■ファッションの批評ってそもそも曖昧じゃね?哲学的に考察したらエヴァンゲリヲンに到達
「東京コレクション」選考委員ブランドに助成金 ― スポニチ Sponichi Annex 社会
日本最大のファッションイベント「東京コレクション」を主催する一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)が昨年、国の補助金など200万円が得られるブランドを選考した際に、選考委員の1人が取締役を務めるブランドを対象10ブランドの一つに選んでいたことが4日、分かった。日本ファッションの世界への発信力を高めようという官民挙げた事業だけに、運営の透明性に疑問の声が出ている。
ファッションブランドの選考審査と、批評とはまた違うかもしれませんが、評価を下すという点では一緒だと思います。この問題が浮き彫りになって、まだJFWはこんなことしているのか、という溜息とともに、この記事を書くことを決めました。ファッション批評の仕方を今一度考えてみるお話です。
昨年は、ファッション業界の激流の中でかなりマニアックで深い書籍がいくつか出版されましたが、こちらの「ファッションは語りはじめた」もその1つだろうと思います。もう1つ、林央子さんの「
拡張するファッション」もかなり深い内容でした。コンセプチャルではありますが、昨今のパリミラノコレクションの表舞台とは違うもう1つのファッションの見方。ぜひご覧頂けたらと思います。
その林央子さんも、「拡張するファッション」の中の記事を使って、ファッションを「囲い込む」視点から解放しようよ、という提案を「ファッションは語りはじめた」の中で書かれています。
目次
1 対談
ファッション批評の可能性と条件をめぐって
2 新しい視点でジャパニーズブランドを語る論考集
NIGOの「クリエイティビティ」
アンダーカバーとノイズの美学
洋服から身体を引き剥がす
完全なる「日本」 – matofuの表現
3 ファッションの輪郭
鈴木親の仕事 2008-2011
「囲い」の外へ飛び出すファッション
「モダン」と出会う着物
4 座談会
ドリフのファッション研究室<特別番外編>
5 ストリート/サブカルチャーから生まれたファッションの流れとムーブメント
乖離する衣服と身体 アニメ・マンガから見た90年代以降の日本ファッション史
僕はキャラクターにはなれない
「カワイイ革命について」
ファッション≒ストリートカルチャーだった90年代を再考する
この目次のように、本書はコムデギャルソンとヨウジヤマモトで湧いた80年代以降の日本のモードファッションと、その後の批評・考察が、列挙されています。もちろん書いている人たちは、皆ファッションに造形の深い人達ばかり。批評家はもとより哲学家が多いかも。
章で1つ1つ拾っていくには多様化しすぎてまとめられない。
そこで本記事では、最初の章「ファッション批評の可能性をめぐって」という対談が非常に興味深いので取り上げてみます。まあ、この1章が他の章に関連しているものであり、批評のルール作りのまとめ考察のような存在も兼ねているため、この章に集中することが、本が目指す青写真みたいなものが見えてくると思いまして。
この書籍は、文化(サブカルも含む)・社会・思想・芸術・哲学・宗教学みたいなものが関わってきてものすご〜く抽象的な表現が多くなりがちです。「ザ・哲学!!!」。
ということなんで、私のほうで噛み砕いて噛み砕いて、歯がボロボロになるまで分かりやすいように書きたいと思います。試行錯誤です。分かりやすく書くと、どうしても主旨と離れていく部分もあるかもしれないので、その点注意が必要ですがあらかじめご了承のほどを。 また、専門用語は説明しますが、全部説明するとそれだけで終わるので、特定の専門用語が掲載されているサイトにリンク先を貼りますので、確かめてください。さらに、出てくる人物が書いた名著も紹介しておくので、興味があれば本書と一緒に読んでみるのも、深まるかもしれません。
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posted by No.9 at 21:29
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