマモトの最新情報。
現在4月22日、23日までの限定で「Y’s」「s’yte」がオープン。

1つは、ヨウジヤマモトのウェブ限定ブランド「s'yte」のリアルショップ。期間限定で「渋谷パルコPART1」の1階にオープン。2012年4月7日〜4月22日。限定アイテムの展開も予定されています。

もう1つは、「Y's」創立40周年を迎え、デザインチームで改めて新しいワイズをクリエーションする期間限定店。場所は、「西武渋谷店」A館1階 プロモーションスペース。
雑貨を中心に限定ショップオリジナル商品や40周年記念アイテムを揃えることになっています。期間は4月12日〜23日。

どちらも、お時間があればいってみてください。

【セール情報】
Oki-niが未曾有の80%OFFセール開催
LN-CCがさらにMAX70%OFFセールジュンヤワタナベマンのジャケット ヨウジヤマモトがセール価格で再販
KING’S TOWNがさらにMAX90%OFFに
YOOXが85%OFFセールを開始

タグ:デザイナー
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2012年04月07日

持ちつ持たれつの日本と英国のファッション事情

■日本ブランドが欲しい英国と海外進出を加速せざるを得ない日本ブランドの繋がりを考察

「かつて、パリ・コレクションで物議を呼んだ日本ブランドの「黒の衝撃」から約30年、今度は日本のモダンストリートファッションが世界を牽引するだろう」と、英国メディアがの記事には書かれています。それが英国のファッションシーンの1つなんです。すごく良いように聞こえますが、そこには英国と日本、それぞれ事情があります。

Japanese fashion: Eastern Promises - Fashion - The Independent

Japanese fashion designers first made a splash in Europe 30 years ago, but Tokyo’s talents and streetwear styles are the next big thing in modern menswear. Adam Welch reports

渡辺淳弥氏の、ファッションデザインについての考察を英国記事から紹介しましたが、今回もTh
e Independentのweb版で掲載されています。というわけで、僕の英語の勉強につきあっていただくことも含めて、取り上げてみたいと思います。
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2012年04月06日

『MEN'S Preciois』モード化するクラシックスーツに警鐘を鳴らす

■スーツダンディズム宣言 中野香織氏が日本のカジュアル化とイギリスの老舗に一言

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MEN'S Preciois2012 Spring号が発売となりましたが、今回はあえてのスーツスタイル特集。カジュアル編として、サファリジャケットと紺ブレ、付録でジョンロブに関する特集も組まれていますが、この辺はぜひご一読頂ければと思います。ここでは、先日明治大学にてテーラーとなった信國太志氏と講座を開いた服飾史家の中野香織氏の考えを取り上げようと思いまして。


MEN'S Preciois2012 Spring号のスーツ特集の冒頭で、「時流を超越したスーツスタイルに未来のダンディズム精神が宿る」と題して、スーツスタイルのカジュアル化とクラシックな装いが絶対的でないことへの警鐘を鳴らしています。昨今の世界の経済状況を反映して、安さと利便がもてはやされる現代だとすると、クラシックなスーツスタイルのほうが、時流から浮いてしまいそうな雰囲気があると言われているんですね。いつの間にか定番逆転の法則発動ですね、わかります。

カジュアルシャツにデニム云々と・・・。これは、決して仕事のときのクールビズに対するアンチテーゼだけではなく、一番男をセクシーに見せるのがクラシックなスーツの装いだとする、中野香織氏の深い考えもあるわけで。
よく言われるダンディズムというものが、時流の主なトレンドに抵抗して生き残ってきた絶滅危惧種になっているのよ!といわんばかりの凄みも感じてしまう私なんですが。それは、日本のスーツスタイルだけに限ったことではないようです。


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タグ:スーツ
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2012年03月28日

英国批評:渡辺淳弥は紳士服をウィメンズに利用することに最も長けている

■装飾性なんてない 目立たないところに意識を集中する渡辺淳弥と海外が評価

イギリスのメディア、The Independentでジュンヤワタナベの2012S/Sから観た考察・レビューが掲載されていますのでちょっと紹介したいと思います。

2012S/Sでは、レースのドレスがテーマでしたが、レビューではデザイナー渡辺淳弥氏の作り方に派手派手しさや、一般的に言われるようなモダンという表現とは程遠い位置づけ。ジュンヤワタナベのモダンは予想できない魅力がある、とスザンナフランケルは述べています。
全文英文なので、また僕の英語の勉強に付き合ってください(笑)。

