■フランス金融市場庁(AMF)が、調査に動きだした
2008年から、少しだけ保有していたエルメスの株式をあっという間に、17.1%まで取得したLVMH。首謀者はもちろんLVMHのベルナール・アルノー総帥。これは世界的に議論になっており、マイナスなイメージをLVMHに与えていることは否めないでしょう。なぜか?「高級ブランドは金になる、というイメージがアルノー氏にあるから」。歴史ある老舗メゾンを吸収することによって大きくなってきたLVMHは、過去のグッチ争奪戦の件を含め、どんな言い訳をしょうと難しい面があります。100%否定することはできないでしょう。そのマネーゲーム化が良いか悪いは生活者次第です。そして、マジョリティはそれを良しとしていない。73%株式保有しているエルメスの親族、関係者はアルノー氏に撤退するように意見申立をしていますが、まだ和解に至っていません。
このような背景で、1つ疑問、疑惑が出ています。そもそもなんでエルメスの株式を17.1%保有することができたか?エルメス関係者は知らなかったのか?ということ。実際、約17億円で14.2%まで買いたしたのですが、エルメス株が跳ね上がる最新の終値の54%の値段で17.1%まで買い足したそうです。2008年で1株約80ユーロ。それが現在約160ユーロ。LVMHが売却してもボロ儲けですよ。どちらにしても勝つ方策。この辺に関して、フランス金融市場庁(AMF)が、調査に動きだしました。
仏金融市場庁:LVMHによるエルメス株17.1%取得、調査開始へ /bloomberg.co.jp
11月5日(ブルームバーグ):フランス金融市場庁(AMF)のジュイエ長官は5日、国内高級ブランド、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンによる仏同業エルメス・インターナショナルの株式17.1%取得をめぐり、AMFが正式に調査を開始することを明らかにした。ジュイエ長官がRMCラジオとのインタビューで発言した。LVMHが株式取得に際して必要な規制を順守したか確認するという。LVMHがAMFに先週提出した書類によると、同社は先月、2008年に取得したエルメス株の現金決済に関するスワップ契約の条件を変更し、証券の現物を受け取るために契約終了日を10月22日ならび25日とした。AMFは情報公開に関する規制を昨年強化したものの、株式スワップの現金決済の変更については情報公開を義務付けていなかった。
株取引に関して詳しくないのでよくわからない部分もありますが、『LVMHが株式取得に際して必要な規制を順守したか』というところが焦点となっています。簡単に言うと怪しいのは2点。
1、通常は5%超の株式を取得した際には申告する必要があるのにしなかった疑惑
2、取引方法に、仲介銀行が多く関与していたこと(誰もわからず、今の半額でエルメス株式を17.1%も保有したこと)
この点、00o00.blogspot.comが、あくまで仮説としてLVMHの17.1%の株式を今の半額で買い足した流れを紹介しています。
銀行Aを介したダイアグラム【資料:00o00.blogspot.com】
【注意:前提として2008年でエルメスの株式1シェア75ドルということにする】
これは単純化した図表です。簡単に言えば銀行Aを介してLVMHはエルメスの株式を買い足したということです。銀行に仲介業をしてもらうため、直接ではなく間接的に買い足していく戦略。 以下、数字はあくまで例です。
1、あらかじめ、2008年に銀行AとLVMHの間で、株式1シェアにつき75ドルで買うことを2011年まで必ず払うという契約を結ぶ。そして銀行への手数料として5ドル払う。(これは鉄板の前提)。そして、株価があがっていくであろう2011年にむけて場合によって+αを払う(これがダイアグラム上に書かれているmovement、名目ではなく実質ということ。時系列を限定的に導入しておく)。
2、2011年を迎えるにあたり、エルメス株が1シェア200ドルになっていた場合、銀行は差額の125ドル(+αのmovementを除いた価格ではあるが)LVMHに払う。これでLVMHウマー、ということ。銀行Aは仲介業をしているだけであり、5ドルの報酬があるために別に問題なし。問題は、エルメス。エルメスが慌てて買い戻すため、多額のお金がエルメスからLVMHに流れる。結局エルメスは、お金のなる木であって、経営権というものにははじめから興味がないということになる。アルノー氏の経営権行使のための取得でないことは、皮肉だけど一致する。
超簡単に言うと以上の流れなんですが、果たして銀行Aが75ドルで株式を買えたのかどうか、というあたりが明確になっていないのが残念。株価の変動で、どの程度+αになったかが個人的にはわからない・・・(汗)。
2010年10月、LVMHは銀行Aとの契約を変更させました。というのも、LVMHのこの一件が明るみになりまして、今後株価が下落する可能性があるため、また市場価格を完全に導入するようになったためだとか。
こういったことが、賢明なのか、ずる賢いのか、法を犯している分かりませんが、LVMHとエルメスとの間で、ほぼ定額で契約していた仲介銀行は3つほどあるそうです。だから、それぞれの仲介銀行にとって4.9%の株式保有は、最初指摘された「5%超の株式を取得した際には申告する必要がある」というルールの範囲内、というからくりがある。でも、実は3つの銀行×4.9%で最大14.7%取得に成功したわけ。さらに1つ銀行を増やしていれば、19.9%までいけますね。さて、これはどうなんでしょう?チートなんじゃあないかと。ちょっとまとめてみました。間違っていたらすんません。
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