■派手な広告には興味なし、経営不振の心配から財布固く ポイントは?
ウォール・ストリート・ジャーナルのPost-Recession, the Rich Are Differentという記事が書かれています。先日、ファストファッションは今後消滅していくだろうという、英国メディアの価格志向に対するある意味でのアンチテーゼの記事を紹介しました。アメリカの場合、また異なり富裕層が不況に巻き込まれる恐れを抱き、価格を気にする購買行動に走っているということが書かれています。 しかし、価格以上の価値もあるという示唆もあります。そのヒントはアメリカの高級ブランド、ロダルテにあり。
▲不況後の富裕層の購買行動の変化
【不況は富裕層を心理的に追い詰める】
なかなか終わらない不況。しかし、それも乗り切るのが経済大国アメリカの底力。家を失ったわけでもなければ、仕事を失ったわけでもない、経済不況の直接打撃の影響を受けることを脱した人たちもいます。がしかし、間接的に意識の中にそれは浸透しています。
そのことが、最近の広範囲な調査によって出されています。ブランドイメージに焦点を当てた広告に消費者は興味を示さない。新しい興味として「価格志向」になっているということです。ハリソングループによる、第1四半期の調査では、平均年収27万5000ドル(約2100万円)の富裕層の38%の人々が、ブランド品はセールを待って買うと回答。2010年のときは31%でしたので7%セールを待つ人々が増えました。
【富裕層も価格が購入の決め手に】
以前よりも、富裕層の購買行動は本当に価格次第になってきています。セールに興味があり、価格競争になっている。昨年よりも収入があがった会社役員でも、スーツを買うのをしぶる。最終的にインターネットでマイケル・コースのスーツ185ドルのものを選んだ(これはいくらいなんでも・・・と思ったり 汗)。コストコや、ターゲット(アメリカの量販店)が富裕層の行きつけになってきていることも書かれています。
▲ラグジュアリーは消費者のもとに戻ってくるが、高価格を求めない
【富裕層とブランドとの絆は以前より希薄】
2008-2009年は、ハイプライスにブランドマーケティングが富裕層にとってのプレステージ、購買行動へと動かしていました。特にモード、デザイナーブランドに対する富裕層の思い入れは強かった。しかし、今は違います。下記の『The New Luxury』の図表をご覧ください。これは、2008年に調査した結果を2010年に発表した富裕層のラグジュアリーブランドの消費意識に関する調査結果。それと2011年の第1四半期(最新)と比較したものです。結果から言うと、だいぶラグジュアリーブランドに対する意識が価格志向になっているということ。
【 Source:ウォール・ストリート・ジャーナル】
一番下の、"I am willing to spend more for designer brands because they are the most stylish and fashionable.(私はデザイナーズブランドを喜んでデザイナーブランドを買います。なぜなら、彼らの作品は最もスタイリッシュでファッショナブルだからです)"という質問に対して、2008年の第1四半期では、51%が「思う」という回答に対して、2011年では32%になっています。
ほかの比較されている項目も簡単に紹介してみたいと思います。
◎I believe that the brands I wear say a lot about who I am(ブランド品を着ることを通して自己表現ができる)
「賛成」 2008年 51% 2011年 41%
◎Buying less expensive brands than I usually do(自分がいつも買うものより高価ではないブランドを買う)
「はい」 2008年 17% 2011年 20%
◎Waiting for items I buy to go on sale(欲しい商品がセールになるまで待つ)
「はい」 2008年 31% 2011年 38%
◎Using coupons/direct offers(クーポンなどを使用する)
「はい」 2008年 32% 2011年 39%
▲価格に勝つ価値は稀少価値である
【稀少価値の高いロダルテに惹かれる富裕層】
不況でも富裕層が憧れる物、それは、グッチやルイヴィトンのような大量生産化されている高級バッグではなく、ロダルテのようなオートクチュールライクなブランド。ごく少量生産しかできない稀少価値の高い作品にたいしては、価格以上の価値を見出すようですね。これがアメリカの富裕層の実態です。ちなみに映画「ブラックスワン」の衣装はロダルテが担当しています。
マスマーケット化した高級ブランド、コモディティ化する高級ブランド、そしてファストファッションとのイメージの垣根が消えて入った高級ブランド・・・大衆化した高級ブランドの先には、「セール」か「希少な芸術品」の2点が『The New Luxury』として、拡大しているようです。
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