ちなみ、パリコレクション2012S/Sは以下でご覧になれます。




Junya Watanabe: A delicate subject - The Independent

【ジュンヤワタナベのつくりは、派手さを嫌い、職人気質のオートクチュールを感じさせる】

The Independentのレビュー、考察いわく・・・、

今ラグジュアリーブランドのレディメイド(既製服)のデザイナー達は、全て手仕事で衣装をつくるオートクチュールの重要性を感じ、インスピレーションを得ている。その多くがマシンメイドにもかかわらず、手仕事という工程の位置づけがどこかで再興しているのだ。それは、「オートクチュール=最高のクオリティ」という事実に、改めて気づいたからである。

オートクチュールとはちょっと意味合いが違いますが、最近ヘリテージ(遺産)ということを強く意識するメゾン増えましたよねー。エルメス、LV、バーバリープローサムなど。


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タグ:デザイナー
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2012年03月21日

ファッションショーのモデルが笑っていない理由

■笑ってもいないし、しかめてもいない曖昧な表情はモナ・リザと関係あり?

DSC00182 
ちょうど、現在メルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク東京2012-2013A/W(JWF)が開催されているので、ファッションショーのお話。
ファッションショーのモデルの表情って、基本的に笑ってもいないし、当然厳しい表情でもないですよね。独特の曖昧な表情をしています。

この上のファッションショーは、昨年開催された東日本大震災復興支援チャリティーファッションイベントです。私も微力ではありますが、チケットが義援金になるということで、参加させて頂きました。画はそのときのものです。
ジャンポールゴルチェのステージの時に、後ろのホワイトの壁にレッドのスポットライトがあたった時、日の丸を表現しているのだな、と感慨深くなったのを今でもしっかり憶えています。 ほかに、ダナキャラン、ジル・サンダー、ジョゼフ、ミッソーニ、ソニア・リキエルが参加してくれました。

さて、話を戻して世界のメゾンが参加したこのランウェイショーでも、モデル達は笑うとも怒るとしない、でも無表情とも違う曖昧な表情していました。これは、他の世界中のファッションショーで見られるもの。なぜ、このようにあいまいな表情するのか考えたことありませんか?結構不思議ですよね。続きを読む

タグ:心理学
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2012年03月17日

ドーバーストリートマーケットが銀座にできた理由

■株式会社小松ストアーの社長小坂敬が語るギンザコマツの長期経営戦略

先日、ドーバーストリートマーケットギンザとユニクロ銀座店オープンで、ファッションのメッカとも言われている銀座が、再び賑やかになってきた感じもある今日この頃。そもそも銀座にドーバーストリートマーケットができた理由の1つとして、ギンザコマツの存在があるわけです。じゃあ、なぜギンザコマツはドーバーストリートマーケットを呼んだのか?
株式会社小松ストアーの社長小坂敬氏がウォール・ストリート・ジャーナルで語っています。

理由は、ギンザコマツとして流行に左右さらない長期的な店舗経営を維持したかったからです。そして、ドーバーストリートマーケットは、日本にはない空間を提供できると考えたからです。
具体的には以下をどうぞ。 
「日本人は、ファッド(流行よりも短い熱しやすく冷めやすい)志向の人間が多いけど、ギンザコマツとしては長期で付き合ってくれる顧客が欲しかった」ということを話しています。
さらに、「長期的に顧客を維持していくには川久保玲氏の【美しきカオス】の哲学が、東京のショップとして、大きくアピールできる」、と考えたことも語っています。これは、日本人に対してだけじゃないですね。

たぶん、ここ数年ファストファッションに押されっぱなしだった銀座に、なんとかして長期に顧客を呼べる場所をつくりたかったんだと思います。刹那的な話題にならないようにと。
とはいいつつ、隣が世界最大級のユニクロ銀座だというのが臭いますよね(笑)。あちらはアンダーカバーとのコラボレーションが販売されたこともあって、人気ですけどね。


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2012年03月05日

ラフシモンズがジルサンダーのクリエイティブディレクターを辞任した真相

■オンワードホールディングスとの問題 企業に属するデザイナーの苦闘


NY timesで、初めてラフシモンズがジルサンダーを辞任したのはなぜか?ということについての背景が長く書かれています。これを読むと、もともと噂されていたクリスチャンディオールに行くから、ということではないことが伺えます。
まずは、ラフシモンズと企業側の関係性の悪化が読めます。つまり、ジルサンダーを持っているオンワードホールディングスですね、日本の企業との間であまりうまくいっていなかった。また、ラフシモンズのプライベートな部分(例えば休暇の家族との触れ合い)まで踏み込んだプロモーション(のようなもの)が彼を傷つけ、不公平に解雇したということが書かれています。本当だったら、ちょっと感心できませんね。以下簡単に紹介。

