■前回に続きグレン・オブライエンの記事から
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『POPEYE12月号』に続き、NYのカルチャーシーンを代表するコラムニストのグレン・オブライエンの記事が載っています。「ファッションとともに、生きるべきか死ぬべきか」。男性ファッションの変則的なトレンドの流れと、高尚な部分、男性達の本音が入り交じる前編がありました。グレン・オブライエン氏はメンズファッションのトレンドは氷河のようにしか進まないが、たまに革命がおきたりすることを指摘しています。その例が、モッズ、レディースでいえばミニスカとしてあげられており、核兵器なみのインパクトと表現していました。
本誌の後編では、今のお話。表面的には社会のカジュアル化が平等や民主制の勝利「世界はひとつ」という視覚認識に繋がるように見えたけど、実は正反対とグレン・オブライエンは指摘します。
超富裕層は、服装のハードルが下がった(ホワイトカラー、ブルーカラーの垣根が曖昧、レストランのドレスコードが消えつつあるなど)ことをいいことに、衆人に紛れ込む。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ(マーク・ザッカーバーグ等も入るかも)、ハンツマン、ゼニアのスーツよりも、別注のナイキにエヴィスジーンズなどのカジュアル姿・・・・・キメキメなのは紳士服店のスタッフくらい。
グレン・オブライエン氏は、紳士服の着用を推しながらもオリジナルで文脈(コンテクスト)のある着こなしが求められると述べています。スーツがほとんどの男性に容姿という負荷から逃れる匿名性と免罪符を与えるからだとか。
僕は、基本的に好きな服を着たほうが良い、という考えをベースにしていますが、あえて 9万円以下でつくる脱オタファッション スーツスタイル編とか、1着は持ちたい自分に合ったスーツの選び方 初級なんていう記事も書いてバランスを取って来ました。
もう1つ、指摘しているのはファッションは「前進」が全てであり、科学や近代アートに影響を受けてきた、との前提を置いて、
ファッション好きが「それって前シーズンだよね」と言う時、ファッションは常に更新され、1ミリ先を行くのが大事なため、前進は強制される。だが、科学と違ってファッションはリアルではない。もっと遊び、もっと学び、何かを勉強したからといって、昨日と今日で着るものが変わるわけではない。新しさ故の新しさだ。
ある種の社会的なヒエラルキーがファッションを決めつけようとする、陰謀説も説明していますが、それはあくまで低俗な信仰と切り捨てております。
現代を祟め、人が何を着て、誰が最初に着るかを知り、あわよくば周囲の誰よりも早く着こなし、次のモードへ一番乗りすべく、最初に(作られた)現在を断ち切る。個人主義ではなく、あくまで競争型のグループシンク(集団浅慮)で、唯一の指紋でも雪の結晶でもない。そうしてファッション愛好家は煮えたぎる溶岩に身を投じる。
上述のことからグレン・オブライエン曰く、ファッションが人の役に立つのなら使わない手はない。大事なのは利用されないことの重要性を説く。ファッションは退屈でなく、面白い動きをし捉えどころがない。善悪もない。だから、人間は「前進の強制」から開放される勇気と決断が必要なんだということだと読んでいて思いました。それがあちこちで見られるようになれば、革命は起こる。
グレン・オブライエン流に言えば、ウォール街に断頭台を置き、ブラックパンサーの革ジャンとガウチョパンツのよれたドレッドヘアが必要だ、というようなアイロニックなブラックユーモア。
一度変わった風景はもとに戻らないなら、複雑で刺激的な外見で雪の結晶のように個性的なら、現状維持で全体主義の連中を飲み込む個人主義たちの雪崩まで遠くない。自分のスタイルを諦めず、壁のクールなグラフィティから目を離すな。
「記号消費、準拠集団は終わったと、表面的に言う時代」の終わりを告げるプロセスが革命を起こす、ということではないかと思うのですが、ヒッピーになったところで、それは起こせない。ちゃんと、仕事のあるスーツ族の目に見える反抗が必要としています。
大事なのは、「現在」という事実を見て強制され更新されたものか、自分のスタイルを持った人間達によって勝ち取られた「現在」か、で大きく変わる。
僕の場合、その辺の流れを探る手立てとして、ブラック・スワンの著者ナシブニコラスタレブで言う「ああ、ポパー」を引っ張ってきます。反証主義で1つの事象の説明力を測ろうしてる、それが主観が入らないで客観的な考察ができるから。実質科学のこと。そして、踊っているか踊らされているかの違いに気づくんです。そんなアホなブログが1つあってもいいかなと思って(笑)。
本作品は、グレン・オブライエン達の書籍『HOW TO BE A MAN』からなんですね。日本語版出ないかな、と思っているんですけど・・・。
ちなみに、超絶辛口批評の某ファッションブログのネタ元はこちらのようですね(笑)。
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