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2012年03月01日

「Hypebeast」から見る「フラット化する世界」を使ったウェブサイトの運営方法

■社長は香港で意思決定 社員はNYで情報収集 



素晴らしい企業を紹介する、Fast Companyにて、世界でもトップの閲覧数を誇るメンズストリートウェブマガジンHypebeastが紹介されています。実は、変わった組織体制を組んでているHypebeastの特徴をちょっとあげてみたいと思います。これは、「フラット化する世界」を上手く使ったビジネスモデルかも。

この動画に出てくる方が、Hypebeastの社長兼エディターのKevin Ma。ええ!NY在住のアメリカ人じゃないの?と思った方もいらっしゃるのではないかと。コンテンツのほとんどは、欧米のファッションシーンのことですし、閲覧者の半分はアメリカ人です。



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posted by No.9 at 21:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 議論 | 更新情報をチェックする

2012年02月21日

欧州高級ブランドが円高で売り上げ伸ばすという幻想

■円高の恩恵を日本の消費者は受けていない

昨今のユーロ危機やリーマンショック以降続く世界的な不況、さらに日本では東日本大震災という未曾有の大災害によって経済的打撃をうけて高級ブランドに対する価値観も変わり、すっかり冷え切っている・・・とおもいきや、LVMHやPPRといった高級ブランドグループが日本でも売上を伸ばしている、という記事がウォール・ストリート・ジャーナルで掲載されていました。しかし、以下でも説明するように、これは幻想であり嘘であることがわかります。

1つは、売上を伸ばしているのは商品がたくさん売れているのではなく、企業買収による成長のため。

2つめは、円高でも日本国内の直営店では適正価格の名のもとに値下げをしていないから、結果的に単価が高い。これは2008年の実質経済成長率や貨幣錯覚の理論を取り入れて考えてみても、おかしな話なんです。


欧州高級ブランド、日本の売り上げ伸ばす−円高で - WSJ日本版

昨年3月11日の東日本大震災によって日本は景気後退入りし、消費者支出は10年以上なかった水準にまで落ち込んだが、世界の高級ブランドの中には、2011年の日本での売上高が前年比10%以上増加したと最近発表したブランドもある。

日本の売り上げ増加は歓迎されている。長年にわたって日本の売り上げの伸びが近隣の新興アジア諸国と比べると見劣りする状態が続いているためだ。しかし業界の観測筋は、長く停滞している日本の高級品市場が大きく復活するとは考えない方がよいとみている。

世界最大の高級品メーカー、LVMHは今月、昨年の日本の売上高が前年比10%増の19億7000万ユーロ(約2100億円)になったと発表した。同社はシャンペンのモエ・エ・シャンドンやファンションブランドのセリーヌを傘下に持つ。

東日本大震災から、消費行動に変化があるものの高級品はいつでも強い、という強気の姿勢はラグジュアリーブランドにはあるようです。しかし、これはウォール・ストリート・ジャーナルでも書かれていますが、チートなやり方なんですよね。

コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーによると、日本の昨年の高級品市場の規模は185億ユーロだそうです。すごく簡単に計算すると、1兆9000億円でしょうか。その前からの推移がないのでなんとも言えませんが、LVMHのベルナール・アルノーは、今月以下のように話していたそうです。

高級ブランドが活況 世界のニューリッチがけん引 - WSJ日本版

「大きな偶発的出来事がなければ、欧州の問題があったとしても、世界経済は成長し、世界の人々は一層われわれの商品を手に入れたくなるだろう」と述べた。

これは、中国の観光客が日本でブランド品を買っていることもありますが、実は買収による成長なんですね。自力じゃない。LVMHはブルガリを、PPRはブリオーニを買収しました。どちらも、非常にメジャーでコアなファンを持つブランドです。さらに買収劇は続くでしょう。

またもう1つの理由として為替です。一時、1ドル75円、1ユーロ100円を切ったにもかかわらず、円高による定価の値下げをしなかったんです。
だから、日本で買うと単純に単価が高いんですよ。よっぽどヨーロッパで買うか、海外のECサイトで買ったほうが関税を入れてもマシ。ちなみに、関税は日本がとってますからね。いろいろひどいです。

皆さん憶えていらっしゃいますか?値下げラッシュだった2008年を。フェラガモ、S.T.デュポン、モンブラン、カルティエ、クリスチャンディオール、ルイヴィトン、ランバン、ティファニーが値下げを断行しました。理由はリーマンショックによる世界不況の始まりなんですが、円高に合わせた適正価格という正当化の名のもとに禁断の手を使ったわけです。ちなみに、その時の円は1ドル83円、1ユーロ160円台後半で今よりも円安だったんです。為替と高級ブランドの価格は必ずしも相関関係にないんです。
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タグ:経済
posted by No.9 at 22:36 | Comment(3) | TrackBack(0) | 議論 | 更新情報をチェックする

2012年02月09日

ファッション批評の方法を考える書籍「ファッションは語りはじめた」

■ファッションの批評ってそもそも曖昧じゃね?哲学的に考察したらエヴァンゲリヲンに到達

ファッションは語りはじめた 現代日本のファッション批評 ファッションは語りはじめた 現代日本のファッション批評
蘆田裕史 千葉 雅也 林 央子 井伊 あかり 黒瀬 陽平 田村 有紀 藤原 徹平 金森 香 中村 茜 安城 寿子

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「東京コレクション」選考委員ブランドに助成金 ― スポニチ Sponichi Annex 社会

日本最大のファッションイベント「東京コレクション」を主催する一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)が昨年、国の補助金など200万円が得られるブランドを選考した際に、選考委員の1人が取締役を務めるブランドを対象10ブランドの一つに選んでいたことが4日、分かった。日本ファッションの世界への発信力を高めようという官民挙げた事業だけに、運営の透明性に疑問の声が出ている。

ファッションブランドの選考審査と、批評とはまた違うかもしれませんが、評価を下すという点では一緒だと思います。この問題が浮き彫りになって、まだJFWはこんなことしているのか、という溜息とともに、この記事を書くことを決めました。ファッション批評の仕方を今一度考えてみるお話です。


昨年は、ファッション業界の激流の中でかなりマニアックで深い書籍がいくつか出版されましたが、こちらの「ファッションは語りはじめた」もその1つだろうと思います。もう1つ、林央子さんの「拡張するファッション」もかなり深い内容でした。コンセプチャルではありますが、昨今のパリミラノコレクションの表舞台とは違うもう1つのファッションの見方。ぜひご覧頂けたらと思います。
その林央子さんも、「拡張するファッション」の中の記事を使って、ファッションを「囲い込む」視点から解放しようよ、という提案を「ファッションは語りはじめた」の中で書かれています。



目次
1 対談
ファッション批評の可能性と条件をめぐって

2 新しい視点でジャパニーズブランドを語る論考集
NIGOの「クリエイティビティ」
アンダーカバーとノイズの美学
洋服から身体を引き剥がす
完全なる「日本」 – matofuの表現

3 ファッションの輪郭
鈴木親の仕事 2008-2011
「囲い」の外へ飛び出すファッション
「モダン」と出会う着物

4 座談会
ドリフのファッション研究室<特別番外編>

5 ストリート/サブカルチャーから生まれたファッションの流れとムーブメント
乖離する衣服と身体 アニメ・マンガから見た90年代以降の日本ファッション史
僕はキャラクターにはなれない
「カワイイ革命について」
ファッション≒ストリートカルチャーだった90年代を再考する


この目次のように、本書はコムデギャルソンとヨウジヤマモトで湧いた80年代以降の日本のモードファッションと、その後の批評・考察が、列挙されています。もちろん書いている人たちは、皆ファッションに造形の深い人達ばかり。批評家はもとより哲学家が多いかも。
章で1つ1つ拾っていくには多様化しすぎてまとめられない。
そこで本記事では、最初の章「ファッション批評の可能性をめぐって」という対談が非常に興味深いので取り上げてみます。まあ、この1章が他の章に関連しているものであり、批評のルール作りのまとめ考察のような存在も兼ねているため、この章に集中することが、本が目指す青写真みたいなものが見えてくると思いまして。

この書籍は、文化(サブカルも含む)・社会・思想・芸術・哲学・宗教学みたいなものが関わってきてものすご〜く抽象的な表現が多くなりがちです。「ザ・哲学!!!」。


ということなんで、私のほうで噛み砕いて噛み砕いて、歯がボロボロになるまで分かりやすいように書きたいと思います。試行錯誤です。分かりやすく書くと、どうしても主旨と離れていく部分もあるかもしれないので、その点注意が必要ですがあらかじめご了承のほどを。 また、専門用語は説明しますが、全部説明するとそれだけで終わるので、特定の専門用語が掲載されているサイトにリンク先を貼りますので、確かめてください。さらに、出てくる人物が書いた名著も紹介しておくので、興味があれば本書と一緒に読んでみるのも、深まるかもしれません。



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タグ: 心理学 経済
posted by No.9 at 21:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 議論 | 更新情報をチェックする